七情

3月になり、春の陽気を感じられる日も増えてきました。

3月8日より、付属治療院はセンタープラザビルの9階に移転いたしました。

このセンタープラザビルに引っ越してきたのは、今から7年前です。あっという間に感じていましたが、もう7年も経過していたのだと、月日の流れる速さに驚かされます。

さて今回は、この「7」という数字にちなんだ東洋医学のお話をしたいと思います。

 

 

東洋医学では「七情」という「怒・喜・思・悲・憂・恐・驚」の7種類の感情が、臓腑にも影響して体調の変化を起こす原因になると考えられています。

日常の生活でも起こりやすい感情ではありますが、その感情が強過ぎたり長期にわたると、限界を超えて体に悪影響を及ぼします。

 

 

・怒り過ぎるとイライラして顔は赤くなります。気が上がりやすく「肝」に影響します。

・喜びすぎると気が緩んだり、興奮し過ぎて睡眠が浅くなるなど、「心」の状態に影響します。

・思い悩みすぎると「脾」に影響します。脾は食物の運化を司りエネルギーを運ぶ臓器ですが、傷むと胃腸の不調が現れやすいです。

・悲しみすぎたり憂いすぎると「肺」に影響します。肺が傷むと、呼吸が浅くなり気持ちも沈みがちになります。

・恐れすぎや驚きは「腎」に影響します。泌尿器系にも関係するため、緊張するとトイレが近くなるのもこれが原因の一つです。

 

 

特に春の季節は、寒暖の差による体への影響や、年度末の忙しさによるストレスが強すぎて、イライラや不安感、怒りの感情が出やすくなります。体の熱が上半身に上がってくるため、頭はのぼせやすいですが足元は冷たい状態です。肝の気が上がった状態です。

 

 

東洋医学の肝は、血を貯蔵し気の巡りを司る臓器です。気血を全身に十分に巡らせることで、精神的にも安定した状態になるので、肝の気を下げる必要があります。

対処法としては、まずは肝の気を抑えるためにストレスを減らす必要があります。

適度な運動を行うと気の巡りもよくなるので、軽い体操やウォーキング、ストレッチなどをこまめに行いましょう。

 

 

治療院も新しくなり、新年度に向けてさらに活気づいてくる時です。イライラせず落ち着いて過ごすことが大切ですね。

「7」に関係するお話をしましたが、新しい治療院は「9階」です。

皆様、お間違いないようにお気をつけください。

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

池辺 由実

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2022年は壬寅(みずのえ・とら)!

 東洋医学では、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干と、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支の組み合わせで、「甲子」から「癸亥」までの60年周期で考える思想があります。

 

 

《十干(じゅっかん)》

甲(きのえ):木の兄

乙(きのと):木の弟

丙(ひのえ):火の兄

丁(ひのと):火の弟

戊(つちのえ):土の兄

己(つちのと):土の弟

庚(かのえ):金の兄

辛(かのと):金の弟

壬(みずのえ):水の兄

癸(みずのと):水の弟

 

 

《十二支(じゅうにし)》

子(ね)

丑(うし)

寅(とら)

卯(う)

辰(たつ)

巳(み)

午(うま)

未(ひつじ)

申(さる)

酉(とり)

戌(いぬ)

亥(い)

 

 

 「甲子園」は「甲子(きのえ・ね)」の年にできたので甲子園と言います。

 「甲」は「木の兄(きのえ)」、「乙」は「木の弟(きのと)」と読み、東洋医学の木・火・土・金・水の五行と対応しています。「丙(ひのえ)」は「火の兄(ひのえ)」であり、十二支の「午(うま)」は五行の火なので、「丙午(ひのえ・うま)」生まれの人は五行の火の性質が強すぎて、気が強くなると昔は言われました。

 東洋の歴史は、日本の「戊辰(ぼしん)戦争」や「壬辰(じんしん)の乱」、中国の「辛丑(しんちゅう)条約」、韓国の「甲午(こうご)農民戦争」のように、十干・十二支の干支の組み合わせで表現されてきました。

 

 年・月・日・時のそれぞれに十干と十二支の組み合わせがあり、生まれた年・月・日・時の四つの十干・十二支の五行の組み合わせから「運命」をみる占いを「四柱推命(しちゅうすいめい)」と言います。

 東洋の時間の干支では、夜の1時から3時の幽霊が出る時間は「丑の刻」です。午後12時頃は「午(うま)の刻」であり、午後12時より前を「午前」、午後12時より後を「午後」と言います。

東洋の方角も干支で表現します。「子(ね)」の方角は北で、「午(うま)」の方角は南なので、南北を結ぶ地球の線を「子午線」といいます。

 このように、東洋の文化の時間と空間は、十干と十二支で表現されてきました。

 

 2021年は辛丑(かのと・うし)で、「辛(つら)い」年でした。丑(うし・ちゅう)は植物が芽吹いて、伸びようとして伸びないようす、紐(ひも・ちゅう)がついているような状態です。伸びようとして伸びないのが2021年の特徴でした

 

 

 2022年は壬寅(みずのえ・とら)になります。

 壬(みずのえ)は妊娠の「妊」です。陽気が地中に潜伏して万物が懐妊している様子です。寅は「伸(のびる)」という意味があります。新しいモノが始まろうとする年の意味があります。伸びようとして伸びることのできなかった方は、東洋の思想では、今年がチャンスです!新しいことを始める年になります。

 また、東洋医学では「五運六気(ごうんろっき)」といって、気象と病気を予測する理論があります。2022年「壬寅」は少陽相火司天・厥陰風木在泉、木運太過となります。

 

 東洋医学の1,000年前の本『聖済総録』に壬寅年の1月から3月の予測が『病は気が沸騰して上にあり、出血して、目赤く、咳逆して頭痛し、ワキが張り、皮膚病となる』と書かれています。

 現代の言葉に変えると、花粉症で目が赤くなり、咳が出て、頭痛し、皮膚病が悪化するという予測になります。春はアレルギーの季節であり、結構当たっている印象がありますね。花粉症や頭痛は、鍼灸がものすごく得意な症状になります。

 ちなみに今年の3月から5月の病予測は『その病は熱が上にこもり、咳して嘔吐し、皮膚病を発する。胸のどが詰まり、頭痛・発熱し、頭がぼんやりして皮膚病となる』となっています。

 

 自律神経失調症で、のぼせる症状についても、鍼灸は得意中の得意です。思い当たる、身体の不調がある方は、ぜひ、神戸東洋医療学院付属治療院にご予約ください!

 

神戸東洋医療学院 早川 敏弘

 

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春分の日

厳しい冬の寒さもようやく緩み、満開の梅も終わりそうな神戸です。
関西では昔から、奈良東大寺のお水取りを迎えると厳しい寒さが一段落すると言われたり、暑さ寒さも彼岸までという風に言われたりします。毎年、肌感覚としてもよく言い表された言葉だと感じます。

 

 

一層春めいてくる彼岸の中日は、『春分の日』に当たります。
そんな『春分の日』ですが、昼と夜の時間が等しくなるとよく聞きます。しかし、昼夜の時間は本当に等しいのでしょうか?
今回はそんな常識を検証してみたいと思います。

2022年春分の日頃の“日の出”“日の入り”の時刻を国立天文台の情報を参考に確かめていきます。
今年の春分の日(3月21日)の“日の出”は6時02分、“日の入り”は18時11分です。
おや、これでは9分間昼の時間が長くなっていますね。
日をさかのぼって日の出と日の入りの時刻をみてみましょう。

 

●3月20日 6:04 18:11
●3月19日 6:05 18:10
●3月18日 6:06 18:09
●3月17日 6:08 18:08
●3月16日 6:09 18:07

このことから昼(日照時間)と夜の時間が等しいのは、2022年では3月17日ということになります。すると私が常識だと思っていた『春分の日』や『秋分の日』の昼夜の時間が等しいというのは間違いということです。
改めて、広辞苑で『春分』を調べてみると二十四節気の一つ、太陽の中心が春分点上に来た時の呼称で“昼夜の長さがほぼ等しい”とあります。
これは余計皆さんを混乱させてしまっているのではないでしょうか?

 

一般的には、昼は太陽が東の地平(もしくは水平)から現れてから西の地平(もしくは水平)に完全に没するまでと私たちは捉えていると思います。
それを基準にすると今年は、3月17日(何の意図もありませんが私の誕生日です^^)が、昼夜等しい日となってしまいます。

もし太陽の中心が地平から現れ、そして太陽の中心が沈む時刻を基準にすると、ちょうど昼夜を二等分することになります。しかし、太陽の上辺が地平から現れ始めて、完全に地平から出るまでは、およそ9分かかるのです。
これが、春分の日は日照時間が夜の時間より9分間長い理由です。

そんなことは知っているよという方が多いのかもしれませんが、私は長い間『春分の日』や『秋分の日』は、昼夜の時間が等しいと信じてきました。
このように世の中には常識と思われていても、調べてみると実際は違っているということもたくさんありそうですね。

 

鍼の施術についても、様々な先入観や常識があるかと思います。
その一つが、鍼施術はとても痛いだろうということです。
もちろん人の感受性はそれぞれですので完全な無痛であるとは決して言いませんが、皆さんが想像する“注射針”や“縫い針”が刺さった時などの痛みとは異なり、ほとんど痛みはありません。
それにはいくつかの理由があります。
まず1つ目は、日本で使われている鍼は、通常の“注射針”や“縫い針”などとは違い、圧倒的に鍼が細いことです。2つ目は、鋭い痛みを感じるセンサーが豊富に存在する皮膚を一瞬で通過させる技術のためです。

鍼施術を受けられたことのない方には信じ難いことかもしれませんが、施術中に眠っておられる方もよくいらっしゃいます。
施術を受けられた方々から「もっと鍼は痛いものだと思っていました」や「凝りに鍼があたると何とも言えない気持ちよさがありますね」等の感想を伺います。ですが、前にも述べたようにとても過敏な方も中にはおられます。
そんな方にはさらに細い鍼を使用したり皮膚には刺さず撫でたり、圧迫のみを行う鍼を使用し施術を行うことも可能です。

一言に鍼施術と言っても、施術方法や刺激量、使用する鍼の種類も様々です。
これも、オーダーメイド医療と鍼灸施術が呼ばれるゆえんの一つと言えます。

もう少しで新年度を迎えますね。新しい出会いや新しい気付きがあればと願っています。

 

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神戸東洋医療学院付属治療院 川上 靖

衛気(えき)を高めて元気に

 24日は「立春」。

まだまだ肌寒い日が続きますが、暦の上では『春』を迎えます。

依然として新型コロナウイルスの脅威が続いており、感染症というものを改めて考えさせられますね。

自分自身や家族友達など、周りを見ても、普段から毎年のように風邪やインフルエンザにかかる人と、

生まれてこの方かかったことがない、という人がいると思います。

その差って何でしょうか…exclamation and question

 

中医学ではその差は『正気(せいき)』にあると言われています。

中医学の古典「黄帝内経」には『正気存内(せいきぞんない)邪不可干(じゃふかかん)』という有名な言葉があります。

これは「“正気”が体内にしっかりあれば、“邪気”が干渉することはできない」という意味です。

邪気とは、病気を引き起こす気のことで、正気とは邪気に対抗する抵抗力や自然環境に適応する能力のことを指します

その正気の中でも、病気から身体を守るバリア機能のような働きがある気を『衛気(えき)』と言います。

 

『衛気』は気の中の1つで、名前の通り『防衛の気』です。

皮膚や肌など体表面に存在するとされており、

・体表を守り、邪気の侵入を防ぐ

・汗をコントロールして、体温を維持する

・皮膚や臓腑を温める

などの働きがあるとされます。

では、みなさんの体内に衛気はどのくらいあるでしょうか?簡単なチェックをしてみてください。

                           【衛気不足チェックリスト】

□風邪をひきやすい
□暑くないのに、汗がだらだら出る

□疲れやすく、息切れしやすい
□肌のツヤや弾力がない
□冷え性で冷房が苦手

□冷たい風に当たると体調を崩しやすい
□花粉症などアレルギー体質

※多く当てはまるほど、衛気は不足しています。

 

「衛気」を作り、全身に巡らせる臓腑は「脾」と「肺」と言われます。

「脾」は胃や腸の消化器系のことで、胃腸が「衛気」を作り、「肺」がそれを全身に巡らせます。

 

衛気と共に胃腸と肺をいたわる養生もご紹介しますほっとした顔

 

【脾(胃腸)を補う食養生】

キーワードは「自然の甘味で黄色い食べ物」。

例:かぼちゃ、さつまいも、トウモロコシ、にんじん、じゃがいも、お米、大豆製品、りんご、 

キャベツ、インゲン豆など     

【肺を補う食養生】

キーワードは「白い色の食べ物」。

例:豆腐、レンコン、山芋、大根、白菜、梨、白きくらげ、ゆり根、白ごま、松の実、杏仁豆腐、 

豆乳など

【衛気を補う養生法】

・肥甘厚味(油っこい、甘い、味付けの濃い)のものは出来るだけ避ける。

・ストレッチやヨガ、ウォーキング、ランニングなどで体を動かす。

・冷たい飲食物は控えめに、水も必要以上に摂り過ぎない。

・睡眠を大切に。

・朝一番の深呼吸。

 

これらの養生法、全ては難しくても「これくらいならできるかな?」というものが一つ二つはありませんか?

できることから少しずつ、衛気をしっかり補って、感染症を寄せ付けない体づくりをしていきましょうねクローバー

 

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神戸東洋医療学院付属治療院 田中 友也

 

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秋は葉も髪も落ちる季節

11月に入り気温も下がり、過ごしやすい季節になりました。秋と言えば紅葉の季節。色付いた紅葉はとても綺麗ですし、落ち葉の絨毯もあちこちに広がりますもみじ

そんな落ち葉が多い秋は、髪も抜けやすい季節だということはご存じでしょうか?1年で最も抜け毛が多くなるのは11月。秋は春より3倍も髪が抜けると言われています。

・夏の紫外線ダメージの影響

・頭皮の乾燥

・夏の冷房の影響

・昼夜の寒暖差による自律神経の乱れ

・・・等、理由はいくつもあります。

  

中医学では「自然と人は一体」であると考えていますが、落ち葉の様に髪はたくさん抜けないで欲しいものですね。

秋は元々髪が抜けやすくなる時期なので、「どうしよう!ハゲてしまうかも!」とあまり心配する必要はありません。ただ、美容の観点や、そこから生じる精神面への影響も考えると、普段から頭皮ケアやへアケアをすることで薄毛を予防することはとても重要です。

「脱毛」を引き起こす疾患のひとつにAGA(男性型脱毛症)があります。男性のアーティストやお笑いタレントが出ているCMで印象に残っている方もおられるのではないでしょうか。

AGAはその名の通り男性にみられる脱毛症で、主な原因はテストステロンという男性ホルモンが変化したジヒドロテストステロンというホルモンの影響です。AGAの患者数は1260万人で、20~69歳成人男性の3人に1人がAGAと報告されています。主に額の生え際や頭頂部の髪が薄くなります。

ヘアサイクル(髪の毛の一生)は成長期(4~6年)、退行期(数週間)、休止期(3~5ヶ月)に分けられます。ジヒドロテストステロンは成長期に影響を及ぼし髪の寿命を短くしてしまいます。成長しきれない髪は細くコシの無い髪(軟毛)なので髪が薄くなってしまいます。

 

しかし、希望はありますひらめきAGAにおいては一般的に毛根が無くなっているわけではなく、成長しきれないだけでうぶ毛は残っています。毛根が在るかぎり、髪の毛は成長する可能性があります。

 

西洋医学ではジヒドロテストステロンの産生を抑える薬の服薬治療がメインとなりますが、東洋医学の鍼灸治療もおススメです。

東洋医学で髪は「血の余 り」と言われており、量の不足や血行不良により頭部を巡る血が不足すると薄毛になります。鍼灸治療によって血を作り出す消化器系の機能を高めたり、頭部の血流改善をはかる事で、薄毛改善が期待できます。

 

薄毛というと男性のイメージが強いですが、女性で薄毛に悩まれている方も多くいます。

みなさま、この秋は鍼灸治療で心と身体に加えて髪の毛のケアをしてみましょう手 (グー)ぴかぴか (新しい)

 

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