「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

 一度は耳にしたことがあると思いますが、これは女性の美しさを花に見立てて表したことわざです。

 芍薬は、長い茎の先に美しい花を咲かせます。スラっとした美しさを表現していますぴかぴか (新しい)

 牡丹は、芍薬とよく似ていますが、低めの枝分かれした木に横向きに花を咲かせます。座っているだけでも美しい姿を表現しています。

 百合は、細長い茎の先に大きな花を咲かせます。風を受けて揺れる様子から、長い足で軽やかに歩く様子を表現しています。

 

 それぞれの花の特徴から生まれたことわざですが、見た目の美しさからだけではなく、漢方薬の原料である生薬の効能から作られたともいわれています。

 

 「立てば」は、気が立っている状態を指しています。芍薬には筋肉の痛みやこわばりを鎮め、イライラなどを落ち着かせる効果があります。

 「座れば」は、ペタンと座り込んで動かない状態を指しています。座ってばかりで血流が悪くなっている血(おけつ)が原因です。牡丹は血流を改善させる効果が高いです。

 「歩く姿」は、ゆらゆらと揺れる様子から、不安定で頼りない状態を指しています。百合は生薬としては「ビャクゴウ」という読み方で使われ、精神的な不安定さや動悸、不眠などを改善させる効果があります。

 

 今の季節、開花が最も旬なのは芍薬です。

 生薬としての効能は、上記にあげたように筋肉の痛みやこわばりを鎮める効果があるのですが、これは血の不足や血行を良くする効果があるからです。血行を良くするので、手足の冷えや女性の月経困難症など婦人科疾患、美肌にも効果があると言われています。

 こむらがえりの特効薬として有名な「芍薬甘草湯」や、婦人科疾患の方によく使われる「当帰芍薬散」や、他にもたくさんの漢方薬に芍薬は配合されています。

 英名ではピオニーと呼ばれ、香水にもよく使われています。ほんのり甘い香りは女性らしく、モテ香水としても人気なのだそうです。ハーブティーとしても親しまれており、生薬と同様に血行を改善させる効能があります。

 芍薬の花は、凛とした佇まいに心惹かれる美しさがありますぴかぴか (新しい)

 人間も草花と同様、調子が良い時は周りから見ても元気で華麗な姿に映りますが、体に痛みがあって曲がった姿勢になったり、他にも不調があると弱々しく見えてしまいます。

 これから梅雨に入り憂鬱な季節がやってきます。不調を感じた時には、芍薬のような花を愛でて心を癒されるのも良いですね。それでも改善されない時には、ぜひ鍼灸や漢方薬のご相談にご来院ください。そして「立てば芍薬」のような姿を目指しましょうexclamation

 

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神戸東洋医療学院付属治療院 池辺 由実

 

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