髪の毛は血の余り!?

年を重ねるごとに髪の毛が薄くなったり、細くなったり、コシがなくなったりと髪の毛のトラブルや悩みは増えていきますね。

中医学では髪の毛のことを「血余(けつよ)」や「腎の華は髪にある」と言われます。これは一体どういうことでしょうか?

 

まずは「血余」からご説明していきます。

髪の栄養である「血」が不足することによって、頭皮まで十分な栄養が届かなくなるので、髪の毛は細く、パサつき、抜けやすくなります。

特に女性は毎月の生理や出産、授乳など血を消耗する機会も多いため、生理中は髪の毛がまとまりにくかったり、産後に髪が細くなったり、抜け毛が増えた人も多いと思います。

また、中医学では考え事や悩みごとが多く脳をよく使う、よく目を使う、睡眠不足なども血を消耗すると考えられているので、男性も他人事ではありません。

 

≪血の不足チェックリスト≫

3つ以上当てはまる人は血の不足が進んでいる可能があります。

□貧血気味   □めまい、立ち眩みがする

□眠りが浅い、不眠   □不安感が強い

□爪が割れやすい

□顔色が青白く、艶がない

□かすみ目や疲れ目がある

□生理のトラブルが多い

 

次に、「腎の華は髪にある」ですが、これは生命エネルギーの貯蔵庫である腎の元気度を髪の毛が表すということです。

腎が元気であれば髪の毛は黒々としたコシのある髪の毛として維持できます。しかし、腎は加齢によって日々そのエネルギーを消耗してしまいます。

そこに慢性的なストレスや疲れ、大病、過度な性生活などによって腎に必要以上の負担をかけると、その消耗も激しくなってしまいます。

 

≪腎の弱りチェックリスト≫

3つ以上当てはまる人は腎の弱りが進んでいる可能があります。

□足腰の痛み、だるさ

□歯のトラブルが多い

□頻尿、尿漏れ

□夜にトイレに何度も起きる

□疲れやすい   □耳鳴り、難聴

□冷え性   □ほてり

 

それぞれの養生法をご説明します。

≪血を補う養生法≫

①睡眠をとる

中医学では眠っている間に血を綺麗にし、増やすと考えられています。出来ればその日のうちに寝るようにして下さい。

そんなの無理!という人は、まずは10分でも良いです。早く寝るようにして下さい。血を補うには睡眠本当に大事です。

②目を酷使しない

目を酷使することも血を消耗する、と中医学では考えます。スマホやPC、テレビやゲームが面白いのもわかりますが、現代人は目を使い過ぎです。

睡眠のためにも23時を超えたら目を使わないなど自分の中でルールを決めましょう!

 

≪腎を元気にする養生法≫

①体を冷やさない

腎は冷えにとても弱いです。冬はもちろんですが、最近は夏もエアコンでとても冷えます。

夏でも冷たいものは控えめにしつつ、腹巻などを活用して、特に腰回りを冷やさないようにしましょう。

②疲れやストレスは溜め過ぎない

疲れやストレスを溜めることは腎の消耗につながります。日々忙しいとは思いますが、こまめに疲れを取り、ストレスは発散するようにして下さい。

休みの日も予定を入れ過ぎずに、たまにはゆっくり、のんびり過ごすのもよいと思いますよ。

 

美しい髪の毛は一日にしてならずです。

5年後、10年後に今以上に美しい髪の毛でいられるように、日々コツコツ養生していきましょうね!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

田中 友也

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春とかぜ

暖かくなってきましたね、皆さんお元気ですか。今回は、春と風の話をしようと思います。

春の訪れを告げる代表として春一番があるように、春は風の季節です。春先の季節の変わり目、寒暖の差により体調を崩して風邪をひく方も多いのではないでしょうか。

『風=かぜ=風邪』

普通「風邪」と書かれていたら「かぜ」と読みますが、東洋医学の世界では「ふうじゃ」と読み、風の邪気のことを表します。

 

邪気とは、病気をもたらす気のことで、外部環境の変化からやってくる邪気のことを外邪といいます。

外邪は風邪以外にも、「寒邪(かんじゃ)」・「暑邪(しょじゃ)」・「湿邪(しつじゃ)」・「燥邪(そうじゃ)」・「火邪(かじゃ)/熱邪(ねつじゃ)」があります。

 

◎寒邪は、冬の厳しい寒さやクーラーの当たり過ぎなどの時にあらわれる邪気です。

寒邪によって引き起こされる症状としては強い寒気、頭痛、首肩の凝り痛み、関節痛、腹痛や下痢などが挙げられ、これらの症状は冷えによってさらに悪化します。

 

◎暑邪は、夏場の高温や季節に関係なく高温となるような職場や住環境などでの生活の時にあらわれる邪気です。

暑邪による症状としては高熱、顔面紅潮、口の渇き、発汗過多、だるさ、意識障害などが挙げられ、暑邪が引き起こす症状は熱中症によるものとほぼ同じだと考えられています。

 

◎湿邪は、梅雨時の湿気や通気性の悪い環境での生活の時にあらわれる邪気です。

湿邪による症状としては身体の重だるさ、頭重感、頭痛、むくみ、食欲の低下、吐気、下痢、腰痛や関節痛、湿疹などが挙げられます。湿邪による痛みの症状は雨の日や台風の接近によって悪くなりやすく、シクシクとした鈍痛として現れやすいです。

 

◎燥邪は、秋から冬にかけての乾燥した気候などの時の邪気です。

燥邪による症状としては口・喉・鼻・眼・皮膚といった身体の乾燥、乾燥した咳、切りにくい痰、喉の痛み、便秘などが挙げられます。

 

◎火邪(熱邪)は、炎症や熱感をともなう症状を引き起こす邪気です。

しばしばみられるものだとカゼによる喉の腫れや痛み、粘々した痰をともなう咳、眼の充血、発熱、頭痛、顔面紅潮などが代表的です。これら以外にもイライラ感、落ち着きのなさ、寝つきの悪さ、鼻血、皮下出血、不正性器出血などの症状も火邪によって引き起こされます。この場合は精神的ストレスの蓄積や慢性病などが火邪を生む原因といえます。

熱邪と火邪はほぼ同じ性質ですが火邪の方が熱邪より強く、病状の強さで使い分けされることもあります。

 

◎そして6つ目は「風邪=ふうじゃ」です。

他の邪と比べて影響力は弱いとされるものの、他の“邪”を伴って、肩甲骨の上辺、背骨寄りの位置にある「風門」と呼ばれるツボから侵入し、風のように病状が早く進みます。風邪は万病の元と言われますが、これは風邪が寒邪や熱邪を先導して侵入し病気を引き起こし、身体の中であちこち移動し症状も変化することを表現していることだと考えられています。

頭痛やめまいなど、上半身に症状が出やすい特徴があります。また、昔はほとんどの病気は風邪(風)にのって運ばれてくると考えられていたので、痛風・破傷風・風疹・中風(脳卒中にあたるもの)などに「風」がつく病名が多くあります。

 

この「風邪=ふうじゃ」の影響がもっとも強くなるのが春で、寒暖の差が大きく気温の変化が激しいため、自律神経も乱れがちになります。花粉症などもあいまって体内の免疫力「正気」が弱り、「風邪=ふうじゃ」が身体に入ってきた結果、「風邪=かぜ」という症状になって現れるというわけです。

 

鍼灸では、風門穴などに鍼やお灸を行い風邪の侵入を防ぐことができ、自律神経の乱れを整えて体調を改善していきます。

外邪の影響を受けたと感じ体調が優れない時は、ぜひ来院し一緒に邪気退治をしましょう!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 

井上 博之

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春の健康管理

お昼の気温が20度ほどになる日が増えています。しかし夕方になると10度以下に落ちることもあり、まだまだ寒暖差が大きいです。朝はまだ冷えて、暖かい服装をすると昼間は暑く感じ、逆に暑くなると思って薄着をすると朝晩は寒くなることがあり、服装で困る時期ですね。

そして春は寒暖差だけではなく花粉症や鼻炎、昼間の眠気など様々なアレルギー性疾患が多く見られます。

 

 では、春の健康管理はどうすればいいのかお話します。

 

まず春の季節はいつからいつまででしょうか。

季節は〝節気〞という太陽の運行によって区別しています。東洋医学で春の期間は、春の始まる日の立春から夏が始まる日の立夏までです。よって2月4日から5月5日ぐらいの期間を春となります。

季節は万物に変化を与え、私たちの体も季節に合わせて適応が違うので、東洋医学では季節に合わせた養生法と治療法があります。

 

春の特徴と、それぞれに適応した健康管理を4つ紹介します。

 

◎1つ目は〝暖かい〞ことです。

春は冬の間に人の体に足りなかった陽の気を補うのに良い季節です。その中でも特にお腹に暖かい陽気をたくさん受け入れた方が良いです。これは胃腸が暖かいエネルギー(陽気)を受け入れることで動きが円滑になり、その機能が良くなるからです。

天気が良く日差しが差し込む日にはなるべく散歩をしながら陽気をたっぷりと受け入れるようにしましょう。

 

2つ目は〝風が吹く〞ことです。

この時期に吹く強い風は暖かい春の気配を乗せて飛んでいき、万物の隅々を目覚めさせ活気を取り戻してくれます。しかし、この春風に混ざって黄砂とPM2.5 などの悪い異物が伝達されます。

黄砂とPM2.5が多く飛来する際はなるべくお出かけを控え、帰宅後にはうがい・手洗いを十分に行い、衣類を払って黄砂を落としましょう。また、洗濯物はなるべく部屋干しにして可能な限り窓を開けないようにすると良いでしょう。

 

3つ目は〝エネルギー(気)が上昇する時期〞です。

この時期、植物は新芽を咲かせて冬の間にずっと眠っていた動物たちも活動を始めます。しかし、人は冬に貯めていた気が少ないと、体がそのエネルギーに付いていけなく、疲れやすい、やる気が出ない、昼食後眠気で困るなどの症状が起こります。

このような場合は睡眠の質を上げ、脂濃く味付けが強いものよりもあっさりした食べ物を食べて、有酸素運動など軽い運動を週4回程度行った方が良いでしょう。

 

4つ目は〝寒暖差が大きい〞ことです。

私たちの体はこの激しい寒暖差に慣れるため頑張りますが、これにより免疫力が低下することもあります。この時期には風邪をひきやすくなり、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などを患っている場合、症状がさらにひどくなることもあります。

寒暖差が大きい日は薄いマフラーで首を温めること、39℃~40℃のお湯の湯船に約10分つかり、体全体を温めた後ストレッチをし、熟眠できるようにしましょう。

 

 

この4つの事に気を付けながら、活気のある春をお過ごしください。

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

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七情

3月になり、春の陽気を感じられる日も増えてきました。

3月8日より、付属治療院はセンタープラザビルの9階に移転いたしました。

このセンタープラザビルに引っ越してきたのは、今から7年前です。あっという間に感じていましたが、もう7年も経過していたのだと、月日の流れる速さに驚かされます。

さて今回は、この「7」という数字にちなんだ東洋医学のお話をしたいと思います。

 

 

東洋医学では「七情」という「怒・喜・思・悲・憂・恐・驚」の7種類の感情が、臓腑にも影響して体調の変化を起こす原因になると考えられています。

日常の生活でも起こりやすい感情ではありますが、その感情が強過ぎたり長期にわたると、限界を超えて体に悪影響を及ぼします。

 

 

・怒り過ぎるとイライラして顔は赤くなります。気が上がりやすく「肝」に影響します。

・喜びすぎると気が緩んだり、興奮し過ぎて睡眠が浅くなるなど、「心」の状態に影響します。

・思い悩みすぎると「脾」に影響します。脾は食物の運化を司りエネルギーを運ぶ臓器ですが、傷むと胃腸の不調が現れやすいです。

・悲しみすぎたり憂いすぎると「肺」に影響します。肺が傷むと、呼吸が浅くなり気持ちも沈みがちになります。

・恐れすぎや驚きは「腎」に影響します。泌尿器系にも関係するため、緊張するとトイレが近くなるのもこれが原因の一つです。

 

 

特に春の季節は、寒暖の差による体への影響や、年度末の忙しさによるストレスが強すぎて、イライラや不安感、怒りの感情が出やすくなります。体の熱が上半身に上がってくるため、頭はのぼせやすいですが足元は冷たい状態です。肝の気が上がった状態です。

 

 

東洋医学の肝は、血を貯蔵し気の巡りを司る臓器です。気血を全身に十分に巡らせることで、精神的にも安定した状態になるので、肝の気を下げる必要があります。

対処法としては、まずは肝の気を抑えるためにストレスを減らす必要があります。

適度な運動を行うと気の巡りもよくなるので、軽い体操やウォーキング、ストレッチなどをこまめに行いましょう。

 

 

治療院も新しくなり、新年度に向けてさらに活気づいてくる時です。イライラせず落ち着いて過ごすことが大切ですね。

「7」に関係するお話をしましたが、新しい治療院は「9階」です。

皆様、お間違いないようにお気をつけください。

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

池辺 由実

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2022年は壬寅(みずのえ・とら)!

 東洋医学では、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干と、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支の組み合わせで、「甲子」から「癸亥」までの60年周期で考える思想があります。

 

 

《十干(じゅっかん)》

甲(きのえ):木の兄

乙(きのと):木の弟

丙(ひのえ):火の兄

丁(ひのと):火の弟

戊(つちのえ):土の兄

己(つちのと):土の弟

庚(かのえ):金の兄

辛(かのと):金の弟

壬(みずのえ):水の兄

癸(みずのと):水の弟

 

 

《十二支(じゅうにし)》

子(ね)

丑(うし)

寅(とら)

卯(う)

辰(たつ)

巳(み)

午(うま)

未(ひつじ)

申(さる)

酉(とり)

戌(いぬ)

亥(い)

 

 

 「甲子園」は「甲子(きのえ・ね)」の年にできたので甲子園と言います。

 「甲」は「木の兄(きのえ)」、「乙」は「木の弟(きのと)」と読み、東洋医学の木・火・土・金・水の五行と対応しています。「丙(ひのえ)」は「火の兄(ひのえ)」であり、十二支の「午(うま)」は五行の火なので、「丙午(ひのえ・うま)」生まれの人は五行の火の性質が強すぎて、気が強くなると昔は言われました。

 東洋の歴史は、日本の「戊辰(ぼしん)戦争」や「壬辰(じんしん)の乱」、中国の「辛丑(しんちゅう)条約」、韓国の「甲午(こうご)農民戦争」のように、十干・十二支の干支の組み合わせで表現されてきました。

 

 年・月・日・時のそれぞれに十干と十二支の組み合わせがあり、生まれた年・月・日・時の四つの十干・十二支の五行の組み合わせから「運命」をみる占いを「四柱推命(しちゅうすいめい)」と言います。

 東洋の時間の干支では、夜の1時から3時の幽霊が出る時間は「丑の刻」です。午後12時頃は「午(うま)の刻」であり、午後12時より前を「午前」、午後12時より後を「午後」と言います。

東洋の方角も干支で表現します。「子(ね)」の方角は北で、「午(うま)」の方角は南なので、南北を結ぶ地球の線を「子午線」といいます。

 このように、東洋の文化の時間と空間は、十干と十二支で表現されてきました。

 

 2021年は辛丑(かのと・うし)で、「辛(つら)い」年でした。丑(うし・ちゅう)は植物が芽吹いて、伸びようとして伸びないようす、紐(ひも・ちゅう)がついているような状態です。伸びようとして伸びないのが2021年の特徴でした

 

 

 2022年は壬寅(みずのえ・とら)になります。

 壬(みずのえ)は妊娠の「妊」です。陽気が地中に潜伏して万物が懐妊している様子です。寅は「伸(のびる)」という意味があります。新しいモノが始まろうとする年の意味があります。伸びようとして伸びることのできなかった方は、東洋の思想では、今年がチャンスです!新しいことを始める年になります。

 また、東洋医学では「五運六気(ごうんろっき)」といって、気象と病気を予測する理論があります。2022年「壬寅」は少陽相火司天・厥陰風木在泉、木運太過となります。

 

 東洋医学の1,000年前の本『聖済総録』に壬寅年の1月から3月の予測が『病は気が沸騰して上にあり、出血して、目赤く、咳逆して頭痛し、ワキが張り、皮膚病となる』と書かれています。

 現代の言葉に変えると、花粉症で目が赤くなり、咳が出て、頭痛し、皮膚病が悪化するという予測になります。春はアレルギーの季節であり、結構当たっている印象がありますね。花粉症や頭痛は、鍼灸がものすごく得意な症状になります。

 ちなみに今年の3月から5月の病予測は『その病は熱が上にこもり、咳して嘔吐し、皮膚病を発する。胸のどが詰まり、頭痛・発熱し、頭がぼんやりして皮膚病となる』となっています。

 

 自律神経失調症で、のぼせる症状についても、鍼灸は得意中の得意です。思い当たる、身体の不調がある方は、ぜひ、神戸東洋医療学院付属治療院にご予約ください!

 

神戸東洋医療学院 早川 敏弘

 

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