わたしは、神戸東洋医療学院以外でも講義をさせていただく機会があります。

2025年5月25日には、北海道札幌視覚支援学校附属理療研修センターにおいて「耳鍼の概要と治療の実際」と題して講義をさせていただきました。

また9月23日には、広島県にある朝日医療専門学校 広島校にて同窓会セミナーが開催され、耳鍼入門セミナーの講義と実技をさせていただきました。

どちらも実技室が満員の状態で、若い先生が多く、やりがいを感じました。

 

わたしの耳鍼をテーマにした講義は、どちらも同じ形式です。

まず、フランスのポール・ノジェ先生が耳鍼を開発したエピソードを紹介し、フランス式耳鍼と、中国式耳鍼の違いを歴史的に説明させていただいております。

フランスのポール・ノジェ先生は、整形外科医でした。

ある日、坐骨神経痛で痛みがあった患者さんが、突然治っていました。そして、耳にやけどの後があります。

患者さんに聞いてみると、民間療法で耳をわざとやけどさせる焼灼療法を受けたことで腰痛・坐骨神経痛が改善したとのことでした。

 

ノジェ先生は、この民間療法をしていた女性に会いに行き、治療法を学びました。さらに、鍼をちょうど習っていたので、刺すと同じ効果が出ました。

その後、耳は赤ちゃんが子宮にいるのと似た状態で、全身が反映していることに気づきました。

そこから、ポール・ノジェ先生の耳介療法(アウリキュロセラピ―)がはじまりました。

 

わたしは、1995年頃から中国式耳鍼を学び、2013年にはポール・ノジェ先生の後継者であるラファエル・ノジェ先生のフランス式耳鍼のセミナーを受けることができ、耳鍼を習得してきました。

 

わたしは、どこで講義する際も、腰痛や肩こりや膝痛の方に実際に鍼を刺して、痛みやコリの軽減を経験していただきます。

ポール・ノジェ先生が最初に腰痛・坐骨神経痛を耳鍼で治療したように、耳鍼は痛みの治療が一番得意だという実感があります。

耳鍼を効かせるには多くの細かい技術的なコツがありますが、そのコツも全てお伝えしています。

 

現在、西洋医学の世界では、ニューロモデュレーション神経調節法という電気をかける治療法が流行していますが、ニューロモデュレーションの一つとして「耳介迷走神経刺激(taVNS)」があります。

耳のくぼみの皮膚の部分には迷走神経という神経が分布しています。

耳のくぼみの皮膚の部分に電気刺激をすることで、慢性痛や、うつ病、脳卒中などの症状を緩和しています。

 

一般の方にお勧めしているのは、耳のマッサージです。

耳をマッサージすると、ある程度、迷走神経を刺激する効果があります。

 

耳と迷走神経のつながりは、わたしは耳掃除をした時に一番実感できます。

わたしは耳かきで耳掃除すると、必ず咳が出るのですが、これはアーノルド神経反射という正式な医学用語になっています。

調べると、アーノルド神経反射によって耳かきすると咳が出る人の割合は、人口の2%から3%だそうです。自分が耳かきすると必ず咳が出るので、人間は全員がそういうものだと思い込んでいました。

 

このアーノルド神経反射を勉強した直後に、感染症の後遺症で咳が止まらないという方の御相談を受けました。その際に、耳に鍼をして即座に咳が止まった経験があり、感動したことがあります。

やはり、耳は迷走神経を通じて、呼吸器とつながっているのです。

 

わたしは、毎日のように自分の耳に鍼をしています。

耳に鍼をすると、ボーっとした感覚が出て、かなりストレス低減効果が高いと実感しています。

ぜひ、耳マッサージなどセルフケアに利用してみてください。

 

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

早川 敏弘

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