二十四節気の大寒

今年の冬は例年よりもやや寒さが厳しいような気がしていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、一年を春夏秋冬の4つの時期に分け、さらにそれを6つに分けたものをいいます。

その中で「大寒(だいかん)」とは一年で一番寒さが厳しくなる時期(1月20日頃~2月3日頃)をあらわし、各地で一年の最低気温を記録する時期にもなります。

ただ「大寒」を過ぎれば「立春(りっしゅん)」がやってくるので、春の気配まであともう少しというところではないでしょうか。

 

今回は、この大寒の時期に食べると縁起の良いといわれている食べ物を、いくつかご紹介したいと思います。

 

1つ目は「大寒卵」です。

この卵は大寒の時期に産まれた卵のことです。

昔は冬に鶏が卵を産むことは珍しかったことから、「大寒卵」はとても貴重で縁起が良いものとされてきました。

冬に卵を産ませるためには、栄養価のあるエサを親鳥に与える必要があるため、卵自身も栄養価が高くなります。

そもそも卵は「完全栄養食品」とも呼ばれ、タンパク質、ビタミン(A、D、E、B群など)、ミネラル(鉄、カリウム、カルシウム)、脂質、炭水化物が含まれており、ビタミンCと食物繊維を除くほぼ全ての栄養素をバランス良く含んでいます。

特に体内では作れない「必須アミノ酸」が豊富で、非常に良質なたんぱく源でもあり、疲労回復や健康維持に役立ちます。

また、卵は黄色いことからも「金運上昇」のご利益もあるといわれています。

 

2つ目は「寒餅(かんもち)」です。

寒餅はこの時期についた餅や「寒の水」で炊いた米を用いた餅のことです。

「寒の水」には神秘的な力が宿るといわれており、その水を使った食べ物はありがたいものとされています。

また「寒の水」は1年間は腐らないといわれるほど雑菌が少なく、疫病や災難を遠ざける意味もあるそうです。

 

そして、大寒の最終日の「節分」には恵方巻を食べる風習があります。

1年の幸運や無病息災を願いながら、年神様がいる方角に向かって食べるのはご存じの通りかと思います。

「長寿」を祈るかんぴょう、「出世」を願う鰻など、具材に込められた願いは様々です。

 

「立春」までもう少しです。

それまでに栄養価のある食べ物や縁起物を摂取して、厳しい「大寒」を乗り切りましょう。

 

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

片桐 享

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冬の心身の養生

明けましておめでとうございます!

新しい年を迎えた1月。気持ちも新たに目標を立てる一方で、年末年始の疲れが残り、厳しい寒さで体調を崩しやすい時期でもあります。

今回は冬を健やかに過ごし、来るべき春に向けて力を蓄えるための養生について、お話ししたいと思います。

 

東洋医学では、自然界の移り変わりと私たちの身体は密接に繋がっていると考えています。

冬は「閉蔵(へいぞう)」といわれる、自然界すべてを閉ざし、生命力を内に蓄える季節です。

動物たちが冬眠するように、私たち人間も余分なエネルギーを発散せず、体力を温存し、養うことが大切です。

 

特に冬の養生で重要視されるのが、「腎」です。

ここでいう腎とは、西洋医学で言う腎臓だけでなく、生殖器、ホルモン、骨、歯、耳、髪など生命活動の根源となるエネルギーを蓄える場所を指します。

冬に腎を養うことで、免疫力が高まり、活力ある身体が作られます。

 

では、腎を養うためにできることをご紹介しますね!

 

・温かい食事を摂る

根菜類、乾姜(生は身体を冷やします)、ねぎ、にんにく、唐辛子などが、体を温めてくれる食材です。

今、流行りのせいろ蒸しにするのもとてもおすすめです!簡単で、お野菜は何も付けなくても素材の甘みを楽しめます。

 

 

 

・腎を養う食材を摂る

黒い食材(黒豆、黒ゴマ、ひじき、昆布)は腎を補うとされています。また、山芋やくるみも良いですね。

ほかに、冬が旬の食材も、今の身体に必要な栄養、エネルギーを与えてくれます。

 

・適度な運動で巡りを促す

寒いと外出が億劫になりがちですが、軽い散歩やストレッチ、筋トレで身体を適度に動かすことで血行が良くなり、冷えの改善につながります。

急に激しい運動をするのではなく、じんわり温まる有酸素運動が好ましいですね。

 

・質の良い睡眠をとる

冬は夜が長く、陽の気が少ないため、ゆっくりと休息をとることが大切です。

冬に限っては早寝遅起きで十分な睡眠時間を確保しましょう。

なかなか寝付けない、朝起きてもすっきりしないなどの症状にも、鍼灸治療はおすすめです。

 

また、冬は日照時間が短くなることで、気分が落ち込みやすくなったり、活動意欲が低下したりすることがあります。

そこで更に出来ない自分を追い込むのはNGです。冬だから仕方ない!と割り切ってもいいと思います。

心も身体と同じく、この時期は「内にこもる」傾向にあると理解し、無理をしないことが大切です。

静かに過ごす時間を意識的に作ってもいいですね。

 

読書や、瞑想、勉学に勤しむなど、内省的な活動は心を落ち着かせ、精神的な充実をもたらします。

ストレスを溜め込みやすいときには、アロマオイルを焚いたり、いつもより少しだけ高い入浴剤を使って贅沢なバスタイムを過ごすなど、よく頑張っている自分をほめてあげましょう。

陽の気が少ない冬はどうしてもネガティブな気持ちになりがちです。

日常の小さなことに感謝する習慣を持つことで、心の安定を保ち、ポジティブなエネルギーを育むことができます。

 

冬の養生は、寒い冬を乗り切るだけでなく、病気になる前の未病の状態を防ぎ、来たる春に向けて生命力を充電する大切な期間です。

この時期にしっかり心身を大切に過ごして、春に活き活きできる身体を手に入れましょう!

 

神戸東洋医療学院付属治療院

富田 彩

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クリスマスシーズンに整える「気」

年の瀬も迫り、街はクリスマスイルミネーションで輝く季節となりました。

楽しい行事が続く一方で、忘年会や年末準備の多忙さ、寒暖差による体調不良など、心身に負担がかかりやすい時期でもあります。

そんな時こそ、東洋医学の知恵を活かして、健やかに年の瀬を過ごしてみませんか?

 

【年末の不調は「気」の乱れから】

東洋医学では、季節の変わり目や生活リズムの変化は「気(エネルギー)」の流れを乱しやすいと考えます。

特に12月は、次のような要因が重なりやすい時期です。

・寒さによる「冷え」の影響

・多忙による「気滞(気の巡りの停滞)」

・会食の増加による「脾胃(消化器系)」の疲れ

これらが重なることで、疲労、不眠、胃腸の不調、免疫力の低下などの症状が現れやすくなります。

 

【ツボで整える年末年始の健康管理】

冷え対策におすすめのツボ

・「関元(かんげん)」:おへその下にあるツボ

・「足三里(あしさんり):膝のお皿の下外側にあるツボ

これらのツボは全身を温め、エネルギーを補い、消化機能・免疫力の向上に関わります。

 

ストレス緩和におすすめのツボ

・「合谷(ごうこく)」:手の甲の親指と人差し指の間にあるツボ

・「内関(ないかん):手首の内側の指3本上にあるツボ

これらのツボは、気の流れを整え、頭痛やストレス緩和、心の落ち着き、胃腸の調子を整えるのに効果的です。

 

年末年始を健康で過ごすためには、ショッピングや初詣などに出かけ適度に体を動かしたり、ショウガ湯やハーブティーなどを積極的にとって体を温めたり、

大根やキャベツなどの消化吸収を助け胃腸に優しい食材を選んで食べるなど、心がけてみましょう。

 

鍼灸は一時的な症状緩和だけでなく、体質そのものを整える「未病(みびょう)」の考え方が基本です。

年末だからこそ、一年の疲れをリセットし、気の流れを整えてより爽やかな新年を迎えてみませんか。

 

クリスマスイルミネーションのように、体の中の「気」の流れも整えて輝かせてみましょう。

健康こそが、この季節に自分自身へ贈る最高のプレゼントかもしれませんね。

 

神戸東洋医療学院付属治療院

井上 力輝

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冬とかゆみ

冬になると、冷たい風や室内の暖房によって肌が乾燥しやすくなり、それによってかゆみがひどくなることが多いです。

東洋医学では、このような症状を単なる皮膚の問題だけではなく、私たちの体の気血・津液のバランスと五臓六腑機能のバランスが崩れているとみています。

今回は東洋医学的にかゆみをどう考えているかについてお話しします。

 

<東洋医学的な原因>

① 肺の乾燥

東洋医学では、肺は皮膚と毛を司り、体内の津液を肌の表面に送り、しっとり感を維持させます。

冬場に乾燥した気である「燥邪(そうじゃ)」が強くなると肺が乾燥し、その結果、肌が荒れて引っ張られ、かゆみが起こりやすくなります。

これを「肺燥」といい、症状としては、乾燥した咳、喉の渇き、鼻の中の乾燥や皮膚の乾燥などです。

さらに皮膚の乾燥が進むと、角質が白く粉を吹いたような状態になります。

 

② 「血虚(けっきょ)」による肌の養不足

皮膚は、血液の栄養を通じて潤いを保ちます。

しかし、冬場の気温が低く、血行が悪くなったり、体質的に「血虚」(血液の栄養が不足している状態)の場合、皮膚が割れやすく、かゆみがひどくなることがあります。

特徴は、長く続く慢性的なかゆみ、夜間のかゆみ、皮膚のくすみ、手足の冷え症などの症状です。

 

③ 風と乾燥が結びついた風燥(ふうそう)」

風は揺らして動く性質である「風邪(ふうじゃ)」。乾燥は、水分を乾かし皮膚や粘膜を傷つける性質である「乾邪(かんじゃ)」です。

冷たい風邪と、乾邪が結合した「風燥」の状態になると、体の水分を奪い、肌の表面に刺激を与えかゆみがひどくなります。

皮膚に発疹や赤い斑点ができやすいのもこのためです。

 

<東洋医学的な治療と、気を付ける習慣>

① 肺の乾燥によるもの

肺の乾燥を取り除くために、肺を潤すことを治療原則とします。

肺を潤す食べ物としては梨、蜂蜜、梅などがおすすめです。

避けるべき習慣としては、過度な暖房、辛い食べ物や揚げ物、飲酒、喫煙です。

 

② 血虚によるもの

この場合は血と気(エネルギー)を補い、循環を良くさせる治療を基本とします。

血を補う食べものはレバー、赤身の肉、黒豆、ほうれん草、トマトなどがあります。

気を付ける習慣は、過度なストレス、過労、長時間の同じ姿勢、睡眠不足です。

 

③ 風燥によるもの

風燥は津液が消耗されている状態なので、燥邪を取り除き、体内に不足している津液(体液、水分)を補うことを目指します。

津液を補える食べ物は、熟した梨、銀杏の実、蜂蜜、クコの実、大根などです。

日常生活中では白湯をこまめに飲むこと。また、部屋の湿度を適切に保ち、冷たい風に長時間当たらないように気を付けましょう。

 

上記以外にも、特にかゆみが強い方は、単に「水分を満たすこと」ではなく、「水分を守る」ことが大事です。

保湿剤を選ぶ時は油分が十分なクリームや軟膏タイプがより良いです。

特に入浴後3分以内に保湿剤を塗布し、角質が固く乾燥した部位はクリーム保湿後、オイルやバーム状の製品をもう一度塗り重ねて保護膜を作れば、水分保持力が高くなります。

入浴は 熱いお湯に長く浸かると、かえって肌の油分膜を洗い流して乾燥を悪化させる恐れがあります。

ぬるま湯で短く洗い、刺激の強い洗浄剤は避けた方が良いです。

シャワーの後もこすらず、軽く叩くように水気を取ってから、すぐ保湿剤を塗りましょう。

 

この冬、かゆみで悩んでいる方は保湿剤を塗るだけではなく、体内の気血・津液、五臓六腑の内部的なバランスが崩れないように鍼灸の施術を受けてみてください。

 

神戸東洋医療学院付属治療院

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鼻水でも鍼灸?

目・口・耳と、顔の器官にまつわる話しで続いていますので、今回は鼻にまつわる内容をお伝えしたいと思います。

 

鍼灸院には、鼻の症状を訴えて来院される方も少なくはありません。

花粉症などのアレルギー、鼻づまり、鼻水など。時には嗅覚障害の方もいらっしゃいます。

上記の原因として最も多いのは、炎症反応によるものです。

風邪などによるウイルスなどの感染により、鼻腔内に炎症が起こります。

粘膜が腫れるため空気の通る隙間が狭くなり、鼻づまりが起こりやすくなります。

 

鼻水が多く出る原因は、体内に侵入したウイルスやアレルギー物質を体外に排出する働きのためです。

最初は水っぽいですが、長引いたり悪化すると、色の濃い粘り気のある鼻水になります。

ひどいと鼻腔のさらに奥にある副鼻腔に膿が溜まる蓄膿症になってしまいます。

 

風邪でも一時的な嗅覚障害が発生することがあります。

においは、鼻の奥にある粘膜がセンサーとなり、嗅細胞から嗅神経を通じて大脳に伝達されることで感知されます。

風邪による嗅覚障害は、その粘膜の炎症により細胞や神経の伝達機能が低下してしまうことで発生します。

また、嗅神経は、12対ある脳神経の中で最も脳に近い部分から分岐しています。

脳へのダメージをいち早く回避するためにも、あえて嗅神経の機能を低下させるという防御反応によるものでもあるそうです。

 

これら、ウイルスやアレルギー性による鼻水・鼻づまりの改善には、抗ウイルス薬の服用や点鼻薬が一般的です。

しかしながら、鍼灸院にそのような症状で来られるのはなぜかというと、ツボの刺激によって改善が期待されるためです。

 

よく使われるツボの一つに、小鼻の横のくぼんだ箇所にある「迎香(げいこう)」があります。

鼻腔が炎症を起こすと、このツボ周囲が浮腫んだような状態になります。

特に粘り気のある鼻水が出る場合は、体内に熱がこもっている状態のため、この浮腫みを取る施術が効果的です。

 

ではサラサラと水っぽい鼻水の場合はどうでしょう。風邪ではないはずなのによく出る方も多いと思います。

これは、体の冷えによるものです。

体内の水分代謝がうまくいっていないこと(水滞)が原因で、余分な水分が鼻などからあふれ出ている状態です。

水分をうまく排出するために、体を温めて巡りをよくさせることが大切になります。

寒さだけではなく、胃腸の働きが弱くなることで、水分や老廃物た溜まり、鼻に影響することもあります。

冷たいものを摂った場合も胃が冷えて水分が体内に滞りがちですが、脂っこいものや甘いものを摂り過ぎた場合も注意が必要です。

この季節は冷えやウイルスによるものだけではなく、乾燥による粘膜のダメージも原因なので、保温・加湿も大切です。

鍼やお灸により、様々な鼻症状を改善へと導くお手伝いが出来るかと思います。

鼻がよく利く鍼灸師にぜひ出会えることを願っております。

 

 

 

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

池邉 由実

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