春ののびのび養生法

まだまだ寒い毎日ですが、2月3日に「立春」を迎え、暦の上では春の始まりとなります。

春はポカポカ暖かくてなんだかヤル気がでない…。という人も多いと思います。

日本ではあまり聞き覚えがありませんが、中国や韓国では春になると生活に支障をきたすほどツラくなる症状を『春困(しゅんこん)』と言います。

次のような症状が目立つようになったら「春困」かもしれません。

 

・気だるくてやる気が出ない

・何事もめんどくさい

・とにかく眠い

・集中力がなくなる

・イライラしやすい

・頭がボーッとする

・毎年春になると体調が悪くなる

・学校や仕事、お出掛けなど外出がおっくうになる

 

春は動物が冬眠から目覚め、植物が新芽を出し、活動的になる目覚めの季節です芽しかし、心身共にまだ完全に目覚めておらず、季節と身体に差が起きているため、ダルい状態が続いてしまいます。

春困をそのまま放っておくと5月病になり、うつ病やメンタルのトラブルなどに繋がってしまいます…

 

ではどう対処していったら良いでしょうか?

そこでキーワードになるのが、春と関係の深い臓器『肝』です。

 

東洋医学で言う肝は西洋医学の肝臓とは少し違い、「今まで眠っていた活動のギアを一段階上げる」働きがあると考えられています。他にも肝には自律神経のバランスを保ったり、感情のコントロールなど、メンタルとも非常に関係の深い臓器です。

春はただでさえ新学期や新入学、新社会人、転勤、転校などで環境が変化し、メンタルに負担がかかりやすい季節です。さらにそこで肝のギアを上げてフル稼働してしまえば、いくら「将軍の官」と言われるほど強い力を持つ肝でも、疲れてバテバテになってしまいます。そうすると余計に自律神経のバランスをとる事が出来ず、春困に陥ってしまいます。

 

そうならないために春は肝をケアしていきましょうexclamation

 

<肝を養う養生法exclamation

①肝が元気に働くためには、血をたっぷり補うことが大切です。血を補う食材を摂りましょう。

なつめ、クコの実、人参、ほうれん草、小松菜、黒ごま、黒砂糖、レバー、鶏肉、鮭、卵、落花生、竜眼肉、ぶどう、ひじきなど 

②肝を伸び伸び働かせるには、気の巡りを良くすることが大切です。気を巡らせる食材を摂りましょう。

・みかん、レモン、オレンジなど柑橘系、パクチー、三つ葉、大葉、ミント、木の芽、パセリ、ハーブティーなど

③“春は早起き”が基本。遅く寝た翌日も、朝は早起きを心掛けましょう。 

④散歩に出掛けて、太陽の光をたっぷり浴びましょう。

⑤深呼吸して春の陽気を胸いっぱいに吸い込んで、イライラを鎮めましょう。

⑥ジャスミンティーや春の新茶で気持ちをリラックスさせましょう。

⑦服装も髪型も心も縛らず、ゆるく過ごしましょう。

⑧感染予防対策をしっかりしつつ、楽しいおしゃべりやカラオケなどでこまめなストレス発散を。

 春は肝も体も伸び伸び楽しく過ごしましょうねexclamation

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 田中 友也

 

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大寒

 2021年に入り、各地で雪が降るなど今年の冬は本当に寒い日が続いています。コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響というよりは、寒くて外出を控えているという方も多いのではないでしょうか。

 暦の上では、間もなく二十四節気の大寒を迎えようとしています。一年中で最も寒い時期となり、この時期に醤油や酒、味噌などを仕込むと良いとされています。これを「寒仕込み」といいますひらめき 

 「寒仕込み」に欠かせないのが、「寒の水」です。「寒の水」とは、小寒から大寒の時期に汲んだ水のことです。この時期に汲んだ水は、一年で最も雑菌が少なく、良質な水とされ、柔らかくいつまでも腐ることなく保存できるとされていました。そのため、長期保存が必要な醤油や酒、味噌などを仕込むのに適しているとされていたようです。 

 「寒仕込み」という言葉は日本酒造りの「寒造り」が元になっているともいわれています。日本酒は、原料となる米ももちろん大事ですが、使用される水の成分にとても厳しい基準が設けられているそうです。

 酒は百薬の長ということわざがあります。それなら、たくさん飲んじゃえdouble exclamationと言いたいところですが、やはり飲みすぎは禁物です。日本酒では一日一合程度までが良いとされています。

 アルコールの代謝に最も関係するのは肝臓です。

 多岐にわたる肝臓の働きを簡単にご紹介します。

①糖・タンパク質・脂質・ビタミンや無機質・ホルモンの代謝

②脂肪の消化・吸収、脂溶性ビタミン、鉄、カルシウムなどの吸収に必要な胆汁の生成

③解毒作用(血液中の有害物質の無害化、薬物やアルコールの代謝)

④血液凝固因子の生成

⑤血液の貯蔵

⑥生体防御作用・・・などです。

 これを見ていただいてもわかるように、肝臓にとって、アルコールの代謝作用はほんの一部の働きにすぎません。なので、アルコールを飲まない人でもストレス過多、暴食、不眠など良くない生活習慣を続けていると肝臓にダメージを与えます。

 肝臓は沈黙の臓器といわれ、肝臓に障害が発生していてもなかなか症状にはあらわれません。手遅れになる前に、今一度生活習慣の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

  鍼灸は、ストレスや緊張で凝り固まった身体をほぐします。そして、身体のもつ自然治癒力を引き出すことで免疫力を向上させます。この働きが肝機能の改善につながると考えられています。生活習慣の改善に鍼灸治療を付け加えることもご一考いただければと思いますほっとした顔ぴかぴか (新しい)ぴかぴか (新しい)

 

神戸東洋医療学院付属治療院 田中 里佳

 

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1月7日は人日の節句!

新年明けましておめでとうございますexclamation

本年も皆様の健康維持、改善にお力添えできるよう職員一同努力してまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

早速ですが、皆さん1月7日は人日(じんじつ)の節句って知っていますか?

私は1月7日は七草粥を食べる日だとしか知りませんでしたexclamation

今回は、人日の節句と七草粥について話をしたいと思います。

 

人日の節句は、1年に5回ある季節の節目の一つです。1月7日(人日)のほか、3月3日(上巳・じょうし)、5月5日(端午・たんご)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽・ちょうよう)があります。(重陽の節句について書いた記事もありますのでそちらも是非ご覧ください。「重陽」

 

中国の古い風習で、1月1日から7日にかけて、1日は鶏の日、2日は犬の日、3日は猪の日、4日は羊の日、5日は牛の日、6日は馬の日、7日は人の日とされ、それらの日に当てはまる動物を大切にして、殺さないようにしました。そのため7日は「人」を大切にし、処罰もしないようにされたと言われています。また、人日の節句といわれたこの日に7種の野菜を入れた羹(あつもの=熱い吸い物)を食べる習慣がありましたうまい! (顔)

 

7種類の野菜を入れた熱い吸い物といえば、七草粥を思い浮かべますね。

実は、古来より日本で行われてきた「若菜摘み(わかなつみ)」という行事と中国から伝来した人日の日に7種の野菜を入れた羹(あつもの)を食べる習慣が混じり合って、七草粥を食べる習慣になったと言われています。

 

なぜ若菜を摘むのかというと、若菜はこれからどんどん大きくなるのでとても強い生命力があり、それを体内に摂り込むことによって邪気払いができるとされているからです。

さらに若菜=草は、東洋医学で用いられている五行説(※1)の木・火・土・金・水では木(※2)に当たり、春の象徴で「曲直(きょくちょく)」という本性があります。それは、地中で発芽した時から進むことが可能な限り進み続けるということです。たとえ障害物があったとしても曲がってまた進むという、生命力に溢れ成長や発展していく強い気があると言われています。

 

ぜひ皆さんも、新年厳寒には強い植物の生命力を呼び込むために、七草粥を食べて無病息災をexclamation

また食べることだけを勧めてしまいましたが、私は鍼灸師でした(笑)。

このように七草粥を食べてパワーをもらうこともできますが、鍼灸でも気を上げ皆さんの健康管理のお手伝いができますので、ぜひ鍼やお灸を受けに来てください。スタッフ一同お待ちしております。

 

 

※1:五行説・・・古代中国の自然哲学の思想で万物は、木・火・土・金・水の五種類にわけられます。

※2:木・・・木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元となっていて、樹木の成長発育する様子を表す。春の象徴。

 

神戸東洋医療学院付属治療院 井上 博之

 

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ペットボトル湯たんぽ

2020年も年の瀬に近づいてきました。

冬らしい寒さに身が縮こまりそうになりますが、私はこの季節になると湯たんぽが手放せずにいます。睡眠時はもちろんですが、ソファーでくつろいでいる時にも太ももの上やお腹にのせたりして温まっていますほっとした顔

しかし、一般的な湯たんぽはお湯の量が1リットル近く必要で大きく感じる物もあります。わざわざ購入するのを躊躇する方もいらっしゃると思います。そんな方におススメなのが、ペットボトルです。

350~500ミリリットルだと湯たんぽに比べてコンパクトで軽量です。ドリンクを購入するついでに手に入れることもできます。「ペットボトル湯たんぽ」として、すでにメディアにも取り上げられたこともありますが、私は鍼灸学校の学生だった時に恩師から教わりました。

丸い形のペットボトルに少し熱めのお湯を入れます。柔らかすぎるペットボトルだと、すぐに変形してしまうので気を付けてください。熱すぎるときにはタオルを巻きつけて使いましょう。保温性もアップします。そのままの丸い形でも良いですが、片側をへこませて半円形にすると程よいカーブが肩やお腹にフィットしやすくもなります。小さいサイズだとデスクワーク中に服の間に挟んで使うことも可能です。

ペットボトル湯たんぽの個人的に特にこの季節おススメの使い方は、仰向けで首の後ろを温める方法ですひらめき

仰向けになったときにできる首の後ろのすき間に、ペットボトル湯たんぽを入れます。丸の形のままでも良いですし、大きすぎる場合は半円形にしてカーブ側が上になるようにして使うと良いです。首枕のように頸椎をストレッチしてくれる効果もあります。

また、この首の後ろにはツボもたくさんあります。その一つが「風池(ふうち)」です。

「風」は東洋医学では外因という身体に与える外部環境(邪気)の一つです。「池」は陥凹部や溜まるところを意味します。つまりは風の邪気=風邪(ふうじゃ)が身体に侵入して溜まってしまう所になります。その文字通り、かぜに効果があるツボです。

身体がゾクゾクするような寒気を感じるようなかぜの引き始めに温めると、身体全身がポカポカしてきます。肩こりや頭痛、目の疲れにも効果的で、鍼灸治療でも良く使うツボなので、そのような症状をお持ちの方にもおススメです。

風池以外に、もう少し下に下がった肩甲骨の間には「風門(ふうもん)」というツボがあります。風邪(ふうじゃ)が出入りする所という意味で、同じくかぜの引き始めにおススメですぴかぴか (新しい)

かぜが流行りやすいこの季節。寒さが身に染みる!湯たんぽが欲しいけど手元にない!という方は、ぜひこのペットボトル湯たんぽを使ってみてください。鍼灸治療を受けに来る時間がない時のセルフメンテナンスとしてもおススメですぴかぴか (新しい)

 

神戸東洋医療学院付属治療院 池辺 由実

 

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カンキしていますか?

今年は年始より新型コロナウイルスの多大な影響を受け、まだしばらくの間はこの困難に耐えなければなりません。神戸でも1995年から阪神淡路大震災で犠牲になられた方々への鎮魂と復興をテーマに行われてきた神戸ルミナリエが、当初の計画通りには行えないこととなりました。関係者のご助力により過去の映像の配信や、規模を縮小し東遊園地に限りイルミネーションの照灯が行われますぴかぴか (新しい)    

私たちは例年とは違う12月を迎えています。大勢での忘年会やにぎやかなクリスマスパーティーはなかなか難しくなっています。しかし私がより例年と違うと感じているのは、すでに日本で年中行事と化している年末の第九の演奏です。一万人の第九を筆頭に年末には日本中のプロ・アマ問わずオーケストラ、合唱団がベートーベン作曲交響曲第九番を演奏します。さらに今年はベートーベン生誕250年、ベートーベンイヤーとしていつもにもまして盛大に第九が奏でられたはずでした。そのはずが規模の縮小や中止といった残念な状況となっています。このような困難な状況はまるでベートーベンの人生そのものを想起させます。

ということで、今回はベートーベンと彼の作曲した第九について少しお話しますひらめき

 

ベートーベンは宮廷声楽家の父親と宮廷料理人の母親の長男として1770年12月ドイツに生まれました。父親ヨハンはベートーベンにピアノを教えましたが、その指導はあまりに苛烈でエゴに満ちたものだったようです。アルコール依存症であったヨハンは、酔ってはベートーベンや妻に暴力を振るい、機嫌よく酔っ払った時には夜中にベートーベンを起こし、ヨハンと一緒に酔っている友達の前でピアノを弾かせることもありました。そして自分が才能あるピアノ奏者のベートーベンの創造物であると威張っていました。そんな父親にベートーベンは11歳で学校を辞めさせられています。酒に溺れ宮廷声楽家を失職した父親に代わって、ベートーベンは病気がちな母親、幼い兄弟たちの生活のため働かねばなりませんでした。

親からは十分な愛情を与えられず経済的にも不安定な生い立ちを、今や楽聖(がくせい)とも呼ばれるベートーベンは過ごしました。父親の暴力の被害者でもあった母親はベートーベンに十分な愛情を与えることはできず、しかも結核で臥せっていたため、反対にベートーベンが面倒を見なくてはいけませんでした。父親は何度も泥酔し警察に捕まり、そんな父親を警察まで迎えに行くのもベートーベンの役目でした。

そんな両親と死別し、29歳の時にヨゼフィーネという貴族の娘と出会い、その後二人は強く惹かれあうようになりました。深く敬愛しあうようになる二人ですが、ヨゼフィーネの両親たちは自分たちと身分が釣り合わないベートーベンとの将来に反対します。初めはそんな両親の意見には耳を傾けなかったヨゼフィーネですが、次第に家族の説得や脅しの結果、彼の元を去っていきます。

失意に落ちたベートーベンはやがて酒に溺れるようになっていきます。そんな失意の中から何年もの時間をかけ友達がベートーベンを引き上げてくれます。しかしこのころから彼の肝臓は飲酒により蝕まれ始めます。

ベートーベンの人生は病との闘いと言ってもよいかもしれません。20代半ばからひどい耳鳴りに悩まされ次第に難聴となり、48歳ごろには完全に聴力を失います。また、32歳のときにはひどいうつ状態になっています。その時には自殺まで計画し遺書を書いています。現在でいうと心身症と診断を受けるような傾向が現れています。このような心と体の不調を抱えながら、ましてや音楽家に必須な聴力を失う苦難に見舞われながらも彼を再生させたのは、彼の友達と彼自身の音楽への愛情に他なりません。そんな彼の不屈の生命力、そして他の存在への深い愛情が、素晴らしい音楽を生み出したといえますぴかぴか (新しい)

 

彼が残した作品の中でも交響曲第九番は彼の集大成ともいえる作品です。彼が生きた時代においてタブー視されていた分け隔てない愛を声高々に歌い上げる合唱を、オーケストラが奏でる交響曲と史上初めて融合させました。この第九の作曲を行っているころに、養子にし愛していた甥が自殺を計り疎遠となってしまう大きな出来事も起こっています。そのような失意の中から、さらには完全に聴力を失った状態でこれだけの大編成のオーケストラによる交響曲を作曲するなど、彼以外には成しえなかったといえます。ベートーベンは56歳で肺炎のためウイーンでその生涯を閉じました。世界に対して己が持つ全てを与えたベートーベンですが、彼の葬儀には2万人もの市民が参列したといわれています。

 

ところで、そんな第九が初めて日本で演奏されたのは1918年、第一次世界大戦で台湾の青島(ちんたお)を守備していたドイツ兵が捕虜として徳島県鳴門に連れてこられたことがきっかけのようです。この時のドイツ兵捕虜収容所の所長であった松江陸軍大佐は、ドイツ兵を人道的に受け入れたことで知られています。また地元の人々も元来お遍路さんを手厚くもてなす風習を持っており、捕虜であったドイツ兵をも温かく迎えたのです。

 

そんな交流の中でドイツ兵による第九の演奏会が行われたのが日本初演となります。千人ほどの捕虜の中で、よくもこれだけ難解な第九の演奏ができたものだと奇跡的な運命を感じます。第九の演奏が年末に定着したのは第二次世界大戦後です。現在の東京藝術大学で学徒出陣の壮行のため演奏され、やがて終戦となり今度は生きて帰れなかった学生のために1947年12月30日に再び第九が演奏されたのです。それが毎年行われるようになり、全国に年末の第九が広まったといわれています。

 

ベートーベンと第九について話をしてきましたが、この記事ではやはり足りませんでした。ベートーベンの生きた時代はカトリック教会や貴族の影響力は絶大で、科学的な知識を持ち教会の教義や貴族の支援に背を向けた彼は異端であり、先を見据えた偉人でした。

新型コロナウイルスのまん延により、社会は今までの方式や価値観が大きく揺さぶられています。人の肉体的接触が遠ざけられるだけでなく、ウイルスに対する恐怖のためか、感染者やその治療にあたる医療従事者などへの誹謗中傷にもみられるように、心と心の隔たりも表面化してきているように感じます。そんな今だからこそ、他人への愛がめいっぱい込められた音楽が私たちにはより必要だと思います。

 

すいません、今回は鍼灸施術に関わることはどこにも出てきませんでしたが、この年の瀬は素晴らしい音楽に触れ、心身の癒しを受けてください。では換気を行った部屋で歓喜の歌を聴きながら筆をおくこととします。

 

神戸東洋医療学院付属治療院  川上 靖

 

 

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