四苦八苦 ~苦楽とともに~

今年の夏は35度を超える猛暑日が連日続きました。

7月30日は丹波市で国内最高の41.2度が観測され、その後8月5日には、群馬県伊勢崎市で41.8度に更新されています。
また、わずか20日間程の空梅雨で、水不足が深刻化する中、各地方で線状降水帯による浸水被害が次々に報告される状況です。

昨年からの令和の米騒動に加え、こうした異常気象は今後も私たちの食生活に大きな影響を与えそうです。

夏を乗り切ることに「四苦八苦」しながら、「四苦八苦」について書いてみたいと思います。

 

「四苦八苦」とは、大変な苦労をする意味で用いられる四字熟語です。

「四苦」には「生まれ生きること」、「老いること」、「病気になること」、「必ず命尽きること」の、生まれながらに与えられた「苦」であるといわれています。

「八苦」は分かりやすくいうと、様々な感情から生まれる「苦」です。

私が耳にしたのは、それぞれに与えられた「四苦」に対し、受け止める気持ちによって「苦」が倍になるということでした。

 

東洋医学では七情(喜・怒・憂・思・悲・怖・驚)の感情が過剰になると、臓腑に影響を及ぼすと考えられています。
それぞれの感情をコントロールすることは難しいものです。

しかしながら、「四苦」の局面に立って、うまく感情をコントロールができたら「四苦」が「八苦」になることはなく、いつまでも健康を維持できる可能性が高まります!

人は、生まれてからは誰かの力を借りながら成長しはじめます。
一年また一年と、その過程を楽しみながら生きることができれば、「苦」は遠ざけることができます。

しかし、ただ生きることが容易ではないと気付かされます。
健康でいることが当たり前ではないと思い始める頃には、「老」「病」「命の限り」について考える機会が増え、

それらを受け止める、受け入れる心の準備を求められる時期が、それぞれにやってきます。

 

今、何か不安に感じることがあれば「楽しいこと」を何か1つ見つけてみましょう。
不安を楽しみで上書きしましょう。
安心の日々なら「笑顔」で過ごしましょう。
自分も周囲の人も健康な日々がより続きます。

今、楽しいと思える時間を増やして、心身ともに元気に過ごせますように♪

神戸東洋医療学院付属治療院

藤岡 友子

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大切なことに気づかせてくれるもの

先日、武術と野球の共通点をテーマに特集されているテレビ番組を観ました。

番組の中で、刀や手裏剣などを用いるどんな武術も、その道具を【握る】ことはしないと話されていました

 

野球選手もピッチングを行う際、「ボールは握らない」 「ボールには落とさない程度に指を添えているだけ」と説明されており、

『バガボンド』の「腕はないものと思って振ってください」のシーンを思い出しました。

 

井上雄彦先生の『バガボンド』は私のバイブルのひとつ。

吉川英治さんが書かれた小説『宮本武蔵』を原作として、井上雄彦さんが描かれた漫画です。

 

宮本武蔵が農民の女性たちに刀の振り方を教えるシーン、私が好きなシーンのひとつを思い出しました。

 

 

 ―「自分の体とは違うものを持っているから、放しちゃいけないと力いっぱい握る。

   手にしたその得物で相手を斬る。余計に放すまいと力を入れる。

   でもその力は、相手を斬るのには使われず自分を縛るだけ。」― 

   (『バガボンド』より引用)

 

 

テレビ番組の師範や元プロ野球選手も同じことを話していました。

 

道具を握れば腕に力が入ります。

力が入った腕で相手を打ったとしても、相手はその衝撃を受け止めることができます。

逆に、道具を握ることをせず、体幹からの動きの連動で相手を打つと、

相手が飛んでいってしまうほどの衝撃を与えることができます。

 

ボールを握れば握るほど、スピードも出なければ思うように投げられません。

逆に、ボールを握ることをせず体幹からの連動で投げると、スピードも投球の種類のコントロールも可能になります。

 

 

 

 ―「腕は真面目で頑張り屋。

   欠点は1人で頑張りすぎること。脚や腹、腰やヘソ、他の連中をすぐ忘れる。

   だから時々、腕はないと思って振る。」―  

   (『バガボンド』より引用)

 

 

真面目だから、頑張り屋だから、知らず知らずに力んで硬くなって本来の力を発揮できなくなってしまいます。

 

 

ボールを投げるのにボールを握らない。刀を振るのに刀を握らない。

じゃあいったい、その手は、その時、何をしているのか?

 

手は、ボールや刀を握るための運動器官であると同時に、ボールや刀に触れる感覚器官でもあります。

 

ボールがどんな感触なのか?

刀がどんな重さで、どうバランスを取れば無駄な力を加えずに持つことができるのか?

 

手はまず、ボールのことを、刀のことを、感じているのではないかと思います。

 

 

 

昔、ボディワークのある先生に、

「大人は、今までの経験からの憶測で物を掴むから、余分に力みが入るんだ。

小さな子供は、まずそのものがどんな質感か、重さかを確かめながら、必要な力だけを使ってものを持ち上げるだろう?」

と言われたことがあります。

 

その時、改めて自分の生活を見直してみると、

キーボードは「バチバチバチーン!」、ドアノブは「ぎゅぎゅっ!ドーン!」、包丁は「ぐぐぐぐぐー」、歩く足音は「どかどかどかどかっ」

 

私の身体は常に力んでいました。

それもあってか、怪我もよくしていたし、手先足先は冷えひえで、気持ちもネガティブになりやすかったように思います。

 

先生に言葉をかけていただいてから、ひとつひとつ生活を見直すことにしました。

 

一体どのくらいの力があれば、キーボードが作動するんだろう?え!?こんなにちょっとの力でキーボードを押せるのか・・・。

ドアノブを回す動作も、優しく触れて回すだけの小さな力で済みました。 

包丁を握る手の力を緩めると、逆にスッと切れ味が上がり、料理が上手くなったように感じました。

足音を立てず歩こうと、床に触れる足裏の感触を意識すると、自然に丹田に力が入りました。

余分な力みが抜けて、怪我をすることが少なくなり、柔軟性が上がりました。

それまでは「冷たいから触らないで」と言われていた手先足先も、「あったかいね~」と言われるようになりました。

 

 

 ―人間の五感による知覚(情報判断)の割合は、

  「視覚83.0%、聴覚11.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%」―

  (『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)より引用)

 

 

私たちの知覚のほとんどが、視覚からの情報です。

 

【触覚はたった1.5%】

その1.5%を大切に丁寧に活かすことは、私たちの毎日をさらに豊かにさせてくれるものになるのではないか。

何か大切なことに気づかせてくれるものになるのではないか。

 

そんなことを考えさせられた番組でした。 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

北條 直

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夏バテに梅干し

近年では、6月からすでに暑い夏。

夏バテに備えて、今年は初めて梅干しを作ることにしました!

八百屋さんに並ぶ梅を見て、一度は漬けてみたいなと思っていたのです。

 

梅の収穫は、一般的に6月上旬から7月にかけて。

最初は青梅のため、私は完熟梅になるまで待ち、

6月中旬から作り出しました。

いつも買う梅干しとは違い、コロンとまんまる黄色い梅が可愛らしく、早々に愛着が湧きました。

 

作り方をざっくり言うと、

塩漬け4週間以上⇒3日間の天日干し♪⇒完成!!の流れです。

食べられるようになるまで結構時間がかかるものだと知り、売られている梅干しを見る目も変わりました。

 

そもそも、なぜ夏バテって起こるのでしょう。

1つの理由として、東洋医学では『気随液脱』という言葉があります。

大量に汗が出てしまうと気が損失し、疲れやすくなるというものです。

今年は梅雨も短く暑い日が早くから始まっていました。

汗がたくさん出て、夏バテを早くから感じていた方も多いのではないでしょうか?

 

 

酸っぱさを想像するだけで唾液が出る梅干し。

梅干しの酸味には収れん作用があります。

余分な汗や尿が排泄されるのを抑えてくれる作用です。

暑い夏、自分の意識とは関係なく出てしまう汗を緩和してくれるのにはピッタリの食材ですね!!

 

また、梅干しに含まれるクエン酸は、疲労物質である乳酸の蓄積を改善してくれるので、疲労回復効果が高いのです。

その他、ビタミン・ミネラルも豊富に含まれている梅干し。

 

なんだか夏に良さそう!良い効果があるならたくさん食べよう!!と思ってしまいますが、

東洋医学はバランスを大事にします。

塩分が高いのも梅干しの特徴です。

 

1日1つまでを目安に、他のお料理の塩分量を考慮しながらお食事に取り入れましょう。

そして、この暑い夏をあの手この手で乗り切りましょう!!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

宮崎 紗希

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「夏バテ」予防に「鰻」を!

今年は「梅雨明け」も早く、7月初旬から連日猛暑日に近い気温が続いていますね。

「夏バテ」しないようにしっかりと栄養のある食事を摂取していきましょう。

 

今回は夏の風物詩、栄養満点の「鰻(うなぎ)」を食べる習慣、「土用丑の日」について

お話したいと思います。

 

 

毎年この時期になると、新聞の折り込みチラシに「鰻(うなぎ)」や「土用丑の日」という言葉をたくさん見かけ、店頭には多くの「鰻(うなぎ)」が売られています。

 

今年の「土用丑の日」は、7月19日(一の丑)と7月31日(二の丑)の2回あります。

この「土用丑の日」とは、「土用」と「丑の日」が合わさったものです。

 

 

「土用」とは、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬前の約18日間を指しています。

 

「土用」は、中国に古くから伝わる「陰陽五行思想(陰陽五行説)」に由来するとされています。

陰陽五行思想では、万物の根源は木・火・土・金・水の5つの元素にあると考えられています。

季節もこれに対応させて、春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」としました。

しかし、「土」がどこにも当てはまらないため、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前18日間に割り当てられることになり、この期間が「土用」となりました。

 

 

「丑の日」は、日にちを十二支で数えたときに丑に当たる日で、12日周期で巡ってきます。

 

今年の立秋は8月7日であるため、その前18日間である7月19日~8月6日が、「土用」の期間です。

その期間内に「丑の日」が、7月19日(一の丑)と7月31日(二の丑)の2回、巡ってくることになります。

 

「鰻(うなぎ)」を食べると元気が出るというイメージのとおり、うなぎにはビタミンA群・B群がたっぷり含まれているため、疲れた体のリカバリーや、食欲の増進が期待できます。

 

昔から季節の変わり目と言われる「土用」の時期は、体調を崩しやすくなります。

 

ぜひ「鰻(うなぎ)」を食して、この暑い夏を乗り切りましょう!

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

片桐 享

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夏の養生

梅雨が終わり、急に真夏を感じる暑さが続いている毎日です。
東洋医学では、夏は「陽気が旺盛になり、心火(しんか)が燃え盛る季節」と言われています。
私たちの体内のエネルギーも活発に動き出す季節。

このパワーを上手に使い、夏本番に備える養生のコツを五行学説に基づいてご紹介します。


「心」を労わり、火照りを鎮める

五行説での夏は「火」に属し、対応する臓器は「心」です。

気温の上昇と共に「心火」が亢進し、イライラ、不眠、口内炎、ほてりなどの不調が現れやすくなります。
養生の第一歩は「心を清涼に保つ」こと。


・苦味:

苦味には熱を冷ます作用があります。ゴーヤ、セロリ、ビール(適量)などを取り入れましょう。

ただし、摂りすぎは胃を傷めるので注意。

・赤い食材で心を補う:

トマト、スイカ、小豆、クコの実など「赤い食材」は心を滋養し、余分な熱を取り除く助けになります。


・「喜」の感情:

過度な興奮やイライラは心火を煽ります。

ゆったりのんびりとした気持ちで過ごし、小さな「喜び」を見つける習慣を大切にしたいですね。

 


気(エネルギー)を消耗させない

夏は汗をよくかく季節。東洋医学では、汗は「心の液」とも言われ、適度な発汗は体内の老廃物を排出し、熱を発散します。
しかし、発汗のしすぎは「気」や「津液(体内の水分)」を消耗するため要注意です。

 

・こまめな水分補給:

冷たい飲み物は胃腸を冷やし、水分代謝を滞らせます。常温の水や麦茶、そば茶などがおすすめです。

汗をたくさんかいた時は、梅干しやレモンなどで塩分とミネラルの補給も忘れないようにしましょう。


・「首」の冷えに注意:

急に冷房の効いた部屋に入ると、開いた毛穴から邪気(冷え)が侵入しやすくなります。

電車の中などでは薄手のストールや上着などで首元を守りましょう。

 


湿気と胃腸のケア

夏は湿気(湿邪)も多いです。湿邪は、胃腸の働きを阻害し、だるさや食欲不振、むくみの原因になります。

 

・胃に優しい食事:

脂っこいもの、生もの、冷たいものの過剰摂取を避け、消化の良いものを。

 

・黄色い食材で胃腸を補う:

山芋、かぼちゃ、米、雑穀など「黄色い食材」は胃腸を補います。

 

・芳香や発散作用で湿気を払う:

紫蘇、生姜、みょうが、ハーブティーなど、香りの良い食材には、湿気を取り除き、気の巡りを良くする作用があります。

 

 

以上をまとめると、夏の養生は、「心火」の過剰を清める『清熱』、「心」の働きを健やかに保つ『補心』、「胃腸」をいたわり湿気に負けない体を作る『健脾』が、とても大切です。

 

自分の体の声に耳を傾けながら、心地良い夏の養生を始めてみましょう。

 

神戸東洋医療学院付属治療院

富田 彩

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