高山病
9月に入りまだまだ暑い日が続いておりますが、皆さんは体調の方はいかがでしょうか?
9月から11月にかけては毎月祝日があり、徐々に気温も涼しくなってくることから、各地域でイベント行事が催されたりして行楽地等が賑わってきますね。
ここ神戸においては六甲山系が連なっていることもあり、電車内では登山者を見かけることも多くなります。
そこで今回は『高山病』のお話をしたいと思います。
『高山病』は標高がだいたい2,500mよりも高くなると症状が出てくるといわれています。
標高が高くなり空気中の酸素濃度が少なくなることから、そのせいで身体に様々な不調を引き起こします。
日本国内の登山では、富士山や日本アルプス山系の登山でなければそれほど気にする事は無いと思いますが、その原因や機序、対処方法等は知っておいて損はないかと思います。
標高2,500mで約2割、標高3,000mで約4割の方が『高山病』にかかるといわれています。
症状は、頭痛や吐き気、倦怠感、眩暈やふらつき等様々です。
人間は呼吸によって酸素を取り込みますが、標高が高いほど酸素濃度が薄い為、体内に取り込める酸素量も低下します。
私たちはその酸素を使って様々な活動エネルギーを産生しているので、酸素不足=活動エネルギー不足により先ほどの症状が出てきてしまいます。
ちなみに標高と酸素濃度の関係は、地上(標高0m)を1.0だとすると、標高2,500mでは地上の約0.74倍、標高3,000mでは約0.7倍、富士山の標高3,776mでは約0.64倍の酸素濃度になります。
もし『高山病』の症状が出た場合はどうしたらよいでしょうか?
一番良い対処方法は、高度の低いところまで下りることです。
ただし山小屋等が無く、十分な休憩が取れない場合もあるかもしれません。その場合も登るのは一旦止めて、スポーツドリンク等で水分とミネラルを十分に取ることが大事です。
では『高山病』の予防について、いくつかご紹介します。
1.高度をゆっくり上げていく
登山計画にはある程度の余力時間を設けておく必要があります。身体を高度に慣らしながら登るのが大事です。
2.水分補給
登山中は体重1㎏当り1時間で約5mlの水分を失うといわれています。
つまり体重60㎏の人間が5時間登山をすると、5×60×5=1,500ml(1.5ℓ)の水分補給が必要になります。
3.呼吸方法
ゆっくり呼吸を行いながら歩きます。深く息を吸い込んで、口をすぼめた形にして長く時間をかけて吐くことを意識するといいです。
4.体調管理
体調が悪い場合や寝不足等のときは無理に登らないようにしましょう。
前日の飲酒や食事には十分に注意を払い、ベストコンディションで翌日に備えましょう。
9月以降は台風等も多く発生する季節になってきます。山の天気はとても変わりやすいと昔からよくいわれています。
体調や天気には十分に注意を払い安全な登山ができるよう心掛けましょう。
神戸東洋医療学院付属治療院
片桐 享
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神戸 三宮で鍼灸といえば
神戸東洋医療学院付属治療院
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