NO MUSIC NO LIFE ♬

4月ももう半分を過ぎました。新年度を迎え、新しい環境へと踏み出された方も少しずつ慣れてきたころでしょうか。

 

世界中にファンをもち、「教授」という愛称で呼ばれた作曲家、坂本龍一氏が3月末に別世界へと踏み出されました。

私は子どものころ、歌詞のない音楽は最後まで聴くことができませんでした。しかし、初めて「戦場のメリークリスマス」を聴いたとき、今でも当時を思い出すことができるほどに、美しい旋律に魅了されました。以降、歌詞のない音楽も好んで聴くようになりました。

 

音楽を聴くことで、リラックスしたり、落ち込んだ気分が向上したりと感じた経験をお持ちの方も多いと思います。

音楽にはリラクゼーション効果やストレス軽減、痛みや不安の緩和などの効果があり、これらを活用した音楽療法は、心身の健康の回復・向上をはかることを目的とした補完療法として、高齢者施設や緩和ケア病棟などに取り入れられています。

 

音楽療法には、「聴く」だけでなく「演奏する」ことも含まれます。

好きな曲、1曲だけでも奏でられることができたら、達成感や充実感を感じられ、ポジティブな感情になりますよね。

 

音楽療法というと少し堅苦しさを感じますが、私たちは日頃から意識的もしくは無意識的に音楽をストレス解消の手段として取り入れています。

 

春は、新しい環境だけでなく、花粉症や黄砂の影響によっても無意識に肩の力が入りやすくなっています。

心の緊張をほぐし肩の力を抜いて良い睡眠がとれるよう、日々のセルフケアの一環として好きな音楽やゆったりとしたテンポの音を聴いてみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、行動は音楽のテンポに影響を受けやすいので、テンポの速い音楽を聴取すると覚醒状態になる場合があります。

近年、アナログレコード人気が再燃し、1970~80年代のシティポップが海外で再流行しているようですが、シティポップのテンポは活動時に適しています。

 

また、睡眠前はリラックスできるようにゆったりとした音楽がおすすめです。

疲労は良質な睡眠によって軽減されます。

良質な睡眠をとり疲労と回復のバランスが取れるよう、日々少しずつでも心身ともにリラックスできる方法を見つけられると良いと思います。

 

一日の脳の疲れは音楽で癒して、トータルケアには鍼灸院にいらっしゃいませんか。

私のおすすめです。

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

田中 里佳

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七情

3月になり、春の陽気を感じられる日も増えてきました。

3月8日より、付属治療院はセンタープラザビルの9階に移転いたしました。

このセンタープラザビルに引っ越してきたのは、今から7年前です。あっという間に感じていましたが、もう7年も経過していたのだと、月日の流れる速さに驚かされます。

さて今回は、この「7」という数字にちなんだ東洋医学のお話をしたいと思います。

 

 

東洋医学では「七情」という「怒・喜・思・悲・憂・恐・驚」の7種類の感情が、臓腑にも影響して体調の変化を起こす原因になると考えられています。

日常の生活でも起こりやすい感情ではありますが、その感情が強過ぎたり長期にわたると、限界を超えて体に悪影響を及ぼします。

 

 

・怒り過ぎるとイライラして顔は赤くなります。気が上がりやすく「肝」に影響します。

・喜びすぎると気が緩んだり、興奮し過ぎて睡眠が浅くなるなど、「心」の状態に影響します。

・思い悩みすぎると「脾」に影響します。脾は食物の運化を司りエネルギーを運ぶ臓器ですが、傷むと胃腸の不調が現れやすいです。

・悲しみすぎたり憂いすぎると「肺」に影響します。肺が傷むと、呼吸が浅くなり気持ちも沈みがちになります。

・恐れすぎや驚きは「腎」に影響します。泌尿器系にも関係するため、緊張するとトイレが近くなるのもこれが原因の一つです。

 

 

特に春の季節は、寒暖の差による体への影響や、年度末の忙しさによるストレスが強すぎて、イライラや不安感、怒りの感情が出やすくなります。体の熱が上半身に上がってくるため、頭はのぼせやすいですが足元は冷たい状態です。肝の気が上がった状態です。

 

 

東洋医学の肝は、血を貯蔵し気の巡りを司る臓器です。気血を全身に十分に巡らせることで、精神的にも安定した状態になるので、肝の気を下げる必要があります。

対処法としては、まずは肝の気を抑えるためにストレスを減らす必要があります。

適度な運動を行うと気の巡りもよくなるので、軽い体操やウォーキング、ストレッチなどをこまめに行いましょう。

 

 

治療院も新しくなり、新年度に向けてさらに活気づいてくる時です。イライラせず落ち着いて過ごすことが大切ですね。

「7」に関係するお話をしましたが、新しい治療院は「9階」です。

皆様、お間違いないようにお気をつけください。

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

池辺 由実

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2023年は癸卯(みずのと・う)!

東洋医学では、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干と、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支の組み合わせで、「甲子」から「癸亥」までの60年周期で考える思想があります。

 

《十干(じゅっかん)》

甲(きのえ):木の兄 / 乙(きのと):木の弟

丙(ひのえ):火の兄 / 丁(ひのと):火の弟

戊(つちのえ):土の兄 / 己(つちのと):土の弟

庚(かのえ):金の兄  / 辛(かのと):金の弟

壬(みずのえ):水の兄 / 癸(みずのと):水の弟

 

《十二支(じゅうにし)》

子(ね)  / 丑(うし)  / 寅(とら)  / 卯(う)  / 辰(たつ)  / 巳(み)  / 

午(うま)  / 未(ひつじ)  / 申(さる)  / 酉(とり)  / 戌(いぬ)  / 亥(い)

 

2021年は辛丑(かのと・うし)、2022年は壬寅(みずのえ・とら)でした。2023年は癸卯(みずのと・う)です。

「癸(みずのと)」は十干の十番目で最後です。

「癸(みずのと)」は、「ひとまわり」「回転」「転換期」という漢字の意味を持ち、世の中が次の10年にうつるという意味になります。

ほかにも、「一揆(いっき)」の「揆(き)」にも通じ、人々の不平不満が爆発するという意味もあります。

 

また、十二支の「卯(う)」は、漢字の音読みでは「卯(ぼう)」です。植物の「茅(かや)」を意味する「茆(ぼう)」の意味があり、茅が繁茂するという意味の「茂(ぼう)」の意味があります。

「繁茂する」つまり、繁栄する意味もありますが、茂りすぎると身動きがとれなくなるため、「卯」の年は、雑草の生い茂った未開の土地を開墾・開拓する年になります。

 

木・火・土・金・水の五行では、「癸(みずのと)」は陰の水であり、冬の終わりという意味です。

「卯(う)」は陰の木であり、春の兆しを意味し、冬の寒さが終わり、春の兆しがはじまるイメージがあります。

つまり、新しい時代の転換期を意味し、新しいチャレンジをするべき時期になります。

 

また、中国伝統医学の五運六気理論は、十干十二支から気候と病気を予測します。

2023年癸卯は、陽明燥金司天・少陰君火在泉、火運不及となります。つまり、一年の前半は燥が支配し、一年の後半は火が支配します。一年を通じては、木・火・土・金・水の火が弱る年になります。

 

2023年の1月末から3月末は、『聖済総録』という千年前の古典によると、「水が凍り、寒い雨が降ります。その病は、からだの中が熱くなって脹れ、顔面の浮腫、眠くなり、鼻水が出て、あくびが出て、吐き気がする症状が増える」と予測されています。

 

現代の言葉になおすと、花粉症の鼻水などに要注意ですね。

東洋医学では、漢方も鍼灸も花粉症の鼻水は得意な病気です。

漢方では、「水飲(すいいん)」という状態を治療する「小青龍湯(しょうせいりゅうとう)」という処方がよく使われます。これは、胃腸に余分な水がたまった状態であり、体内の余分な水を体外に追い出すような処方になります。

 

鍼灸では、花粉症に対しては、印堂(いんどう)という眉間のツボや、迎香(げいこう)という鼻の横のツボに鍼をよく使います。顔面の血液循環を改善し、鼻の詰まりに効果があります。

また、通天(つうてん)という頭のてっぺんにあるツボや、上星(じょうせい)という前頭部のツボに鍼を刺します。さらに風池(ふうち)や天柱(てんちゅう)というツボに鍼を刺して、首肩こりをとります。

1回の治療で、少し鼻の詰まり感が改善します。1か月ほど継続することで、体の免疫系が調整され、楽になります。ぜひ、お試しください。

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

早川 敏弘

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小正月と小豆

皆さん年末年始はゆっくり過ごすことは出来ましたか。

お正月は年神様という神様をお迎えする行事で盛大に祝われますが、「小正月」があるのをご存じですか?

かつて「月」を暦の基準にしていた日本では、旧暦の1月15日にあたる満月の日を正月として祝い、一年の始まりとしたようです。

これが「小正月」の起源とされています。

では小正月にはどんなことをするのでしょうか??

 

 

小正月の行事で有名なのは「どんど焼き」や「左義長」などと呼ばれる火祭りです。地域に根付いた伝統行事であったことから他にも30種以上の呼び名が各地域であるようです。お正月に飾った門松や松飾り、前年のお札など、縁起ものに感謝し神社や河原などに集めて焼くことで家内安全や無病息災を祈ります。

また、1年の健康を祈り『小豆粥』を食べる風習があります。

「赤い食べ物は邪気を祓う」という中国の古い風習に由来したことが始まりのようです。

 

今回はそんな縁起の良い『小豆』の魅力についてお伝えしたいと思います。

小豆はマメ科ササゲ属の植物で、日本では縄文時代の遺跡から発見されるほど古くから親しまれてきました。

和菓子などで使われる甘い小豆あんが広まったのは室町時代に武士や貴族の間で茶道が流行してからで、それ以前は薬膳として塩味の小豆が使われていました。

 

 

小豆には食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれているため、便秘の解消や腸内環境を整えるのにも効果的です。また小豆の皮にはサポニンが豊富でコレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑制するなどが期待でき、お正月で食べすぎてしまった体を調整するのにありがたい食材です。

他にもビタミンB群、カリウム、タンパク質などバランスよく栄養素を含んでいるので、小正月以外にも取り入れたいですね。

 

 

そして小豆は食べるだけでなく、体を温める小豆枕としても使えます。

小豆はもともと吸湿性が高くたっぷりと水分含んでいるため、レンジで温めたときに蒸しタオルと同じように「湿熱」を生みます。

カイロのような乾いた熱よりも、湿熱は浸透性が高く、体の奥から温めてくれる効果があります。冬場は特に乾燥しやすいですから、肌にも優しいですね。

 

 

お腹に置いて、お正月の飲食で疲れた内臓の循環を良くしたり、冷えてしまった首肩には小豆の程よい重みと湿熱で血の巡りが良くなり疲れをとることが出来るのでおすすめです。

小豆枕じゃなくとも、ちょっとしたアイテムが自分自身の身体と向き合う時間のきっかけになってくれれば嬉しいです。

私たちも皆さんの健康のお手伝いをこの1年、誠心誠意させて頂きます!!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

 宮崎紗希

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鍼灸専門雑誌『Tehamo(てはも)』4号に耳鍼のインタビュー記事が掲載されました

 こんにちは。神戸東洋医療学院付属治療院の副院長の早川敏弘です。

 2022630日に発売された鍼灸専門雑誌『Tehamo(てはも)』499ページに、「プロフェッションへの道 インタビュー 耳鍼はサイエンス~耳鍼の歴史と日本の現状」というインタビューを掲載していただきました。

 このインタビューは、2017年に早川が専門誌『中医臨床』に書いた「耳鍼療法の受容について」という論文をベースに詳しくインタビューで解説したものです。

 2022331日に神戸東洋医療学院付属治療院でインタビューが行われ、107ページには付属治療院スタッフがモデルで耳鍼をしている写真も掲載されています。ご協力ありがとうございました。

 

 耳鍼は、1950年代のフランスのポール・ノジェという医師が開発しました。ポール・ノジェ先生は、耳には胎児が子宮の中にいるように、耳たぶ側が頭部で上下逆さまになっているという耳ツボの分布を最初に発見しました。それを中国が追試して、現在は中国式耳鍼の耳ツボが世界に普及しています。

 インタビューでは、この複雑な耳鍼の歴史を解説させていただいております。実技の部分では、早川が行っている耳鍼のテクニックを写真入りで書かせていただきました。

 

 耳鍼は何が得意なのか、一般の患者さんにお伝えしたいです。

 

 まず、得意なのは「痛み」です。

 脳の血流を変えることで、急性の痛みにも慢性の痛みにも効きます。ただし、例えば腰痛や肩こりで、耳の「腰」や「肩」に鍼を刺すと一時的に痛みはとれますが、しばらく経つと元に戻ります。

 そのため、わたしは耳鍼と体の鍼を組み合わせて使用しています。

 

 アメリカでは、慢性痛の患者さんにオピオイドというアヘン麻薬系鎮痛剤を使用しているのですが、鎮痛剤として副作用が強いため、アメリカ軍やアメリカ退役軍人省という政府機関は鍼を推奨しています。

 そこでは体の鍼も使っていますが、「戦場鍼(バトルフィールド・アキュパンクチャー)」という耳鍼を開発して使用しています。これはアメリカ空軍の軍医さんが開発したもので、日本のNHKのテレビ番組でも紹介されました。

 ASPという耳を貫通させる特殊な鍼を使用し、急性の痛みにも慢性の痛みにも使用しています(日本では、このASPという鍼が医療機器として認可されていないため、付属治療院では『戦場鍼』は体験できません )。

 

 痛みは、痛む局所に発痛物質があるため、当然痛い局所に刺してその場所の血液循環を改善するのが一番効果があります。しかし、痛みには同時に「脳の記憶」という側面があります。局所は治ってしまっているのに、脳に「痛みの記憶」だけが残っている場合があります。

 そこで耳鍼は、脳の血流を変えることで「痛みの記憶」を変えるのが得意なのです。

 

 痛みと同じくらい耳鍼が得意なのが、内臓系の疾患です。

 耳の凹みの部分には、迷走神経という神経が露出しています。迷走神経とは、内臓に分布している自律神経の副交感神経であり、眠っているときや休んでいる時に活発になる神経です。

 現在、アメリカでは「耳介迷走神経電気刺激」といって、耳の凹みの部分を電気刺激することで、迷走神経を通じて内臓を治療しようという医療機器が開発されています。

 2022年に付属治療院に来院された患者さんでも、耳の凹みの部分への刺激で、動悸が落ちついたり喘息や咳の症状が治まった患者さんがいらっしゃいます。これも迷走神経刺激というメカニズムが考えられます。

 

 どちらかといえば、体にダイレクトに鍼を刺したほうが、局所の血流を改善できるし、迷走神経も活発にできるので、付属治療院に来院された患者さんには体の鍼を使いたいのです。しかし、自分で耳のツボをマッサージするだけでも、セルフケアになります。 

 ぜひ、ご自分でも、耳のツボをマッサージしてみてください。

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

早川敏弘

 

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