あなたは知らない、虫歯の歯なし(はなし)

今回は、11月8日「いい歯の日」にちなみ、最新の虫歯発生事情についてご紹介します。

 

最近、歯科医師である小峰一雄先生の御著書を拝読し、虫歯の原因には日本で常識化している説以外に、アメリカ説やヨーロッパ説と、違うものがあることを知りました。

私たちがよく知っている虫歯になる原因は、食事で摂取した糖質が歯に付着し、そこに口腔内の細菌がくっつくと発酵し、酸が作られます。

その酸が歯の表面を溶かし、そこから虫歯菌が入り、虫歯が奥に進行していくという説です。

 

そのため日本での虫歯予防は、歯に付着した糖質を歯磨きで取り除くか、口腔洗浄剤で口の中の細菌を減らせばよいということになっています。

 

しかし、この説には矛盾があります。

虫歯は、糖が付着するはずのない歯の奥から進行するケースがあること。

また、しっかり歯磨きをしているにも関わらず虫歯になる人や、逆に一切歯磨きをしていないにも関わらず虫歯にならない人がいる、などです。

 

そこで、アメリカのロマリンダ大学が発表した説は、次のようなものです。

歯の内部から口腔内に向かって、リンパ液(間質液)が流れています。

そのリンパ液が、歯の隅々まで栄養を与えたり、ひびを修復したり、歯をクリーニングし白く保ったりする役割を果たしています。

実際、リンパ液が歯の中を流れる動画があります。

前述のように、正常時には、歯の奥から歯の表面に流れ出てくるリンパ液ですが、いくつかの理由でこの流れが逆行することがわかっています。

この現象により、歯の表面にあった虫歯菌はリンパ液の流れに乗り、歯の奥へと侵入し、虫歯を形成してしまう、というものです。

 

次に、歯のリンパ液の逆流をもたらす原因を述べます。

①砂糖の摂取 

② ストレス  

③運動不足 

④ビタミン・ミネラル不足  

⑤薬剤の服用

 

紙面も限られますので、①と②だけ説明を加えます。

 

まず、砂糖の摂取により虫歯になる理由ですが、急激に血糖値が上がる体質の人は歯の内部のリンパ液が逆流し、虫歯菌を内部に吸い込むのです。

この説では、歯の表面には虫歯は見当たらないのに、奥から虫歯が広がってしまう現象を説明できます。

 

つぎに、ストレスにより虫歯が発生する理由ですが、やはり歯のリンパ液の形態により自浄作用が低下し、虫歯になりやすくなるというものです。

これでいえるのは、糖がなくても虫歯になるということです。

 

では、ヨーロッパ説です。

アメリカ説である、歯の内部のリンパ液の流れが存在していることをベースにしています。

ただし、アメリカ説と異なるのは、虫歯になるのはリンパ液が酸性に傾いているとき、というものです。

 

リンパ液が酸性に傾くと、歯のミネラル分が溶け出し、中和しようとする緩衝作用が働きます。そのミネラルが溶け出したところに、空洞が生まれ、そこに細菌が入り込むことで虫歯を発症するというものです。

ヨーロッパの歯科医院のホームページでは「虫歯は歯磨きでは予防できません」や「6か月に一度、唾液pH(ペーハー)の測定をしています」というような文言を多くみかけます。

ドイツの論文では、唾液のpHが7.5以上のアルカリ状態の人には虫歯が一本もなく、逆に酸性のpH 6.5以下では虫歯がない人はいなかった、とあります。

 

そんな唾液のpHを、アルカリ性・酸性に傾ける原因は何でしょうか。

日本やアメリカではまだ知られていませんが、ヨーロッパでは食事内容と唾液pHは、相関性が高いという認識が広まっています。

このヨーロッパ理論であれば、歯の平らな表面や歯の先端に虫歯ができることも説明可能です。

それに加え、このヨーロッパ理論は歯周病とも深く関連しています。

 

唾液のpHを酸性にする原因は、以下のようなものがあります。

① 酸性食品の摂取  

② ストレス  

③ 乳酸を発生させる運動や労働  

④ 薬剤の服用  

⑤ 大量の紫外線照射  などです。

 

さらに詳細をお知りになりたい方は、小峰先生の御著書をお読みください。

もしくは、施術中にお尋ねいただければこの10倍の内容をお話しします。

 

 

冗談はさておき、鍼灸院には、歯の痛みを訴え来院される方が時々います。

当然、歯の痛みですので、まずは歯科医院を受診されるのですが、歯には何の問題もなく、肩こりが原因ですよと言われ、鍼灸施術を受けに来られるのです。

特に首や肩がこりすぎると、口腔内の血流が悪くなり、痛みを発症することがあります。

そのため首肩こりが軽減すると、歯の痛みは速やかに消失することがほとんどです。

ですので、このような症状の際は、鍼灸施術をお受けいただくことをお勧めします。

 

食欲の秋に関わらず、いつまでも健康な食事を摂れるように、歯を健康に保ちたいものですね。

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

川上 靖

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コンタクトレンズの話

10月10日は目の愛護デーです。「10 10」を横に倒して並べると目と眉毛に見えることから、この日に定められたそうです。

 

わたしは鍼灸師になる前、眼科病棟の看護師でした。

どんな病気でも言えることですが、自分で防げるものと防げないものがあります。

その中でも、わたしが自分で防げる病気だと思っているコンタクトレンズ(以下コンタクト)の間違った取り扱いによる、

「アカントアメーバ角膜炎」について紹介します。

 

「アカントアメーバ角膜炎」とは、アカントアメーバという微生物が起こす角膜の感染症です。

多くの感染者はソフトコンタクトユーザーであり、痛みが強い症状があるのが特徴です。

 

 

まずコンタクトについて簡単に説明します。

コンタクトは簡単に分けてハードとソフトがあります。質感が硬いものと柔らかいものというイメージです。その中でもソフトコンタクトには1day(ワンデー)や2week(2ウィーク)といった開封後の使用期限がついた、便利な使い捨てもあります。

 

例えば、ワンデーは、朝に開封してコンタクトを装着→夜外して破棄。翌朝また新しいものを開封して装着→夜外して破棄という1日限りの使い捨てです。

一方2ウィークは、朝コンタクトを装着→夜外してコンタクトを洗浄してから、保存ケースに専用の保存液を充填しそこに浸して保存。

翌朝保存ケースから出してコンタクト装着→保存ケースを洗浄して乾燥→夜コンタクトを外したらそれを洗浄し新たな保存液を充填した保存ケースに保存。

これを2週間繰り返したら古いコンタクトは破棄し新しいものを使い始めるという、一連の作業を繰り返します。

 

 

ところで、「アカントアメーバ」とは、土、泥水、水道水、どこにでも存在する微生物です。そして常在菌や細菌を餌に増殖します。

通常は我々の免疫システムで多少目に付着しても感染症にはなりません。

しかし、主にソフトコンタクトの間違った取り扱いによって、アカントアメーバ角膜炎に罹患する条件が揃ってしまうことがあります。

 

では条件とは?

「目の表面(角膜)が荒れて免疫力の低下した目に、大増殖したアメーバが付着したコンタクトを装着した」です。

角膜が荒れるには色々な理由がありますが、コンタクトの場合では使用期限の切れたものを使い続けることが原因にもなります。

 

そもそもアメーバはどこから来てなぜ大増殖するのでしょう?

それは、まず保存液に水道水などからアメーバが入り込み、更に餌となる目や瞼の周りにいる常在菌が入り込むことでアメーバが保存液の中で増殖します。

つまり、間違った取り扱いで、目や瞼の常在菌がついたコンタクトをアメーバ入りの保存液に浸し、保存液の中でアメーバに餌をあげて増やしていることになります。そして、更にその保存液を交換せず同じものを何度も使うと、アメーバは大増殖します。

そこに浸されたコンタクトはアメーバまみれ、それを目に装着すると大量のアメーバが目に付着し、アカントアメーバ角膜炎に繋がってしまいます。

怖いですね。

 

 

では、アカントアメーバ角膜炎にならないためにはどうすれば良いでしょうか?

それは、コンタクトを外した後の正しい取り扱いをするだけで良いのです。

 

①手を石鹸で洗う

②コンタクトを外して洗浄液で擦り洗う

③毎回新しい保存液に浸す

④保存ケースは毎回洗浄して乾かす

⑤眼科で定期チェックを受ける 

 

これが基本で大切で全てです。そしてもちろん、期限のあるワンデーや2ウィークなどは期限を守って使う、これが目を守ることになります。

 

次に、眼科の現場から、アカントアメーバ角膜炎になった後のお話です。

想像すると痛いです。

 

アカントアメーバ角膜炎には特効薬はありません。

そのため、治療経過は長く、入院が必要な場合があります。治療も「角膜掻爬(そうは)」と、頻回且つ何種類もの点眼や軟膏、そして必要時には点滴をします。

 

角膜掻爬とは、角膜のアメーバの病巣のところ、つまり目の表面の膜を器具でガリガリ削る処置です。ほとんどの人は毎日診察が恐怖で、処置の後は痛み止めを飲んでも痛くて泣いている人もいます。

角膜は再生能力がありアメーバもしつこいため、入院して毎日角膜掻爬が必要です。

つまり毎日、目の表面をガリガリ削られるわけです。

それだけでは済みません。その後も容赦なく頻回の点眼、消毒薬を薄めたものも点眼します、とてもしみます、痛いです。後悔します。

そして重症になると、視力が落ちます。コンタクトやメガネで補正できない視力になることもあります。

コンタクトを正しく取り扱うだけで、こんな辛いことは防げるのです。

コンタクトは本来QOLの上がる素晴らしいものです。正しく取り扱うだけで良いのです。

 

目の愛護デーをきっかけに、きちんと取り扱えている方は自分を褒め、冷や汗が出た方は取り扱い方法を見直し、

自分で防げる病気であるアカントアメーバ角膜炎にならないで欲しいなと願っています。

 

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

神沢 奈帆

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大切なことに気づかせてくれるもの

先日、武術と野球の共通点をテーマに特集されているテレビ番組を観ました。

番組の中で、刀や手裏剣などを用いるどんな武術も、その道具を【握る】ことはしないと話されていました

 

野球選手もピッチングを行う際、「ボールは握らない」 「ボールには落とさない程度に指を添えているだけ」と説明されており、

『バガボンド』の「腕はないものと思って振ってください」のシーンを思い出しました。

 

井上雄彦先生の『バガボンド』は私のバイブルのひとつ。

吉川英治さんが書かれた小説『宮本武蔵』を原作として、井上雄彦さんが描かれた漫画です。

 

宮本武蔵が農民の女性たちに刀の振り方を教えるシーン、私が好きなシーンのひとつを思い出しました。

 

 

 ―「自分の体とは違うものを持っているから、放しちゃいけないと力いっぱい握る。

   手にしたその得物で相手を斬る。余計に放すまいと力を入れる。

   でもその力は、相手を斬るのには使われず自分を縛るだけ。」― 

   (『バガボンド』より引用)

 

 

テレビ番組の師範や元プロ野球選手も同じことを話していました。

 

道具を握れば腕に力が入ります。

力が入った腕で相手を打ったとしても、相手はその衝撃を受け止めることができます。

逆に、道具を握ることをせず、体幹からの動きの連動で相手を打つと、

相手が飛んでいってしまうほどの衝撃を与えることができます。

 

ボールを握れば握るほど、スピードも出なければ思うように投げられません。

逆に、ボールを握ることをせず体幹からの連動で投げると、スピードも投球の種類のコントロールも可能になります。

 

 

 

 ―「腕は真面目で頑張り屋。

   欠点は1人で頑張りすぎること。脚や腹、腰やヘソ、他の連中をすぐ忘れる。

   だから時々、腕はないと思って振る。」―  

   (『バガボンド』より引用)

 

 

真面目だから、頑張り屋だから、知らず知らずに力んで硬くなって本来の力を発揮できなくなってしまいます。

 

 

ボールを投げるのにボールを握らない。刀を振るのに刀を握らない。

じゃあいったい、その手は、その時、何をしているのか?

 

手は、ボールや刀を握るための運動器官であると同時に、ボールや刀に触れる感覚器官でもあります。

 

ボールがどんな感触なのか?

刀がどんな重さで、どうバランスを取れば無駄な力を加えずに持つことができるのか?

 

手はまず、ボールのことを、刀のことを、感じているのではないかと思います。

 

 

 

昔、ボディワークのある先生に、

「大人は、今までの経験からの憶測で物を掴むから、余分に力みが入るんだ。

小さな子供は、まずそのものがどんな質感か、重さかを確かめながら、必要な力だけを使ってものを持ち上げるだろう?」

と言われたことがあります。

 

その時、改めて自分の生活を見直してみると、

キーボードは「バチバチバチーン!」、ドアノブは「ぎゅぎゅっ!ドーン!」、包丁は「ぐぐぐぐぐー」、歩く足音は「どかどかどかどかっ」

 

私の身体は常に力んでいました。

それもあってか、怪我もよくしていたし、手先足先は冷えひえで、気持ちもネガティブになりやすかったように思います。

 

先生に言葉をかけていただいてから、ひとつひとつ生活を見直すことにしました。

 

一体どのくらいの力があれば、キーボードが作動するんだろう?え!?こんなにちょっとの力でキーボードを押せるのか・・・。

ドアノブを回す動作も、優しく触れて回すだけの小さな力で済みました。 

包丁を握る手の力を緩めると、逆にスッと切れ味が上がり、料理が上手くなったように感じました。

足音を立てず歩こうと、床に触れる足裏の感触を意識すると、自然に丹田に力が入りました。

余分な力みが抜けて、怪我をすることが少なくなり、柔軟性が上がりました。

それまでは「冷たいから触らないで」と言われていた手先足先も、「あったかいね~」と言われるようになりました。

 

 

 ―人間の五感による知覚(情報判断)の割合は、

  「視覚83.0%、聴覚11.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%」―

  (『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)より引用)

 

 

私たちの知覚のほとんどが、視覚からの情報です。

 

【触覚はたった1.5%】

その1.5%を大切に丁寧に活かすことは、私たちの毎日をさらに豊かにさせてくれるものになるのではないか。

何か大切なことに気づかせてくれるものになるのではないか。

 

そんなことを考えさせられた番組でした。 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

北條 直

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ココロを鍛える

2021年に『あはきワールド』という鍼灸雑誌に「メンタル・タフネスの鍛え方」という文章を書いたことがあります。

残念ながら、『あはきワールド』は廃刊となってしまいましたが、

文章の内容は「鍼灸師はメンタルタフネスが一番たいせつです!」と、メンタルを鍛える内容となっています。

 

スポーツの世界で最初のメンタル・タフネス本である『メンタル・タフネス―勝つためのスポーツ科学』を書いたジム・レイヤーは、テニスプレイヤーでした。

わたしは10代からテニスをしていたため、メンタル・タフネス本はかなり読みました。

テニスのチャンピオン達は「メンタルお化け」ばかりなのです。

 

最近でお勧めできるのは、大坂なおみさんのコーチだったサーシャ・バインさんの『心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール』です。

 

サーシャ・バインさんは、世界ランク66位で「フィジカルは凄い才能だがメンタルに弱点がある」と言われていた大坂なおみさんのコーチとなりました。

大坂なおみさんはその後、2018年にセリーナ・ウィリアムズを破って全米オープンで優勝します。

 

つまり、コーチとして世界ランク66位の普通の選手を世界ランク1位にした直後に出版された本であり、これは凡人である我々にも役に立ちます。

わたしは大坂なおみさんの大ファンであり尊敬していますが、大坂なおみさんが「繊細さん」であることは世界中の人が知っています。

その「繊細さん」をメンタル・スポーツであるテニスで世界ランク1位にするメンタル技術のノウハウがまとめられています。

 

最近、わたしがハマっている「ココロの鍛え方」は人工的なストレス環境をつくることです。

 

昨年の夏は暑かったですが、30℃超えの猛暑の中で、休日は2時間から3時間歩くことを毎週、継続していました。

水分と栄養を最初にたっぷりと摂取し、熱中症にならないギリギリくらいで帰宅します。

これを繰り返すことで、暑熱環境にも馴れ、非常にココロとカラダが楽でした。

 

冬は逆に、登山のような恰好で、ベランダで1時間以上、自分の足に毎日、100壮のお灸をしていました。

1時間くらい継続していると、露出した足は氷のように冷えるし、手は震えるし、震えた手に持った線香では灸に着火もできません。

お灸を終え部屋へ戻っても、1時間くらい体は冷え切って、お灸の健康効果は全くありません。

つまり、このベランダでのセルフ灸は健康には良くない(笑)のを承知で、ココロを鍛えるためだけに継続していました。

大学生の頃、長野県のスキー場でアルバイトをしていた時に、何度も山頂で吹雪に遭遇したことを思い出しました。

吹雪で1メートル先が見えない中、山頂から林間のスキーコースを3時間くらいかけ夕方に麓まで命からがら辿り着きました。

体は冷え切り、1メートル進んでは止まり、崖から何度も落ちかけました。

初めての時は本当に怖かったのですが、5回くらい経験すると恐怖が激減して、「怖いけど、最初ほどは怖くない」状態となりました。

また、昔の人が滝行しているのをみて、その頃は理解できませんでしたが、今では私も、真冬のベランダで震えながら毎日お灸をしているので、気持ちがわかります。

 

このように、自然を相手にすると、ココロが鍛えられるのです。

 

鍼灸師にとっては、鍼灸の臨床が一番ココロを鍛えられます。

 

わたしのモットーは「戦いは最後の5分間にあり」です。

例えば、50分の施術で、40分経過した時点で患者さんに「痛みはどうですか?」と聞くと「全然、変わりません。痛いです」と、よく答えられます。

 

しかし、そこで何とか治療法をひねり出して、少しでも改善した状態までもっていくことは多いです。いつも「高校野球みたいだな」と思います。

高校野球では9回裏のツーアウトからでも、よく逆転勝利が起こります。

 

臨床でも最後の5分、最後の1分まであきらめずに粘ったら、20回に1回ぐらいは逆転が起こります。

もちろん、逆転が起こらない時もありますが、その際は「エモーショナルにではなく、テクニカルに考える」のがメンタルテクニックです。

 

感情は技術的分析に邪魔なので、「ここを、こう修正したら、良くなるんじゃないか?」という技術的反省を行います。

感情的に落ち込みそうなところを落ち込まずに、技術的修正に集中します。細かな修正を繰り返していくことで、結果に近づいていきます。

 

これらのメンタルテクニックは、他の分野の方にも参考になるのではないでしょうか。

 

神戸東洋医療学院付属治療院

早川 敏弘

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古代日本人からの知恵 ~私達は、こうしてパンデミックから身を守ってきた~

猛暑酷暑が続き、秋は訪れるのだろうか?と心配していましたが、神戸でも先日、金木犀の香りをやっと嗅ぐ事ができ、ホッとしています。

待ち遠しかった秋ですが、良いことばかりとは言えません。

季節の変わり目は気温差が大きくなったり乾燥したりすることで、様々な感染症が流行りやすくなります。

 

今回は「私たちの祖先が、どの様に感染症対策を行ってきたのか」を、お話しします。

 

最近読んだ 、小名木善行(オナギゼンコウ)氏の著書『奇跡の日本史』から一部を要約し、ご紹介します。

ご興味を持たれましたら、是非お読みください。

 

ここ数年、私たちは新型コロナウイルスの蔓延にさらされました。このような大規模な感染症を『疫病』と呼んできました。

人類史を語る上で『疫病』を無視することは出来ません。『疫病』の原因は、コロナ以外にもペスト・コレラ・赤痢など様々あります。

 

例えば14世紀の中国、元が滅んで明になった時に、元の人口が およそ1億3000万だったのが、3000万人ほどにまで減りました。

『疫病』により人口の8割ほどが減ったのです。この人口急減により、元は滅び北方の遊牧民に戻ったのです。

 

歴史は、繰り返します。17世紀には、明が滅び清の大帝国が生まれました。

この時、明の人口が『疫病』により 9000万人から2460万人にまで減りました。

人口の約7割が失われたのです。

 

14世紀、17世紀共にこれだけの人口が失われると、もはや食料の生産も追いつきません。

そうなると、彼らは遊牧民の土地に行き、食料を手に入れようとします。

すると、土地や食料を奪われた北方の遊牧民は怒って、中原(ちゅうげん)に攻め込み、新たな王朝を築きました。

こうして中国での王朝は、入れ替わっていったのです。

 

中国発の『疫病』は、遠くヨーロッパまで伝わり、6割の人口が失われました。

これが有名なペストによる “黒死病(こくしびょう)” です。

 

ところが、これだけ猛威を振るった『疫病』が、当時、日本には影響していないようなのです。

それぞれの時期に、日本と中国は人的交流・交易は行われていますが、日本での南北朝時代、江戸時代の文献には『疫病』の記載はありませんし、人口の減少も起きていないのです。

 

だからといって、日本に一切『疫病』が無かった訳ではありません。何度も流行しています。

幕末には “コレラ”、明治には ”スペイン風邪” または ”赤痢” などが流行りました。

しかし、人口の減少は、それぞれ10万人ほどに留まっています。

中国やヨーロッパなどのように、人口の6割や7割が失われる致命的な大流行は、少なくとも中世以降は起きていません。

 

しかし、実は日本でも『疫病』が、甚大な人口減少を引き起こしたことが記録されています。

第10代崇神天皇の御代です。

 

この時のことを、古事記は「人民尽ナン(ジンミンツキナン)」、日本書紀は「民衆の半分が亡くなった」と記しています。

2019年、東大の研究チームは日本人のDNA研究から、約2500年前、26万いた人口が、突然8万人に減少したことを明らかにしました。

研究者たちは「この人口減少は、寒冷化のため」だと説明していますが、この時期は弥生時代で稲作が奨励されており、この理由づけには無理がありそうです。

 

 

ところがこの研究結果は、古事記や日本書紀の記載内容と合致します。

古事記・日本書紀によると、崇神天皇の時代「疫病が流行り人口の大半が失われ、埋葬も間に合わなった」とあります。

 

この『疫病』の原因が、細菌やウイルスによるものだと分かったのは20世紀になってからのことです。

紀元前に於いては、神々による怒りとしか思えなかったことでしょう。

 

 

次々に人命が失われていく現状を不慮された崇神天皇は、神々に祈られ全国に多くある神社に知恵を求めました。

結果、崇神天皇は全国に多数ある神社を4つの団塊に分類整理されました。

そして、その神社が系列化されることで新しい常識が生まれました。

それが神社における『手水(ちょうず)』の作法です。

 

『手水』は穢れを払うもので、崇神天皇よりずっと昔からあるものですが、これが全国の神社に普及したのです。

この時代、仏教は伝来しておらず、人々は何かあると神社に集っていました。

そして、人は神社に集う時は必ず手を洗い、口をゆすいだのです。

すると、みるみると『疫病』が沈静化し、民衆の暮らしに平穏が戻りました。

 

先程述べた東大チームの研究によると、26万人から一旦8万人にまで減った人口は、67万にまで増えたことが分かっています。

このことは、きっと神々から認めていただいたと感じたことでしょう。

 

これ以来、日本では人々が集まる神社の入り口では、先ず手洗いと口をゆすぐことで『疫病』の大流行を防いできたのです。

今でも古い料理屋さんやお蕎麦屋さんに行くと、入り口近くに「手水や(ちょうずや)」が設置されています。

日本人が守ってきた『疫病』対策のなごりです。

 

昨今の飲食店は、トイレと手洗いが一体化して入り口付近の「手水や」は無くなりましたが、それに代わり私たちは食事の前に「おしぼり」を使うことで、その代用にしています。

また、礼法の観点からも『疫病』対策を行ってきました。

 

元々、日本人にはハグや握手などの習慣はありません。

人と対峙する際は、畳一畳分(約1.8m)ほど空け、お互いにお辞儀をします。これは、相手に唾液が掛からない距離を意味します。

それに、私たちは常に入浴し、体を清潔にし、住まいも水拭きし、衛生状態を保ってきました。

 

このような生活習慣を行ってこられたのも、「綺麗な水」のお陰です。

江戸では、川から井戸に水を引き、それを飲料水に使ってきました。

ですから、川や田んぼにゴミを捨てるような事はなく、みんなで環境を守ってきたのです。

 

このようにして、私たちは2500年という長きに渡り『疫病』から身を守ってきたのです。

 

これからも私たちは、祖先が伝えてくれた伝統を大切にするために、先ずはその歴史や伝統を学びたいものです。

それを踏まえ、新しい知識や技術を足して行くのが最善ではないかと考えています。

 

 

 

私たちが行っている鍼灸治療も同様だと思っています。

様々な感染症にも負けず、元気に過ごして行きましょう。

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

川上 靖

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