1年の中でも最も冷え込む時期となりました。皆様、風邪など引かれていませんでしょうか?今回は最近何かとメディアでも取り上げられている「骨粗しょう症」のお話をさせて頂こうと思いますわーい (嬉しい顔)

 

一昔前は「歳を重ねると自然と背中は曲がるもの、背は低くなるもの」と認識されていた方が多かったと聞いています。当時は残念ながら骨粗しょう症に対する意識も低く、良き対策が取られていなかったようです。実際骨粗しょう症になると、転倒などの強い衝撃はもちろん、くしゃみの様な些細な衝撃でさえ背中や腰の圧迫骨折を引き起こすことがあります。最近よく耳にする「いつのまにか骨折」と言われるものです。圧迫骨折は痛みを感じない場合も少なくない為「いつのまにか折れていた」という事が珍しくありません。よって、このように呼ばれています。さらに1つの骨が圧迫骨折することにより、その前後の骨にも負担が広がり、ドミノ倒しのように骨折が広がってゆきます。この骨折連鎖がまさに「背中が曲がる」「背が低くなる」という状態の原因となりますあせあせ (飛び散る汗)あせあせ (飛び散る汗)

 

骨粗しょう症の真の恐ろしさは、ただ背中が曲がったり背が低くなったりすることではありません。一番の恐怖は骨折により「歩行が困難になる」ことです冷や汗2 (顔)

腰や背中の圧迫骨折と並び頻発する、足の付け根(大腿骨頸部)の骨折が特にその状態を招きます冷や汗2 (顔)

 

高齢者の骨折は「安静にして骨が繋がれば元通り」という訳にはいきません。大腿骨頸部骨折により手術や入院が必要となり、その間の運動不足はもちろん、一時的とは言え普段の日常社会から離脱することにより認知症を引き起こすことも少なくありません。また退院後に以前と同じような日常生活に戻ることもまた大きな課題となります。

このように大きな問題を生む現況となる骨粗しょう症ですが、現在「50歳以上の女性の3人に1人が骨粗しょう症」だと言われています。私はきっと大丈夫!とはなかなか思えない割合だと思います。その主な原因は、閉経によりエストロゲンの分泌量が低下することにあります。エストロゲンが減ってしっかり働かなくなると骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨形成のスピードより骨吸収のスピードが上回って、骨密度が低下します。いわゆる体の中で起こっている「骨を作る工事」と「骨を壊して吸収する工事」のバランスが崩れ、「壊す工事」が「作る工事」を上回ってしまうということですがまん顔がまん顔

 

この様に骨粗しょう症対策は健康寿命を延ばすことを目標とした場合、避けては通れない関門です。とは言え、実際どうすればいいでしょうか。

特に自覚症状がない場合、いきなり医療機関を受診することは敷居が高いかと思います。まずは一度、健康診断の時にお願いして骨密度を一緒に測ってみてはいかがでしょうか。簡易的なものであれば手首で測定できますし、痛みもなくすぐ検査が終わります。最近では40歳あたりから毎年の骨密度測定が推奨されています。まずはご自身の現状をお知りになることが大切かと思います。

 

骨粗しょう症の対策には食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、何より常日頃からの心がけが大切です。適度な運動を行うと、骨に負荷が掛かり、骨の細胞を作る働きを促すことができます。散歩やひざに負担をかけない程度の階段の上り下りなどを、生活の中に組み込むといいかもしれません。

骨を強くする食事については日頃からよく質問を頂きます。カルシウムだけではなく、ビタミンDやビタミンKなど骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。 カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。

(例)

■カルシウム…牛乳など乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品

■ビタミンD…シイタケ、キクラゲ、卵、サケ、ウナギ、サンマ、カレイ

■ビタミンK…納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、キャベツ

 

骨粗しょう症は一昔前とは異なり、医療機関での薬物療法も含め今では十分な治療が行えるようになっていますほっとした顔まずは現状を知り、手遅れになる前に早期に対策を行い、健やかな毎日が今後もずっと続くことを目標にし、共に歩みましょうぴかぴか (新しい)ぴかぴか (新しい)

 

神戸東洋医療学院付属治療院 鍼灸師 谷口龍祐

 

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