こちら神戸でも百花繚乱の春を迎えています。

また、そう言っている間に初夏に近づいていくのでしょうが、私の一番好きな季節でもあります。

せっかくのさわやかな季節を五月病にかかることなく満喫できれば良いですね。

今回は私が感じている人のバイオリズムやその変調について、またそれら変調を治療するということを感覚的にお伝えしてみたいと思います。

 

人には活動時と休息時、興奮と鎮静(安静)、緊張と緩和という風に大きく分け、二つのモードが存在します。

自然界では、海の満潮干潮、日の出日の入りを境とする昼と夜など、一日の単位の中で行ったり来たりを繰り返すものがあります。

月の満ち欠けのようにそれこそひと月をかけて繰り返すリズムもありますし、季節のように一年で巡るものも有ります。

まさに女性の月経や出産の時間帯などは、自然界のリズムとの関連についてよく言われるところです。

 

一日の中でも私たちの体には昼と夜があり、それが滞りなく繰り返されているのが健康な状態と言えます。

私はこの二つのモードの循環のイメージを振り子時計の振り子の動きに投影しています。

その振り子の揺れの大きさは人により、また、その時々により違いますが、通常左右均等です。

これが肉体の疲労や精神的ストレス、気候(気温や湿度、気圧)の変動、活動時間の変化(深夜時間の活動や活動時間の昼夜逆転)などが原因となり、ある時は片側に振り子が振れ、反対側の揺れの大きさが小さくなってしまうことがあります。

 

この状態こそが不健康な状態で、さらにこの状態が続くことで何かしらの症状が現れるのです。

時には、振り子が途中で引っかかり傾いたまま止まってしまうことがあります。

そんな時にチョンと刺激を鍼灸治療などで与えることで振り子の動きは再開され、また左右の揺れの誤差が均等な状態へと整っていきます。

例えば、春先の体調の変化や五月病と呼ばれる状態にはこのようなバイオリズムの偏りが大きく関わっている人をよく見ます。

 

昔から「春眠暁を覚えず」と言われますが、これを現代に直せば「春は起きにくいなぁ」と言うことです(笑)昔も今も自然から人が受ける影響は変わっていないことを痛感します。

ですから、体の深い部分の疲れの取れにくさや気持ちが沈みがちな方々には治療を受けられることをお勧めします。

そして、春眠暁を覚えずと言うのではなく「春はあけぼの」と、春を愛でる体と心の健康を保っていただければと思います。

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

川上 靖