先日2020年夏季五輪の開催地が東京に決まりました。

同じ国に住む一人として素直に嬉しく感じています。

そして今から7年後のオリンピックが楽しみでなりません。

その日のために当院にもテレビを設置しようか?

いやいや施術に集中ができなくなりそうなのでやめておこうか?

気の早い話ですね。

そんな風に私たちに夢や希望また、感動を与えてくれるスポーツですが、果たして私たちの健康にはどんな影響を与えるのでしょうか。

 

一般的に私たちは一流アスリートの経験はありません。

しかしながら、学生時代に運動系の部活で競技スポーツの経験を持つ人は多いと思います。

そのことから運動は体力がつき、活発にもなるイメージがあり健康に有益なものであると考えがちです。

では、ハエやマウスを使った運動が寿命に与える影響を調べた有名な研究の結果を紹介します。

同じく十分に食事を与える条件下で運動量を制限されたグループと、運動量が豊富なグループでは運動量を制限されたグループの方が寿命が長いという結果が出ています。

この事実を初めて知ったとき納得しにくい気持ちになったことを覚えています。

やはり私たちはスポーツに対する幻想を持っていると言えます。

 

とは言うものの、私たち人間にとってスポーツは1、自己実現の手段に2、運動不足の現代人にとって本来の体調を保つ3、精神的なストレスの解消など実際有益な点があります。

そこで私たちは、競技スポーツと健康保持増進するために必要な運動と、分けて考える必要があると思います。

個人の心身の限界を極めたり、記録にこだわり、時に人と争う競技スポーツは私たちの体に多くの負担をかけ、運動器系や内臓を痛めることもあります。

そのことを極力防ぐためにトレーニングのプログラムや栄養管理、ストレッチやマッサージ、鍼(我田引水のようで恐縮ですが)など身体のケアが不可欠になります。

以上のことをふまえ、自分の体力やその時の体調を十分考慮した自分に合った運動をみつけ、行うことが私たち人間にとっては自然なことです。

だからこそ私たち人類の限界に挑戦するアスリートたちの姿に心を打たれるのかもしれませんね。

 

                                    神戸東洋医療学院 付属治療院  川上 靖