その微熱、放っておかないで

感染症が流行っている昨今、「発熱」が色んなところで気にかけられるようになりました。

そんな中、以前より体温を測るようになり、感染症に感染していないのに、ずっと微熱が続いている、、、ということに気付くようになった人も結構います。

 

東洋医学では、感染症など外からの邪気が原因の発熱を「外傷発熱」、内側のトラブルで起きる発熱を「内傷発熱」と呼んでおり、謎に続く微熱は「内傷発熱」に分類されることが多いです。

 

内傷発熱は大きく分けて5つあります。それぞれの特徴と対策を見ていきましょう!

 

①気虚発熱

 特徴:疲れが溜まったり、疲れてくると熱が出る

 他にも、気力がわかない、疲れやすい、汗をかきやすい、下痢しやすい、食欲低下なども一緒に見られます。

 

 このタイプの人は、疲れを溜めないことがとても大切です。溜まった疲れはその日のうちに解消するように心がけましょう!

 

②陰虚発熱

 特徴:午後や夜間に身熱感と発熱が起き、朝目覚めたときには平熱に戻っている

 他にも五心煩熱といって手足のほてり、胸がそわそわする、骨が蒸されるような体の芯からじわりと熱い感じの熱(骨蒸潮熱)、頬が赤い、寝汗、口や肌の乾燥、便秘なども一緒に見られます。

 

 このタイプの人は、睡眠をめちゃくちゃ大切にしてください。

 そして岩盤浴や半身浴、ホットヨガ、激しい運動などで大汗をかくのは避けましょう!

 

③血虚発熱

 特徴:生理の時や産後、睡眠不足が続くなど血を消耗した時に熱が出る

 他にも不眠、動悸、顔色が青白い、かすみ目、爪が割れやすい、髪の毛がパサつくなども一緒に見られます。

 

 このタイプの人は、睡眠不足にならないように、睡眠の質や量を大切にしてください。  

 スマホやPCなど目を使うことも血を消耗することに繋がりますので、ほどほどにしましょう!

 

④肝経鬱熱

 特徴:強いストレスがかかったり、ストレスが多い日に熱が出る

 普段からイライラしやすい、胸や脇が張って痛い、頭痛、口が苦く渇く、ガスやげっぷが多いなども一緒に見られます。

 

 このタイプの人は、こまめにストレスを発散しましょう!人とおしゃべりをしたり、歌を歌ったり、体を動かしたり。

 無理のない範囲で自分の好きなことをしましょう!

 

⑤瘀血発熱

 特徴:午後や夜間に発熱、体の特定の部分に発熱を感じる

 他にも頭痛、肩こり、生理痛、ざらざらサメ肌、のどは渇くが水を飲みたがらない、顔のくすみ、目の下のクマなども一緒に見られます。

 

 このタイプの人は、体を適度に動かすようにしましょう!

 同じ姿勢でいない、体を冷やさないなども心掛けて下さい。

 

 

大きな病気に繋がることもある微熱、あまりにも長く続く場合や他の不調と重なる場合は病院で一度見てもらいましょう。

その上で原因不明な微熱は東洋医学の知識も入れつつ、放っておかないようにしましょうね!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 田中 友也

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主心

先日、第32回はり師・きゅう師国家試験が行われました。

国家試験は、はり師ときゅう師に分かれていますが、その両方を取得する人が多いので鍼灸師と呼ばれています。

この試験に合格すると、新たな鍼灸師が誕生します。

 

 

『武藝武術も第二のさたよ

 とかく主心がおもじやもの

 主心なければ明き屋おなじ

 きつね狸きも入りかわる』

 

これは、江戸時代の文人画家である池大雅(いけのたいが)の「葛の葉図」に記されている、江戸中期の禅僧である白隠慧鶴(はくいんえかく)の書です。

池大雅の「葛の葉図」はお多福のような顔をした可愛らしい子供が描かれているのですが、足元を見ると服の裾から毛深い尻尾が見えており、実は子供は狸が化けたものという図です。

 

書の意味は「武藝武術に長けようとも主心(臍の下の気海丹田にあるとされる真実の心)がなければ、空き家も同然だ」です。

気海丹田は、下腹部、ツボの気海(きかい)~関元(かんげん)あたりを指します。

 

 

私が国家試験を受験したのは数年前のことになってしまいましたが、思い起こすと学生1年目の実技の授業で、鍼の打ち方やお灸の仕方を学びました。

鍼を持つ指の使い方はもちろんのこと、その姿勢についても教わり、崩れた姿勢では、真っすぐに鍼を打つことは難しく、鍼が途中で曲がってしまったり、身体に入っていかなかったりします。

また、鍼灸師の体にも負担がかかります。良い姿勢は自分の臍の中心が打ちたい場所に対して真っすぐ向いているか。

そして、いかに打つ側が楽な姿勢であるかが大事だと教わりました。

 

白隠慧鶴は、鍼灸師の理を唱えたわけではありませんが、鍼を打つ姿勢や患者さんとの向き合い方について相通じるところがあるのではないかと思います。

 

 

気海は全身の気の病を治療できるツボともいわれ、関元は元気の源だとされ、いずれも気力を整えるのに良いツボです。

気海丹田に気力を充実させ、邪気を吹き飛ばし、健康な1年を過ごしましょう!!

ご自宅で、お灸をされるのも良いと思います。

 

 

☆気海:へそから指2本分下にあります。

     気の海と言われ、全身の気の病を治療できると言われています。

☆関元:へそから指4本分下にあります。

     丹田と呼ばれることもあります。元気を蔵します。

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院 田中 里佳

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可愛いだけじゃない、イチゴの効果

寒さも少しずつ緩みはじめてきましたね。

立春も過ぎ、春の訪れが近づいてきました。

寒いながらも、楽しみを見つけながら過ごされている方も多いかと思います。

 

私はスーパーなどで並んでいるイチゴを見つけると、ワクワクしています。

味も美味しく見た目も可愛い、一番好きな果物です。

 

今では年中栽培することが可能なイチゴですが、一番収穫量が多く美味しいといわれているのは、この寒い時期から4月頃までだそうです。

 

イチゴには、ビタミンCが多く含まれており、大きさにもよりますが5粒から10粒食べるだけで一日に必要とされるビタミンCを補うことができるそうです。それ以外にも、カリウムやマグネシウムなどのミネラル成分も豊富で、美容や健康にとても良い食材です。

 

 

節分が過ぎて立春に入ったこの季節は、東洋医学では秋冬の陰の季節から、春夏の陽の季節に移り変わっていきます。

春は植物も成長する季節で、上へと気が動いていきます。

 

また、春は東洋医学の五臓でいうと「肝」と関係しています。

肝は、気を全身にめぐらす働きがありますが、亢進しすぎると気が上がりすぎて熱を発生しやすくなります。

そのため、体の上部に不調が起こりやすく、イライラや頭痛、耳鳴り、めまい、自律神経の不調も起こりやすいです。

 

 

そのようなときにイチゴはおすすめの食材になります。

薬膳の効果として、以下のような効能があります。

 

・体のこもった熱を冷ましてくれる

・体に不足した水分を潤わしてくれる

・胃腸の調子を整えてくれる

 

暑くてのぼせているときや、空咳が出ているときや喉の渇き、消化不良の時などに食べるとおすすめです。

ただし、イチゴには冷やす作用もあるため、冷え性のかたは控えめに食べましょう。

 

 

ぜひ美容も健康も意識して、今が旬のイチゴを食べてみてくださいね。 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 池辺 由実

 

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カカトを大切に

一年で最も冷え込み、肌も乾燥する季節になりました。

皆さん、乾燥対策はされてますか?

 

手や指先の乾燥は目にしやすい場所でもあるので日々ケアもしやすいですが、踵(かかと)のケアはいかがですか?

 

踵がガサガサしていたり、ひび割れていたり…

まじまじと見ることが少ないところですが、踵は、私たちが過ごす中でとても大切な役割をしてくれています。

 

 

踵には踵骨(しょうこつ)という骨があります。

 

ヒトにもっとも近い種と言われているチンパンジーにも踵はありますが、ヒトに比べると骨が小さく、直立することもできますが少し不安定で、歩く時も手の指の関節をつけたナックルウォーク(4つ足歩行)です。

 

踵を含む足の裏全体をつけて歩くことを、蹠行(せきこう、しょこう)と言います。

 

この蹠行は直立時の安定性が良いです。

反して踵をつかずつま先立ちのような趾行(しこう)は、安定性を欠きます

 

ヒトが直立し2足歩行(蹠行)ができるのは、踵の骨が大きく成長したからなんです。

 

毎日体の重みを受け止め衝撃を受け止めてくれている“踵”。

踵の漢字に使われている”重”は、衝からとられた”重”だそうです。

 

身体全体からすると踵の骨は小さな骨ですが、私たちが私たちらしく過ごすためには、なくてはならないものです。

 

 

中医学的な観点から見ると、踵は腎と関わりの深いところです。腎とは私たちのメインバッテリーとして

心身を支えてくれています。

 

踵、大切にしたいですね^ ^

 

もともと踵の皮膚は水分を守る皮脂膜を作る能力が低く、体重や衝撃による摩擦や圧迫を受けやすい分、ひび割れを起こしたり、固くなったりしやすいところです。

 

足首や足指をほぐしたり股関節周りをよく動かすと、踵の血行も促進されつるんとした踵を目指せます♪

 

冬の間に踵のケア、ぜひはじめてみてください^ ^

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 北條 直

 

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粘膜強化で風邪対策

お正月休みでゆっくりできたのも束の間、もう1月も半分が過ぎました。

冷え込む毎日ですが、皆様ご体調はいかがですか?

 

19日は「風邪の日」と呼ばれていますが、由来はご存じでしょうか??

1795年のこの日、第4代横綱の谷風梶之介がインフルエンザで死亡した出来事にちなんだことが由来とされています。

大相撲で活躍し35連勝を成し遂げた彼も、風邪には勝てなかったようです。

 

厳しい寒さ、空気の乾燥とともに流行る風邪やインフルエンザ。

のどには菌やウイルスを防ぐリンパ節がありますが「乾燥」すると粘膜が傷つき、菌やウイルスの侵入経路となってしまうのです。

 

 

暖房などをよく使うこの時期、乾燥から鼻やのどを守ることがとても重要です!!

風邪をひきにくく、1年をスムーズに始めるための対策として、粘膜を強化してくれる食材をご紹介します。

 

 

粘膜の材料となるたんぱく質と、粘膜を強化するビタミンA、そして粘膜の乾燥を防ぐ水分と良質な油脂をとることがお勧めです。

たんぱく質ではお肉、お魚、卵、大豆。

 

ビタミンAでは、にら、ほうれん草、かぼちゃ、人参など、色の濃い野菜を選びましょう。

色の濃い野菜にはβ-カロテンが多く、体内で必要量に合わせてビタミンAに変換してくれます。

 

 

また、ビタミンAは油に溶けると吸収率が良くなります。

バター、ラードなどの飽和脂肪酸はなるべく控え、質の良い油を選びましょう。

 

良質な油とは、植物油や魚に含まれる不飽和脂肪酸と呼ばれる油で、オリーブオイルやエゴマオイルやごま油などです。

 

ですが、エゴマオイルは熱に弱い為、サラダなどにはオイルドレッシングやエゴマオイル、炒め物にはごま油などと、ビタミンAを組み合わせて頂く工夫をしてみてください。

 

 

食材だけでなく、調理法も大切で、過度に辛い物、熱い物、冷たい物は粘膜を傷つけるため注意が必要です。

またのどの乾燥を防ぐために、お水はこまめに飲む、加湿器をつけるなども大切ですね。

 

 

今年1年を元気にお過ごしいただけるよう、

2024年も神戸東洋医療学院付属治療院は、皆様のお身体をサポートさせて頂きます!!

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 

宮崎紗希

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