今年のゴールデンウィークは、雨予報から一転、全国的に夏日が続出する汗ばむ陽気が続きました。
今回のコラムも前回の担当時と同様、自分は知っていると思っていた常識が実は違っていたことについてお話します。
日本でのガンの発生数は増え続けているのはご存知ですか?
分かり易くお伝えしますと、日本人の二分の一がかかり、三分の一がその為に亡くなるとも聞かされます。
かくいう、私の祖母や父、叔母もそれぞれガンで他界しました。日々、政財界か芸能人の方々の訃報でも死因として報道されます。
こういうことから、日本国内でのガンの発生数は益々増えていると肌感覚でも感じます。
ですから、私はガンの発生数の増加は日本以外の欧米でも同じ傾向なのだろうと勝手に思っていました。
ところが、実際はアメリカでは1990年半ば、ヨーロッパでは2000年半ばには発生数はピークを打ち、減少しているのです。
この事実は私に次の疑問を抱かせました。
『なぜ欧米では減っているガンが、日本では今なお増え続けているのか?』ということです。
日本ではよくガンにならないようにするには、お酒、タバコをやめなさいと言われます。また、ピロリ菌などガンの発生に関係する細菌などを除去しましょうとも言われます。
そして、次に聞くのが、ガンは早期発見・早期治療が何より大事だと言われます。
果たして、それが一番大切なことなのでしょうか?
やはり、より大切なのは、ガンを早く見つけ治療することよりも、ガンの予防こそ最初に目指すことではないでしょうか。
では、ガンになる一番の原因のように言われるお酒、タバコですが、WHOでは、タバコの影響は約15%、お酒に至っては2%とあります。
(因みに私はお酒もタバコもたしなみませんので、特に誰の肩も持ってはいませんよ(笑))
そしてWHOによる原因の一位は、食事が40%となっています。
調べていくと、アメリカでは1977年以降にトランス脂肪酸の表示の義務化や、加工食品に多く使われる発ガン性が高い添加物の使用禁止、容量の制限、同じく農薬・除草剤の制限を次々行いました。
それらが功を奏し、15年程でガンの発生数は減少し始めました。
それと比べ、日本の取り組みは欧米に及ばないのが現状です。
食品添加物の一括表示などで内容が分かりづらくなっていたり、多くの諸外国では発ガン性が高く禁止された除草剤が、日本では今も近所のホームセンターで売られていたり、それが農家でも使われています。
これらに対する対策はやはり国が行うべきことですが、残念ながら直ぐに諸外国並みの取り組みになるかは疑問です。
そのような中では自分自身広い視野を持ち、情報を収集することが大切です。
ただ、ここで注意すべきことは(自戒を込め言いますが)その情報を丸呑みしないことです。
健康や食に関する情報を含め、現在は多様な情報があふれています。情報発信者の誤解や意図したフェイクが混ざっています。
また、フェイクとは言えない事実であっても、真実のすべては語られず切り取った情報だけを提供されるケースもあります。
正直、どうやって自衛し真偽を見極めれば良いか途方に暮れます。
しかし、諦めるわけにはいきません。
今、私が心掛けている情報の真偽の確認法は、時間が許す中でいろんな情報を集め、現実と照らし合わせてみることです。
情報源や情報が少なすぎると、情報の精度は低くなります。その情報だけで判断すると、現実とは解離してしまうことがあります。
私は鍼灸科の学生の方々にお伝えしていたことがあります。
それは「みなさんは私が言っていることをどうか疑ってください。それが、皆さんの知識と技術を深め高めます。」ということです。
毎回授業でこんなことを言っていると学生の方々を混乱させてしまうので、たまにですが(笑)。
では、皆さんもどうぞ私を疑って真実を導いてくださいね。
神戸東洋医療学院付属治療院
川上 靖
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