2020年、あっという間に世界中に広まった新型コロナウイルス。有効とされるワクチンはまだなく、日々感染の不安を感じて生活している人は少なくありません。ワクチンや有効な治療法が確立されるまでの間、私達は自らの免疫でコロナを予防する必要があるのです。

「正気存内(せいきぞんない)、邪不可干(じゃふかかん)」。

これは、中国医学の古典『黄帝内経』のとても有名な言葉で「“正気”が体内に充満していれば、“邪気(じゃき)”が干渉(侵入・影響)することはできない」という意味です。正気とは邪気に対抗する抵抗力・自然環境に適応する能力・健康を促進する力です。いわゆる免疫力のことです。

邪気とは病気をもたらす気ですひらめき

外からやってくる邪気は外邪(六淫)といい、風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6種類あります。

しかし、邪気は身体の外からやってくるだけではなく、体内にも発生します。これを内邪といい、七情と呼ばれる怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の7種類が関係します。七情とは外界事物に対する情緒反応(感情)のことであり、通常は発病因子になりません。しかし突然強い精神的な刺激を受けたり生理的に調節し得る許容範囲を超えたら、邪気を発生させる発病因子となり、病気をもたらします。

邪気は正気を攻撃し、正気は邪気に対し抵抗するように、お互い対立の関係にあります。しかし、正気が健康で活発であれば十分邪気に対抗できるので、病気にかかりにくいか、もしくはかかっても軽症で済むのです。

このように、私達が細菌、ウイルス、外邪(六淫)、内邪(七情)と戦うには十分な正気が要ります。

では、正気を養うためにはどうすればいいでしょう目

 

「食べることは体をつくること」

日常生活の中で最も見直しやすいのが食生活です。バランスのとれた食事を心がけることが重要です。飲食物から得られた栄養が、自然治癒能力を支える力となります。暴飲暴食を避けて食物繊維を多く含む食材を摂るようにしましよう。

 

「早寝早起きは健康のもと」

睡眠は体や脳を休めて疲れをとり、成長ホルモンを分泌して細胞の修復や再生を図るために大切です。質の良い睡眠を心掛け、正気を蓄えましょう。

 

「ストレス発散」

ストレスが溜まると感染症への抵抗力も弱まると言われています。音楽を聴いたり、歌を歌ったり、ペットと遊んだり、好きなことや楽しいことをして過ごし、ストレスを解消しましょう。

また、体を動かすことで血液のめぐりを促進させることができます。汗を軽くかく程度の適度な運動をするようにしましょう自転車

 

「情緒の安定を保つこと」   

私達は日常生活で気を遣わなければならないことが非常に多く、過度な感情の浮沈みは病気の原因になる場合があります。例えば次のような経験をしたことはありませんか。

「怒って気が逆上する」、「びっくりして気が動転する」、「思い悩んで気が塞ぐ」、「悲しくて意気が消沈する」

東洋医学では邪気の原因を取り除く術として、「何事にも執着せず心静かであれば、気は自ら巡り、病は自然と癒えていくだろう」と教えています。平常心をもって心身のリズムを整え、穏やかに過ごすことは大切なことです。

ウイルス時代を生きている私達にできることは、自分の体を守ることです。正気がたっぷりな体を作って邪気と戦いましょうexclamation

 

神戸東洋医療学院付属治療院より

 

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