“撫でる”の気持ちよさ、いかがでしょうか?
11月22日は「夫婦の日」で有名ですが「ペットの日」でもあるそうです。
私は猫を2匹飼っています。
1匹はまだ生まれて間もない小さな時に、歩道の隅っこでおびえながら鳴いていたのを連れて帰ってきたハチワレです。もう1匹は元野良猫で、庭にご飯を食べにきていたところから、一緒に暮らすことになったキジトラです。
キジトラさんは元野良猫ということもあって、今も少し警戒心が残っているため触れさせてはくれないのですが、ハチワレさんは小さいときから一緒にいるので人間にも慣れていて、とても甘えたな子で隙あらばスリスリとすり寄ってきて「撫でてー!」と全力で主張します。
なぜ猫は「撫でて!」と可愛くアピールするのでしょうか。
「撫でる」ということは“皮膚”に刺激を与えることになります。
皮膚は、身体をウイルスや細菌から守る機能や体温を調節する機能、暑さや寒さ、痛みや圧力、触覚などを感じる機能などを備え、身体の最大の器官として表皮・真皮・皮下組織の層構造になっています。
皮膚の感覚神経の多くは表皮の下の真皮にあります。猫の場合の「撫でる」は皮膚ではなく毛を撫でることになり、真皮に毛根があるため、毛を撫でることで毛根が揺れ、感覚神経を刺激することになります。
実験的に、自分自身の腕に、毛に触れる程度の「撫でる」をやってみたところ、直接皮膚に触れて撫でるよりも、触覚を敏感に感じました。
皆さんもぜひ試してみてください。たくさん毛のある猫にとって、毛を撫でられることはたまらない気持ちよさだろうなぁと想像できましたし、猫をグルーミングすると「グルグルグルグル…♡」と言い出す理由が少しわかったような気がします。
昨今では私たちの命が育まれる過程で、皮膚表皮と脳神経は同根であり、皮膚への刺激が脳血流を高めることが認知されてきており、「揉む」や「押す」ではなく、「撫でる」という皮膚への刺激は、抗ストレス作用があり「幸せホルモン」とも言われるオキシトシンの分泌が促進されるとも言われています。
毛を撫でてもらう感覚だけでも気持ちよくなるのに、さらに脳から幸せホルモンが分泌されるだなんて・・・
猫が「撫でてー!」と全力で主張することに納得しちゃいました。
キジトラさんも人間にはまだ少し警戒していますが、ハチワレ兄さんには思いっきり甘えていて、ハチワレ兄さんに「撫でて〜♡」とねだっている姿をよく見ます。ハチワレ兄さんは一生懸命キジトラさんの毛をなめてグルーミングしています。彼らは撫でてもらうことで得られる効果を本能で知っているのでしょうね。
私たち人間も、皮膚に優しく触れたり優しく撫でてあげる機会を是非持ってみてはいかがでしょうか♪
ふとした時に、自分で自分にやってあげることもできますし、もちろん身近な方にも!揉むや押すとは違い、力を入れずにすぐにできる、心地よくあたたかな感覚をぜひ味わってみてください。
私が今学んでいる、皮膚の状態を触診し緊張部位に刺さない鍼で施術を行う“小児はり”では「手を作る」ことを大切にしています。どんな「手」を作るかというと、「触れられて気持ちがいい」と感じてもらえるような柔らかくあたたかい手です。
鍼灸施術ではたくさん触れさせていただきます。
触れさせていただいた方に少しでも気持ちいいと感じていただけるよう、優しく触れてオキシトシンたっぷり分泌していただいて、身体も気持ちもあたたかで豊かになっていただけるよう今後も精進します。
神戸東洋医療学院 付属治療院
北條 直
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神戸 三宮で鍼灸といえば
神戸東洋医療学院付属治療院
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