2023年10月1日に、広島県の福山地区鍼灸師会さまにお招きいただき、「耳鍼治療の実際」と題して、講義と実技を行いました。

広島県・福山市を訪れるのは初めてです。崖の上のポニョの映画のモデルとなった「鞆の浦(とものうら)」があり、広島市と岡山市の中間に位置し、尾道市のお隣りです。

13時30分からの講演ですが、10時30分にJR福山駅に着き、会場を確認しました。会場前にポスターが貼ってあり、2025年に福山では「世界バラ会議」が開催されるそうです。

「バラの町・福山」という言葉に魅かれて、歩いて10分ほどの「ばら公園」に歩いてみました。

途中で、美しい図書館と公園があり、そこではイベントが開催されたり、隣には原爆慰霊碑があったので手を合わせてきました。

ばら公園に向かう途中で歩いた商店街はとても素敵で、魅力的なフレンチレストランやベトナム料理店がありましたが、せっかく海の街に来たということで、海鮮丼のお店に入り、1日5食限定の「18種盛り海鮮丼」を食べました。

絶品の味なのに物凄くリーズナブルで、福山という街がものすごく好きになりました。

 

午後からは会場に戻って、講演をさせていただきました。

まずは「耳鍼の歴史」を講義します。1時間かけて、最初に覚えていただきたい耳のツボをお伝えしました。

 

休憩をはさんで、実技を行います。

「どなたでも結構ですので、動かすと痛みのある症状をすぐに耳鍼で変えるデモンストレーションをさせていただきます」とお声がけしました。

 

最初は、右肩こりの方です。これは、講義の部分でお伝えした耳穴「頚椎」という耳穴を説明させていただきながら触り、左の耳の「頚椎」に円皮鍼を刺した瞬間に、肩こりの症状がとれました。

 

次の方は、腰痛です。左右どちらも腰が痛く、後屈という動きが痛くて出来ないそうです。これも「腰骶椎」という耳穴を説明しながら触り、円皮鍼を刺した瞬間に、痛みがマシになり、後屈できるようになりました。

講演会の参加者の皆様はベテランの鍼灸師の先生方なので、ここで左右の耳の使い方などのご質問があり、熱の入った議論となりました。

 

3人目のデモンストレーションのモデルは、左股関節痛です。

これは、少し問診しただけで、かなり重症なのが分かりました。正直、「これは難しいぞ」と思いつつ、同時にうれしくなりました。この方の症状は、普通に1時間の治療時間をかけて体の鍼を使っても、1回で効果を出せるかどうかわからないというレベルの、難易度の高い症状だったからです。

わたしの中では「耳鍼」を一番よく使うのは、このような「本当に難しい、難治の患者さん」という位置づけです。耳鍼を本当に使いたくなる難易度の方が、偶然にもモデルとなってくれたので、うれしくなったのです。

耳穴を触ると、この方も左耳の「腰骶椎」に反応があり、そこに7mmの短鍼を刺しました。股関節を痛い方向に曲げてもらい、「どうですか?」と声をかけても「全く変わらない」とのことでした。全く変わらないまま耳穴「腰骶椎」に8本の短鍼を刺します。

8本目の鍼で、ようやく「股関節はなんだか、わからなくなってきた。その代わりに腰が気になる」とおっしゃいます。

続いて左耳の「腎」という耳穴を触りました。ここは、経験上、難治性腰痛の耳穴の反応が出やすいからです。

立った姿勢の状態で、左耳の「腎」に刺すには、鍼は下から上の方向に刺すことになります。しかも目で見えない位置に耳穴があります。

角度と場所だけ、何度も確認して、左手で短鍼を持ち、これ以上ないくらいに集中した状態で9本目の短鍼を耳穴「腎」に刺しました。刺した途端に、腰と股関節の痛みがかなり軽減したと答えていただけました。

本当に良かったです。

このデモンストレーションから会場の雰囲気もさらに変わり、ものすごく活発に質疑応答も行われ、充実した講演会となり、時間も延長して終了となりました。

 

2023年11月19日には、神戸東洋医療学院の教室を会場として、このような短鍼の使い方のセミナーを行います。

耳鍼ではなく体への鍼ですが、卒業生の方は、ぜひご参加いただけるとうれしいです。

 

神戸東洋医療学院付属治療院

早川 敏弘

 

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