冬の味覚

新年明けましておめでとうございます。

みなさん、良いお正月を過ごされましたでしょうか。

 

今年最初の付属インフォメーションということで、こんなご挨拶から始めてみましたが、気づけばもう1月も半ば。。。

きっとこうして今年もあっという間に月日が経っていくのでしょう。

 

1月5日は二十四節気の一つ、「小寒」でした。この日を「寒の入り」、節分(立春の前日)までを「寒中」といい、冬の寒さが最も厳しい時期となります。

寒い日にはやっぱり鍋!!

ということで、今回はお鍋に入れても美味しい冬の味覚、『牡蠣(カキ)』についてのお話です。

 

みなさんもご存じのように、牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれています。

これはグリコーゲンの他、必須アミノ酸をすべて含むタンパク質やカルシウム、亜鉛などのミネラル類をはじめ、さまざまな栄養素が多量に含まれるためです。

牡蠣には、血圧を下げる作用や肝臓の代謝機能を高める作用があり、心臓病や脳梗塞、動脈硬化の予防、貧血の改善にも効果があるといわれています。

 

また、漢方では牡蠣の貝殻を焼いて砕いたものを「牡蠣(ボレイ)」と呼んで用います。

主に精神を落ち着かせ、陰を助ける働きがあり、イライラや不安感、不眠、動悸、耳鳴り、めまいといった興奮状態によって起こる症状や、胃酸過多、寝汗をよくかくときなどに用いられます。

 

一般的に身体を温める食べ物として生姜やニンニクがよく知られていますが、他にも、味噌やニラ、ネギ、ニンジン、カボチャなどもあげられます。

また、お鍋に欠かせない白菜には胃腸の消化を助ける作用や利尿作用があります。

お鍋は美味しいだけでなく、寒い冬の食事として、とても理にかなったメニューなのです。

 

ほら。みなさんも今夜はお鍋にしようかな、という気分にだんだんなってきたのではないでしょうか。

ご家族やお友達どうしでワイワイお鍋を囲めば、身体も心も温まること間違いなし!

一人の部屋でも温かいものでお腹が満たされると不思議と寂しさは消えますよ!

 

なんだか最後はお鍋の勧めのようになってしまいましたが、

お互い今年も一年元気に楽しく過ごしていきましょう!!

 

神戸東洋医療学院 付属治療院  池田 朋子

冬至

12月に入り、寒さも本格的になってきました。
街中のイルミネーションのキラキラした景色も増えてきましたが、私はそれを見て楽しんでいる人たちを横目に、なんとか寒さを耐え忍んでいます。
冬ならではのイベントで、この寒さを楽しんでいる人たちも多いですが、私はやっぱり温かいお鍋やお風呂ですね。

もうすぐ二十四節季の一つ、『冬至』です。今年は12月21日になります。
この冬至とは「一年中で最も昼が短く、夜が長い日」のことです。
冬は植物が枯れ動物は冬眠してしまうため、食料が手に入りにくくなるだけでなく、特にこの日は日照時間が短いため、生命の源である太陽の恵みも減ることから、昔の人々は生活の不安を感じ「死に一番近い日」と恐れられていました。
その厄を払うために、身体を温めて無病息災を祈るという慣習が行われるようになったそうです。
ご存じの方も多いと思いますが、冬至(とうじ)=湯治とかけて生まれた「柚子湯」が有名です。
融通(ゆうずう)が効きますようにとの願いも込められています。
柚子には血行を促進する成分や、鎮痛作用のある成分が含まれています。
更にビタミンCも豊富なので、湯につかり全身からそれらの成分を吸収することで風邪をひきにくくする効果もあります。
柚子湯以外にもかぼちゃや小豆粥を食べるなど、地域によって様々な風習が残されているようです。
かぼちゃは本来は夏の食べ物ですが、逆の寒い季節に摂ることで陽の気を補おうという東洋医学的な思想もあるようです。
漢方では「南瓜」と書かれ、栄養豊富で胃腸を強くし気力を補う作用や、ビタミンも豊富なことから美肌効果もあります。

クリスマスなどのイベントで影が薄くなってきた冬至ですが、暦の上では大事な行事の一つです。
冬ならではの風習として楽しまれてみてはいかがでしょうか。

神戸東洋医療学院 付属治療院 池邉由実

ファーブル先生もたぶん知らなかった効用

みなさんが少年少女だったあの夏の日に一度は手に取ったことのあるものが、
有名な漢方薬の原料になっているということをご存知ですか?

夏休みが始まる頃には様々な昆虫を見かけるようになります。
夏休みの宿題として昆虫採集をされた方もおられることでしょう。
今回は、その中でも鳴き声でひときわ夏を熱くしてくれる「セミ」を取り上げたいと思います。

実はセミも漢方薬の原料になるのです。

ただし、セミといっても実際使われるのはセミの抜け殻で、蝉退(せんたい)という名で呼ばれています。
どうですか?

子供時代に一度ぐらい触った経験はありませんか?
セミの抜け殻(蝉退)は消風散という漢方薬の元になっており、アトピー性皮膚炎などに処方され、身体の余分な熱を取ってくれる働きがあります。
このように自然界の持つ力を上手く生かし、長年使われてきた漢方薬ですが、
近年は欧米においても行き詰るガン治療の現状や、拡大する医療費圧縮などの観点からその再評価と研究が進んできています。
もちろん、最新の科学技術を駆使し研究開発された新薬が、私達の健康と寿命にもたらす貢献は計り知れませんが、

一方で化学薬品が身体に合わずそのメリットを享受できず、
そればかりか強い副作用に苦しまれる方々が多くおられることも事実です。

そういう方々にとって漢方薬が福音となるケースも今後更に増えていくのではと考えています。

 

最後に本校の付属薬店の薬剤師の先生の思い出を紹介して、おしまいにしたいと思います。
夏になると子供時代の先生は、薬剤師のお父さんから
「セミの採集はしなくていいから、セミの抜け殻をしっかり集めておいで」
というミッションを与えられたとのことです。

これぞ夏休みの思い出!!これぞ漢方薬!!

こんな素敵な思い出を持つ薬剤師のいる付属薬店にもどうぞお立ち寄りください!!
(セミの抜け殻が見られるかも・・・?)では、今年もお元気で楽しい夏をお過ごしください。
 

神戸東洋医療学院 付属治療院 川上 靖

秋の七草

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、ここ数日で一気に秋の気配が増してきました。朝晩は半袖では寒いくらいですね。

あんなに暑かった夏がほんの少し懐かしく思えたりもしています。

 

さて、みなさん。『秋の七草』をご存知でしょうか。

春の七草は七草粥に象徴されるように、おせち料理で疲れた胃を休めると同時に、長い冬の終わりに新芽のエネルギーを食し、無病息災を祈願するものですが、これに対して秋の七草は、冬に向かう前に咲き誇る花の美しさを愛でるものです。

 

秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種の花

萩の花 尾花 葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花(山上憶良 万葉集)

 

尾花はススキ、葛花はクズ、そして朝顔はキキョウのことを指すのが一般的とされ、秋の七草はハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの七種とされています。

このような名前を聞くと、私は幼い頃に母と川沿いの土手を花を摘みながら歩いたことを思い出します。

以前は当たり前のように咲き乱れ、秋の風景を彩っていた花々ですが、最近ではハギやススキ、クズくらいしか見かけなくなってしまいましたね。

秋の七草のひとつであるクズには、血行を良くする働きがあるため、古くから風邪薬や胃腸不良の漢方薬として用いられてきました。

みなさん、よくご存知の風邪薬「葛根湯」です。

急に涼しくなるこの時期、夏の疲れや昼夜の気温差で体調を崩される方も少なくありません。

身体にやさしいクズ湯で健康管理してみてはいかがでしょうか。

神戸東洋医療学院付属治療院 池田朋子