東洋医学の夢
今回は前回の続きで夢についてお話します
夢は生命活動を維持するために必要な体内の精神・気血・臓腑・陰陽と密接な関係にあると東洋医学では
考えられています。体内の病変や心身の変化、生命活動のバランスが崩れたときの状態が夢となって
現れるのです
夢は五臓と連結しています。
五臓とは、東洋医学の五行学説という考え方の一つです
五行学説では、宇宙間のすべてのものは「木・火・土・金・水」という
5種類の物質の運動と変化によって成り立っていると考えられ、
事物の性質・特徴を象徴的に表した言葉が五行に分類されます。
五行学説では、人体や感情、味覚、季節、色などがそれぞれの作用や特徴によって分類されるのです。
東洋医学での五臓は「肝・心・脾・肺・腎」で表され、五行に分類すると木-肝、火-心、土-脾、金-肺、
水-腎に属します。
五臓は、精・気・血・魂などを貯蔵するところで、生命の根本です。西洋医学の解剖学的な臓器とは
考え方が違い、東洋医学的な臓器は機能も含んだより広い概念になります。また、人の感情・体液・声など
とも深く関係しています
人の感情は「怒・喜・思・悲・恐」で表され、五行に分類すると怒りは木-肝、喜びは火-心、思慮は
土-脾、悲しみは金-肺、恐れは水-腎に属します。このように五臓と感情は関連していて、五臓の
いずれかの機能のバランスが崩れたら、そこに深く関連した感情がすべて夢で現れるのです
1)肝のバランスが崩れたら、怒っている夢
2)心のバランスが崩れたら、喜んでいる夢
3)脾のバランスが崩れたら、歌を歌う夢
4)肺のバランスが崩れたら、涕(なみだ)が出る夢
5)腎のバランスが崩れたら、恐ろしい夢
また、東洋医学には陰陽説という考え方があります。宇宙の万物はすべて陰と陽の二つのエネルギーで
構成されているという考えです。陰陽のバランスは、身体の代謝機能とも同じです。代謝が下がると体温は
下がり寒く、身体の代謝が上がると体温は上がり熱く感じます
中国にある古い医学書の「黄帝内経」によると“陰が盛なら寒、陽が盛なら熱”といわれています。従って、
陰=寒、陽=熱との関係になります。また、陰は水、陽は火とも関係があるとされています。
陰陽説の関係も夢で表れることがあります。
1)陰が多かったら、寒さあるいは水と関係がある夢。
2)陽が多かったら、熱さあるいは火と関係がある夢。
このように、夢の内容は体の問題が起こっているときにアラームとして働きます。
東洋医学では夢の内容から、五行学説や陰陽説のバランスを
診て、疾病の診断およびそれに対する治療に応用されます。
もちろん、夢の内容だけで判断するのではなく、方法論の一つ
として応用できると考えています。
夢を見ると眠りが浅くなり、睡眠の質が落ちます。熟睡できて
いないため、慢性疲労や体重の増加、血圧の上昇など、
色々な問題につながります
よく眠ることは、健康で幸せなことだと思います
夢をよく見ている皆様、鍼灸の力で体のバランスを整えて、睡眠の質を上げませんか
神戸東洋医療学院 付属治療院より
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神戸三宮で鍼灸といえば
神戸東洋医療学院付属治療院
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