先日、第32回はり師・きゅう師国家試験が行われました。

国家試験は、はり師ときゅう師に分かれていますが、その両方を取得する人が多いので鍼灸師と呼ばれています。

この試験に合格すると、新たな鍼灸師が誕生します。

 

 

『武藝武術も第二のさたよ

 とかく主心がおもじやもの

 主心なければ明き屋おなじ

 きつね狸きも入りかわる』

 

これは、江戸時代の文人画家である池大雅(いけのたいが)の「葛の葉図」に記されている、江戸中期の禅僧である白隠慧鶴(はくいんえかく)の書です。

池大雅の「葛の葉図」はお多福のような顔をした可愛らしい子供が描かれているのですが、足元を見ると服の裾から毛深い尻尾が見えており、実は子供は狸が化けたものという図です。

 

書の意味は「武藝武術に長けようとも主心(臍の下の気海丹田にあるとされる真実の心)がなければ、空き家も同然だ」です。

気海丹田は、下腹部、ツボの気海(きかい)~関元(かんげん)あたりを指します。

 

 

私が国家試験を受験したのは数年前のことになってしまいましたが、思い起こすと学生1年目の実技の授業で、鍼の打ち方やお灸の仕方を学びました。

鍼を持つ指の使い方はもちろんのこと、その姿勢についても教わり、崩れた姿勢では、真っすぐに鍼を打つことは難しく、鍼が途中で曲がってしまったり、身体に入っていかなかったりします。

また、鍼灸師の体にも負担がかかります。良い姿勢は自分の臍の中心が打ちたい場所に対して真っすぐ向いているか。

そして、いかに打つ側が楽な姿勢であるかが大事だと教わりました。

 

白隠慧鶴は、鍼灸師の理を唱えたわけではありませんが、鍼を打つ姿勢や患者さんとの向き合い方について相通じるところがあるのではないかと思います。

 

 

気海は全身の気の病を治療できるツボともいわれ、関元は元気の源だとされ、いずれも気力を整えるのに良いツボです。

気海丹田に気力を充実させ、邪気を吹き飛ばし、健康な1年を過ごしましょう!!

ご自宅で、お灸をされるのも良いと思います。

 

 

☆気海:へそから指2本分下にあります。

     気の海と言われ、全身の気の病を治療できると言われています。

☆関元:へそから指4本分下にあります。

     丹田と呼ばれることもあります。元気を蔵します。

 

 

神戸東洋医療学院 付属治療院 田中 里佳

よくある症状はこちら

 

********************

神戸 三宮で鍼灸といえば

 神戸東洋医療学院付属治療院

********************