令和5年も1か月が過ぎ、すでに立春です。今年もあっという間に駆け抜けていくことになるのでしょう。このような時の速さを例えるものとして、今年の干支であるウサギがあります。

今回はウサギが登場する『ウサギとカメ』の物語からお話をしたいと思います。

 

ある日、ウサギとカメは目的地までどちらが速く到着できるか競争することになりました。敏捷さに優れているウサギはまたたく間にカメを引き離し、勝利は確実かと思われました。するとウサギは安心し、レース中でありながらも休憩して眠ってしまいます。

その頃、カメはゆっくりではありますが、歩みを止めません。マイペースに歩き続けるカメは、ずっと先にいるはずのウサギを追い抜きゴールに向かいます。

ようやく目覚めたウサギは慌ててカメの後を追いかけますが、後の祭り。カメに追いつくことができずウサギは負けてしまいます。

 

この物語は「実力があっても油断は禁物!」努力をし続けることの尊さを私たちに教えてくれていると感じます。

また、この物語からもう1つ私が思い浮かべることがあります。それは、私たちの中にもウサギ(瞬発力)とカメ(持久力)があるということです。

すばやくパワフルに体を動かす瞬発力に関係する白筋と、長く立ちそして歩き続けることを可能とする持久力に関係する赤筋が、1つの筋肉に合わせて存在しています。

この白筋と赤筋の割合は、筋肉の役割や年齢、運動を含めた生活内容で変わってきます。その為、私たちの中のウサギとカメは競争関係にあるわけではなく、協力共存関係にあるのです。

 

若く活動的な頃には白筋が多く、ダッシュしたり階段を駆け上がったりすることは朝飯前です。もし、転びそうになっても反射的に体勢を立て直すこともできます。通常、年齢と共に運動量は減りやすくなり、反射運動を支える白筋は衰えてしまいます。対して、持続力のもとになる赤筋は白筋ほど目立った減り方はしませんが、運動量や栄養不足で、やはり減ってしまいます。

これらの現象を防ぐために、白筋と赤筋それぞれにふさわしいトレーニング法があります。

 

反射神経を鈍らせないためにはラジオ体操がお勧めです。

今さらラジオ体操?と言うことなかれ。ラジオ体操は素早く体を曲げ、反らし、ねじり、そして跳ぶ動きまで網羅しています。

学生時代、この体操はどんな役に立つのか考えもせず軽々とこなしていた方が殆どだと思います。しかし大人になり久しぶりにやってみると、自分の体のキレの悪さに愕然とします。

体操の意義を噛みしめながら何週間か続けていると、階段での足取りが軽くなったり、動きのバランスがとりやすくなったりします。

 

赤筋を無理なく鍛えるには、個人個人に合った時間を歩くことです。ほとんど歩く習慣が無かった方は20分くらいからでも十分です。そして、筋力体力に余裕が出てくれば5分ずつ歩く時間を延ばしてみましょう。

歩くことには心肺機能の強化、全身の血流改善、胃腸の働きの促進など良いことがたくさんあります。もちろん、度を超すトレーニングはケガのもととなるため、運動後には適切なストレッチや、必要に応じた鍼灸治療も筋肉のコンディションを保つためには役立ちます。

 

繰り返しになりますが、違う質の筋肉はどちらにも意味があり、それらが合わさることで、私たちの身体は本来の活動が行うことができます。

私たち人類もそれぞれの違いを理解し、より良い調和が生まれることを願う早春です。

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

川上 靖

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