東洋医学では、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干と、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支の組み合わせで、

「甲子」から「癸亥」までの60年周期で考える思想があります。

東洋では、この60年周期を暦が一周して還るという意味で「還暦(かんれき)」といいます。

 

《十干(じっかん)》                             

甲(きのえ):木の兄 

乙(きのと):木の弟 

丙(ひのえ):火の兄  

丁(ひのと):火の弟

戊(つちのえ):土の兄 

己(つちのと):土の弟 

庚(かのえ):金の兄  

(かのと):金の弟

壬(みずのえ):水の兄  

癸(みずのと):水の弟

 

 

《十二支(じゅうにし)》 

子(ね) 

牛(うし)

寅(とら) 

卯(う) 

辰(たつ) 

巳(み)

午(うま) 

未(ひつじ) 

申(さる) 

酉(とり) 

戌(いぬ) 

亥(い)

 

 

 

2024年は甲辰(きのえ・たつ)です。

中国伝統医学の「五運六気理論」は、十干十二支から気候と病気を予測します。

「甲」は、木・火・土・金・水の「五運」では、「土運太過(どうんたいか)」です。

「辰」は、風・火・暑・湿・燥・寒の「六気」では、「太陽寒水司天(たいようかんすいしてん)」、「太陰湿土在泉(たいいんしつどざいせん)」になります。

一年の前半は寒気が支配し、一年の後半は湿気が支配します。

今年は寒と湿が支配する年になると予測され、からだの中に冷たい水を溜めないように注意しましょう。特に、4月から5月は、冷えて「気鬱(きうつ)」といって、鬱々(うつうつ)とした気分になりやすく、

「中満(ちゅうまん)といってお腹が張る症状が出るかもしれません。

 

このような症状にお勧めなのは、お灸です。体を温めて、寒気や湿気を追い出します。

お灸は独特の芳香があり、体表の鬱々とした気を発散して気分を改善します。

 

カラダから寒気や湿気を追い出すには、体を温めて汗を出すことも効果的なので、エクササイズもお勧めです。

私も今年から休日には10㎞ほどウォ―キングし、ウィークデイには、付属治療院のある1階から9階まで歩いて登っています。

あと温泉なども良いと思います。 

 

甲(きのえ)は十干の最初であり、この10年のスタートという意味があります。

植物は、冬は種の状態ですが、芽吹いたばかりの種の殻を十文字に破って出てきた姿が、甲を表した象形文字になります。

辰(たつ)は「しん」とも読み、「伸(しん)」の意味があります。

新しいものが芽生え、どんどん伸長していきます。しかし、芽には種の殻がついており、抵抗はあるというイメージとなります。

 

東洋思想の考えから言えば、甲辰の年は、成長するために、新しいことをスタートする年です。そして、新しいことをはじめたら、抵抗が必ずあります。

いままで、抵抗があり鍼灸を受けたことのない方でも、ぜひ付属治療院にきていただき、新しい体験をしてみてはいかがでしょうか。

鍼灸治療を受けると、精神的にも肉体的にもレジリエンスが高まります。

レジリエンスとは「回復力」「復元力」「耐久力」「再起力」「弾力」を意味する言葉です。

ストレスを受けてココロとカラダがつぶれそうなときでも、また復活する力、レジリエンスを養っていただくために、ぜひ、鍼灸治療を受けてみてください。

新年度、新しい学びをはじめたり、新しい職場で新しい自分にチャレンジされている方は、ぜひ、鍼灸という選択肢を活用してください。

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

早川 敏弘

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