水々しすぎると溺れます
今年も神戸祭りが終わったと思うとすぐに爽やかな初夏は通り過ぎ、梅雨前線が停滞
するジメジメした暑さがやってきました知らぬ間に汗が流れ、喉が渇き、つい水分が
ほしくなります。時にはダイエットやデトックスのために毎日1.5L~2Lの水を飲むとよいと
いう情報も耳にします。しかし一度に大量の水を摂りすぎ、死んでしまうこともあることを
みなさんはご存知でしょうか?
今回は水分の適切な摂取の仕方についてお話します
成人の体は約60~65%の水を含んでいます。私たちは1日あたり、
呼気・汗・便として約2Lの水分を排出しています。また食事の際、水や
お茶以外の食物から1日約1Lの水分を摂り入れています。そこで通常
は残り1Lほどを飲料水などから補給すれば事足ります。その適量を
超えて水を摂りすぎると腎臓に負担をかけますし、水を沢山摂ること
でダイエットやデトックス効果があるという根拠は医学的にはありませ
ん。さらに極端に大量の水を摂取し、腎臓の排出能力を超えると血液
中のナトリウム(塩分)濃度が低下します。すると疲労感やだるさが
現れ、やがて頭痛・めまい・吐き気が起こります
これを「水中毒」と言います。脱水症状とも似ており、重症になると昏睡から死に至ることもあります。
治療には水分摂取の制限や排泄を促す処置が医療機関で必要となります。近年、マラソン大会での水中毒
による死亡事故も報告されており、熱中症に加え水中毒への注意も行われています
しかし、最近夏には熱中症予防の為こまめな水分摂取を行うよう言われるようになりました。もちろん、
気づかないうちに脱水症状になることもあり十分な注意がいりますが、反対に水の摂りすぎで体調を崩すこ
とも知っておいてください定期的に来院されておられる患者さんの中には夏の時期だけ体にむくみの症状
が現れ、そのことによりほかの身体症状が引き起こされているケースを時々見ます。その方々に話を伺うと、
連日マスコミでしっかり水分を摂るようアナウンスされ「頑張って無理に水分を摂るようにしています」とのお
答えが多いです。特に、空調のよくきいた快適な環境の中で一日過ごされている方は、無理に水分を摂るこ
とでなおさら全身にむくみが現われてしまいます。
東洋医学では昔から余分な水分が体に溜まると、気血の流れを滞らせ体を
冷やす原因にもなるとされていますこのような時、鍼灸治療では水分代謝を
促進するツボを使い水分の滞っている箇所に流れをよくする施術を行います。
これからの季節は、ご自身の環境や体調に合わせた適切な水分の摂取を行って
ください。
水分は摂りすぎず良い気を取り入れてください日々の治療でみなさんに良い気が込められるよう心がけ
ています
神戸東洋医療学院付属治療院 川上 靖
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神戸三宮で鍼灸といえば
神戸東洋医療学院付属治療院
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