感じ、思考する秋
『天高く鍼灸師肥ゆる秋』になりましたね。
先日、来校された鍼灸科の卒業生からも太ったことを指摘された私、川上がこのコラムを担当します。
さて、当院は名前からもおわかりいただけるように、神戸東洋医療学院という鍼灸師養成校に付属する鍼灸治療院です。
通常は一般外来診療を行わせていただいている施設です。
その一方、臨床実習という、厚生労働省既定のカリキュラムに則り、学生が診察法や治療法を習得する教育の場としての役割があります。
臨床実習は2年間にわたる東西医学の基礎知識と鍼灸治療に必要な基礎実技を学んだ3年生が、治療の現場で実経験を積むべく毎週汗を拭きながら施術にあたります。(私が学生の時も同様でした。)
この貴重な時間を経て、彼らは社会に羽ばたいていきます。
そんな学生の皆さんに私が望んでいることは、より多くの知性と感性を育んでいただきたいということです。
もちろん、人体についての様々な知識や鍼灸治療の技術を身に付けることは当然ですが、
色々な価値観を持つ大勢の方々と接する私たち医療人は、より多くの社会や人間に対する洞察力が求められるのではないかと考えています。
そのためには、医学に関する専門的な知識以外の事柄にも興味を持つことが大切だと思います。
例えば、歴史や物理、植物学や動物学、哲学やスポーツ、宗教や料理、絵画や音楽、文学や流行りの服、演芸や国際政治など、多岐にわたります。
このように社会を構成する事柄や、私たち人間そのものについて知りたいと求めることが結果的に私たちが行う施術に反映されるのではないかと感じているからです。
ちょうど読書週間でもあります。
気温が16℃以下になると、私たちの脳は活性化し、思考を行うのに適した状態になるようですので、私はおいしいお店がのっている本でも読んで、食欲ではなく、知的好奇心を刺激したいと思います。
また、現在神戸では6会場で「スキ」をテーマにした現代アート展、神戸ビエンナーレ2015が11月23日(月)まで行われています。
水や光、闇や空間など様々な材料を使い、私たちの感覚に働きかけてくるイベントです。
今回は付属治療院のもう1つの役割と教育について私の想いを少しお話ししました。
私自身、直観力を高めるべく、知性と感性をこの秋に養いたいと思います。
神戸東洋医療学院 付属治療院 川上 靖
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神戸・元町・三宮で鍼灸といえば!
神戸東洋医療学院付属治療院
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