ニンニクを食べましょう!
先日、中国に行った際、改めて中華料理のニンニク使用量の多さに驚きました。
健康食品として日本人にもなじみが深いニンニクですが、臭いが残るからと何かと嫌厭されがちです。これが非常にもったいない
ニンニクの臭いこそ健康効果に大きく関わっているのです。
ニンニクの臭いの成分は「アリシン」と言います。アリシンは強力な抗菌・殺菌効果があり、虫や動物によって傷つけられたり、カビや細菌に侵されたりすると、対抗策として「アリシン」を生成・放出します。ニンニクを料理で使うときは、みじん切りにしたり、すり潰したりすることで、アリシンが大量に産生されます。それがあの強烈な臭いとピリピリする刺激を生み出します。
アリシンは非常に反応性が高く、酷ければ炎症を起こすのですが、ニンニクを茹でたり油で炒めたりすれば、アリシンが結合して安定した硫黄化合物「スルフィド類」という物質になります。ニンニクの健康効果である血液サラサラ作用や、スタミナ作用、降圧作用、抗がん作用などはこのスルフィド類の力によるものです。
そんな素晴らしい機能を持つスルフィド類を増やそうと思ったら、まず臭い成分であるアリシンをたくさん作らなければいけません。そのためにニンニクをみじん切りにしたり、すり下ろしたりするのですね。アリシンが結合してスルフィド類になるには2つの条件があります。
1つ目は「熱」。温度を上げればアリシンが結合しやすくなります。そして2つ目は「油」。油の中だとアリシンが結合しやすくなります。中華料理でニンニクを使った料理に油を使うのは、とても理にかなっています
何かと刺激が強いアリシンですが、実は刺激のない「アリイン」という成分が酵素の力でアリシンに変化してできます。健康効果だけでみれば刺激のないアリインのまま摂取しても体の中でスルフィド類になるので同じ健康効果が得られます。
「じゃあアリインのまま摂取すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、そこは気を付けなければいけないポイントです。アリインのまま摂取した場合、翌日や翌々日に臭いが残りやすくなります
摂取前にスルフィド類に変化したものであれば3時間くらいで体外に排出されますが(次の日の臭いを気にしなくてもいいですね)、アリインが体の中でスルフィド類になったものは体外に排出されるには10時間以上かかるのです。なので、好きだけど臭いが気になって中々食べられない方は、ぜひ加熱してスルフィド類に変化させてから食べるようにしてください。
ニンニクは手軽に摂取できる「おいしい食材」でありながら、かつ「薬」のようにも利用できる素晴らしい食材です。
加熱をうまく利用し、強烈で独特な臭いをスムーズに排出できるようにして、ぜひニンニクの効果を思う存分利用してみてください
鍼灸とニンニクパワーで残暑も元気良く過ごしましょう
神戸東洋医療学院 付属治療院
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