暖かくなってきましたね、皆さんお元気ですか。今回は、春と風の話をしようと思います。

春の訪れを告げる代表として春一番があるように、春は風の季節です。春先の季節の変わり目、寒暖の差により体調を崩して風邪をひく方も多いのではないでしょうか。

『風=かぜ=風邪』

普通「風邪」と書かれていたら「かぜ」と読みますが、東洋医学の世界では「ふうじゃ」と読み、風の邪気のことを表します。

 

邪気とは、病気をもたらす気のことで、外部環境の変化からやってくる邪気のことを外邪といいます。

外邪は風邪以外にも、「寒邪(かんじゃ)」・「暑邪(しょじゃ)」・「湿邪(しつじゃ)」・「燥邪(そうじゃ)」・「火邪(かじゃ)/熱邪(ねつじゃ)」があります。

 

◎寒邪は、冬の厳しい寒さやクーラーの当たり過ぎなどの時にあらわれる邪気です。

寒邪によって引き起こされる症状としては強い寒気、頭痛、首肩の凝り痛み、関節痛、腹痛や下痢などが挙げられ、これらの症状は冷えによってさらに悪化します。

 

◎暑邪は、夏場の高温や季節に関係なく高温となるような職場や住環境などでの生活の時にあらわれる邪気です。

暑邪による症状としては高熱、顔面紅潮、口の渇き、発汗過多、だるさ、意識障害などが挙げられ、暑邪が引き起こす症状は熱中症によるものとほぼ同じだと考えられています。

 

◎湿邪は、梅雨時の湿気や通気性の悪い環境での生活の時にあらわれる邪気です。

湿邪による症状としては身体の重だるさ、頭重感、頭痛、むくみ、食欲の低下、吐気、下痢、腰痛や関節痛、湿疹などが挙げられます。湿邪による痛みの症状は雨の日や台風の接近によって悪くなりやすく、シクシクとした鈍痛として現れやすいです。

 

◎燥邪は、秋から冬にかけての乾燥した気候などの時の邪気です。

燥邪による症状としては口・喉・鼻・眼・皮膚といった身体の乾燥、乾燥した咳、切りにくい痰、喉の痛み、便秘などが挙げられます。

 

◎火邪(熱邪)は、炎症や熱感をともなう症状を引き起こす邪気です。

しばしばみられるものだとカゼによる喉の腫れや痛み、粘々した痰をともなう咳、眼の充血、発熱、頭痛、顔面紅潮などが代表的です。これら以外にもイライラ感、落ち着きのなさ、寝つきの悪さ、鼻血、皮下出血、不正性器出血などの症状も火邪によって引き起こされます。この場合は精神的ストレスの蓄積や慢性病などが火邪を生む原因といえます。

熱邪と火邪はほぼ同じ性質ですが火邪の方が熱邪より強く、病状の強さで使い分けされることもあります。

 

◎そして6つ目は「風邪=ふうじゃ」です。

他の邪と比べて影響力は弱いとされるものの、他の“邪”を伴って、肩甲骨の上辺、背骨寄りの位置にある「風門」と呼ばれるツボから侵入し、風のように病状が早く進みます。風邪は万病の元と言われますが、これは風邪が寒邪や熱邪を先導して侵入し病気を引き起こし、身体の中であちこち移動し症状も変化することを表現していることだと考えられています。

頭痛やめまいなど、上半身に症状が出やすい特徴があります。また、昔はほとんどの病気は風邪(風)にのって運ばれてくると考えられていたので、痛風・破傷風・風疹・中風(脳卒中にあたるもの)などに「風」がつく病名が多くあります。

 

この「風邪=ふうじゃ」の影響がもっとも強くなるのが春で、寒暖の差が大きく気温の変化が激しいため、自律神経も乱れがちになります。花粉症などもあいまって体内の免疫力「正気」が弱り、「風邪=ふうじゃ」が身体に入ってきた結果、「風邪=かぜ」という症状になって現れるというわけです。

 

鍼灸では、風門穴などに鍼やお灸を行い風邪の侵入を防ぐことができ、自律神経の乱れを整えて体調を改善していきます。

外邪の影響を受けたと感じ体調が優れない時は、ぜひ来院し一緒に邪気退治をしましょう!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院 

井上 博之

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