健康長寿の秘訣は、お灸

みなさん、「結核・呼吸器感染症予防週間」というのをご存じでしょうか?

 

毎年9月24日から30日までを「結核・呼吸器感染症予防週間」として、地方自治体や関係団体の協力を得て、厚生労働省が結核や呼吸器感染症の予防に関する普及啓発を行っています。

これは、厚生労働省が結核の予防対策を推進する目的で1949年に定めた「結核予防週間」に、呼吸器感染症予防対策を追加し、2024年に名称変更をしたものです。

 

結核という病気は古いものと思われている方も多いと思います。

しかし、結核は古くて新しい感染症と言われ、今なお、年間10,000人以上の新しい患者が発生し、1,400人以上が命を落としている日本の主要な感染症です。新登録結核患者の7割が60歳以上で、コロナなどの感染症とともに注意が必要な病です。

 

結核は、結核菌による感染症です。

主に肺に影響を及ぼしますが、全身の臓器にも感染する可能性があります。

結核は、保菌者の咳やくしゃみなどで空気中にまき散らされた飛沫を吸い込むことで感染します。感染しても発症しない場合もありますが、約10%から20%の人が発病します。

現在、結核は治療可能な病気であり、抗生物質による治療が一般的です。

 

実は、この結核の治療に有効とされているのが、お灸です。

 

 

昭和初期、結核に効果のある薬はありませんでした。

その頃、九州帝国大学医学部で灸の研究に取り組んでいた医師がいました。原志免太郎(はらしめたろう)医師です。

1929年、結核に感染したウサギにお灸をすえたら抵抗力が増すことを突き止めた論文を発表し、日本で初めてお灸の研究で博士号を取得しました。

 

原博士の論文では、下記の内容が発表されています。

 

① お灸をした後の白血球の増加が免疫力を向上させ、病気予防に有益であること

② 結核感染させる前からお灸をしていた方が良好な結果を示したこと

 

原博士は長寿でも知られており、104歳まで医師として患者を診察し、108歳で死去しました。

健康を保つため、毎日の足三里へのお灸を欠かさなかったそうです。

 

10月になり、秋の風の涼しさを感じるようになりました。そろそろ夏の疲れが出始めるころです。

 

免疫力を向上させて感染症を予防し、健康を保つためご自宅でできる毎日のセルフケアとしてお灸をしてみてください。

また、ご自宅ではできない灸施術を受けに、ぜひ鍼灸院へお越しいただければと思います。

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

田中 里佳

よくある症状はこちら

 

********************

神戸 三宮で鍼灸といえば

神戸東洋医療学院付属治療院

********************

座りすぎ!

朝晩少し涼しくなって来ましたが、日中はまだまだ暑い日が続いています。

皆さんお元気でお過ごしでしょうか?

 

ところで、皆さんは映画『国宝』を観られましたか?私は先日、観に行ってきました。

とても素敵でいい映画でしたが、上映時間が約3時間という長時間だったので身体が・・・

映画を観終わり立とうとすると、身体が固まって暫く動けませんでした(笑)

長時間座っていると、身体が硬く固まってしまうことを実感した一日でした。

今回の題名にあるように「座りすぎ」は身体に良くないですね。

 

同じ姿勢でいる時間が長くなると、健康に害を及ぼすことがあります。

そのことについて、厚生労働省のホームページに「座位行動」として紹介されています。

座位行動とは、座っていたり、横になっている状態のことです。

寝ていない時間の大半は座位行動を行っているのですが、この時間があまりにも長いと、健康問題が発生することが記されています。

 

そこで注目したいのが、調査によると日本人の平日の総座位時間は1日7時間であるということです。

世界20カ国(アメリカ、中国、インド、カナダなど)のなかでも、一番長いという研究結果でした。

これは、映画『国宝』の2倍以上の時間座っているということになります。日本人は座りすぎですね!

 

最近、この「座位行動」による健康リスクについて多く指摘されています。

長時間座り続けていると、全身の最も大きな筋肉である太ももや、「第二の心臓」とも言われるふくらはぎの筋肉が働かないので、筋肉量の低下や血流の低下を招きます。

血液を循環させるときには、体の骨格筋もポンプのような役割をして心臓に血液を戻す手助けをしています。

しかし座っている時間が長いと、その役割を充分にできないため、心臓に負荷が多くかかります。

その結果、長年の負担によって心疾患につながってしまいます。

 

また、体の筋肉を充分に使わないために、血中の脂質代謝が低下して中性脂肪が増加するといわれています。

燃焼するカロリーも少なく、肥満のリスクも高まります。

ほかにも、生活習慣病や骨粗鬆症などのリスクが高まることや、認知機能の低下、メンタルヘルスにも悪影響を与える要因となるようです。

コロナ禍から在宅勤務が増え、仕事中の身体活動が減っていることも懸念されています。

1日8時間以上座っている人は3時間未満の人と比べて、死亡リスクが1.2倍になるという研究結果も出ています。

 

この悪影響は、週末に運動する程度だけでは打ち消すことはできないようです。

座位に限らず長時間同じ姿勢でいることは、たとえどんなにいい姿勢だったとしても好ましくなく、30分~1時間ごとに体操やストレッチなど数分間だけでも身体を動かすことが大切になってきます。

「座りすぎ」を防ぐ一番のポイントは“小まめに動くこと”なのです!

 

テレビを見ている時でもCMになったら立ち上がったり身体を動かし、スマホを見ている時でも時々首肩を回したりするなど、小まめに動いてください。

映画鑑賞中などで立ち上がったり歩いたりできない場合には、足首を動かしたり、座る姿勢を少し変えたりすることでも予防はできます。

 

 

皆さんも小まめに動くことを意識して、くれぐれも座りすぎには注意してください。

注意していても、身体が硬くなって辛いときは、鍼灸治療で身体のリセットをしませんか。

スタッフ一同お待ちしております。

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

井上 博之

 

よくある症状はこちら

 

********************

神戸 三宮で鍼灸といえば

神戸東洋医療学院付属治療院

********************

四苦八苦 ~苦楽とともに~

今年の夏は35度を超える猛暑日が連日続きました。

7月30日は丹波市で国内最高の41.2度が観測され、その後8月5日には、群馬県伊勢崎市で41.8度に更新されています。
また、わずか20日間程の空梅雨で、水不足が深刻化する中、各地方で線状降水帯による浸水被害が次々に報告される状況です。

昨年からの令和の米騒動に加え、こうした異常気象は今後も私たちの食生活に大きな影響を与えそうです。

夏を乗り切ることに「四苦八苦」しながら、「四苦八苦」について書いてみたいと思います。

 

「四苦八苦」とは、大変な苦労をする意味で用いられる四字熟語です。

「四苦」には「生まれ生きること」、「老いること」、「病気になること」、「必ず命尽きること」の、生まれながらに与えられた「苦」であるといわれています。

「八苦」は分かりやすくいうと、様々な感情から生まれる「苦」です。

私が耳にしたのは、それぞれに与えられた「四苦」に対し、受け止める気持ちによって「苦」が倍になるということでした。

 

東洋医学では七情(喜・怒・憂・思・悲・怖・驚)の感情が過剰になると、臓腑に影響を及ぼすと考えられています。
それぞれの感情をコントロールすることは難しいものです。

しかしながら、「四苦」の局面に立って、うまく感情をコントロールができたら「四苦」が「八苦」になることはなく、いつまでも健康を維持できる可能性が高まります!

人は、生まれてからは誰かの力を借りながら成長しはじめます。
一年また一年と、その過程を楽しみながら生きることができれば、「苦」は遠ざけることができます。

しかし、ただ生きることが容易ではないと気付かされます。
健康でいることが当たり前ではないと思い始める頃には、「老」「病」「命の限り」について考える機会が増え、

それらを受け止める、受け入れる心の準備を求められる時期が、それぞれにやってきます。

 

今、何か不安に感じることがあれば「楽しいこと」を何か1つ見つけてみましょう。
不安を楽しみで上書きしましょう。
安心の日々なら「笑顔」で過ごしましょう。
自分も周囲の人も健康な日々がより続きます。

今、楽しいと思える時間を増やして、心身ともに元気に過ごせますように♪

神戸東洋医療学院付属治療院

藤岡 友子

よくある症状はこちら

 

********************

神戸 三宮で鍼灸といえば

神戸東洋医療学院付属治療院

********************

 

大切なことに気づかせてくれるもの

先日、武術と野球の共通点をテーマに特集されているテレビ番組を観ました。

番組の中で、刀や手裏剣などを用いるどんな武術も、その道具を【握る】ことはしないと話されていました

 

野球選手もピッチングを行う際、「ボールは握らない」 「ボールには落とさない程度に指を添えているだけ」と説明されており、

『バガボンド』の「腕はないものと思って振ってください」のシーンを思い出しました。

 

井上雄彦先生の『バガボンド』は私のバイブルのひとつ。

吉川英治さんが書かれた小説『宮本武蔵』を原作として、井上雄彦さんが描かれた漫画です。

 

宮本武蔵が農民の女性たちに刀の振り方を教えるシーン、私が好きなシーンのひとつを思い出しました。

 

 

 ―「自分の体とは違うものを持っているから、放しちゃいけないと力いっぱい握る。

   手にしたその得物で相手を斬る。余計に放すまいと力を入れる。

   でもその力は、相手を斬るのには使われず自分を縛るだけ。」― 

   (『バガボンド』より引用)

 

 

テレビ番組の師範や元プロ野球選手も同じことを話していました。

 

道具を握れば腕に力が入ります。

力が入った腕で相手を打ったとしても、相手はその衝撃を受け止めることができます。

逆に、道具を握ることをせず、体幹からの動きの連動で相手を打つと、

相手が飛んでいってしまうほどの衝撃を与えることができます。

 

ボールを握れば握るほど、スピードも出なければ思うように投げられません。

逆に、ボールを握ることをせず体幹からの連動で投げると、スピードも投球の種類のコントロールも可能になります。

 

 

 

 ―「腕は真面目で頑張り屋。

   欠点は1人で頑張りすぎること。脚や腹、腰やヘソ、他の連中をすぐ忘れる。

   だから時々、腕はないと思って振る。」―  

   (『バガボンド』より引用)

 

 

真面目だから、頑張り屋だから、知らず知らずに力んで硬くなって本来の力を発揮できなくなってしまいます。

 

 

ボールを投げるのにボールを握らない。刀を振るのに刀を握らない。

じゃあいったい、その手は、その時、何をしているのか?

 

手は、ボールや刀を握るための運動器官であると同時に、ボールや刀に触れる感覚器官でもあります。

 

ボールがどんな感触なのか?

刀がどんな重さで、どうバランスを取れば無駄な力を加えずに持つことができるのか?

 

手はまず、ボールのことを、刀のことを、感じているのではないかと思います。

 

 

 

昔、ボディワークのある先生に、

「大人は、今までの経験からの憶測で物を掴むから、余分に力みが入るんだ。

小さな子供は、まずそのものがどんな質感か、重さかを確かめながら、必要な力だけを使ってものを持ち上げるだろう?」

と言われたことがあります。

 

その時、改めて自分の生活を見直してみると、

キーボードは「バチバチバチーン!」、ドアノブは「ぎゅぎゅっ!ドーン!」、包丁は「ぐぐぐぐぐー」、歩く足音は「どかどかどかどかっ」

 

私の身体は常に力んでいました。

それもあってか、怪我もよくしていたし、手先足先は冷えひえで、気持ちもネガティブになりやすかったように思います。

 

先生に言葉をかけていただいてから、ひとつひとつ生活を見直すことにしました。

 

一体どのくらいの力があれば、キーボードが作動するんだろう?え!?こんなにちょっとの力でキーボードを押せるのか・・・。

ドアノブを回す動作も、優しく触れて回すだけの小さな力で済みました。 

包丁を握る手の力を緩めると、逆にスッと切れ味が上がり、料理が上手くなったように感じました。

足音を立てず歩こうと、床に触れる足裏の感触を意識すると、自然に丹田に力が入りました。

余分な力みが抜けて、怪我をすることが少なくなり、柔軟性が上がりました。

それまでは「冷たいから触らないで」と言われていた手先足先も、「あったかいね~」と言われるようになりました。

 

 

 ―人間の五感による知覚(情報判断)の割合は、

  「視覚83.0%、聴覚11.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%」―

  (『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)より引用)

 

 

私たちの知覚のほとんどが、視覚からの情報です。

 

【触覚はたった1.5%】

その1.5%を大切に丁寧に活かすことは、私たちの毎日をさらに豊かにさせてくれるものになるのではないか。

何か大切なことに気づかせてくれるものになるのではないか。

 

そんなことを考えさせられた番組でした。 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

北條 直

よくある症状はこちら

 

********************

神戸 三宮で鍼灸といえば

神戸東洋医療学院付属治療院

********************

 

夏の養生

梅雨が終わり、急に真夏を感じる暑さが続いている毎日です。
東洋医学では、夏は「陽気が旺盛になり、心火(しんか)が燃え盛る季節」と言われています。
私たちの体内のエネルギーも活発に動き出す季節。

このパワーを上手に使い、夏本番に備える養生のコツを五行学説に基づいてご紹介します。


「心」を労わり、火照りを鎮める

五行説での夏は「火」に属し、対応する臓器は「心」です。

気温の上昇と共に「心火」が亢進し、イライラ、不眠、口内炎、ほてりなどの不調が現れやすくなります。
養生の第一歩は「心を清涼に保つ」こと。


・苦味:

苦味には熱を冷ます作用があります。ゴーヤ、セロリ、ビール(適量)などを取り入れましょう。

ただし、摂りすぎは胃を傷めるので注意。

・赤い食材で心を補う:

トマト、スイカ、小豆、クコの実など「赤い食材」は心を滋養し、余分な熱を取り除く助けになります。


・「喜」の感情:

過度な興奮やイライラは心火を煽ります。

ゆったりのんびりとした気持ちで過ごし、小さな「喜び」を見つける習慣を大切にしたいですね。

 


気(エネルギー)を消耗させない

夏は汗をよくかく季節。東洋医学では、汗は「心の液」とも言われ、適度な発汗は体内の老廃物を排出し、熱を発散します。
しかし、発汗のしすぎは「気」や「津液(体内の水分)」を消耗するため要注意です。

 

・こまめな水分補給:

冷たい飲み物は胃腸を冷やし、水分代謝を滞らせます。常温の水や麦茶、そば茶などがおすすめです。

汗をたくさんかいた時は、梅干しやレモンなどで塩分とミネラルの補給も忘れないようにしましょう。


・「首」の冷えに注意:

急に冷房の効いた部屋に入ると、開いた毛穴から邪気(冷え)が侵入しやすくなります。

電車の中などでは薄手のストールや上着などで首元を守りましょう。

 


湿気と胃腸のケア

夏は湿気(湿邪)も多いです。湿邪は、胃腸の働きを阻害し、だるさや食欲不振、むくみの原因になります。

 

・胃に優しい食事:

脂っこいもの、生もの、冷たいものの過剰摂取を避け、消化の良いものを。

 

・黄色い食材で胃腸を補う:

山芋、かぼちゃ、米、雑穀など「黄色い食材」は胃腸を補います。

 

・芳香や発散作用で湿気を払う:

紫蘇、生姜、みょうが、ハーブティーなど、香りの良い食材には、湿気を取り除き、気の巡りを良くする作用があります。

 

 

以上をまとめると、夏の養生は、「心火」の過剰を清める『清熱』、「心」の働きを健やかに保つ『補心』、「胃腸」をいたわり湿気に負けない体を作る『健脾』が、とても大切です。

 

自分の体の声に耳を傾けながら、心地良い夏の養生を始めてみましょう。

 

神戸東洋医療学院付属治療院

富田 彩

よくある症状はこちら

 

********************

神戸 三宮で鍼灸といえば

神戸東洋医療学院付属治療院

********************