春の健康管理

お昼の気温が20度ほどになる日が増えています。しかし夕方になると10度以下に落ちることもあり、まだまだ寒暖差が大きいです。朝はまだ冷えて、暖かい服装をすると昼間は暑く感じ、逆に暑くなると思って薄着をすると朝晩は寒くなることがあり、服装で困る時期ですね。

そして春は寒暖差だけではなく花粉症や鼻炎、昼間の眠気など様々なアレルギー性疾患が多く見られます。

 

 では、春の健康管理はどうすればいいのかお話します。

 

まず春の季節はいつからいつまででしょうか。

季節は〝節気〞という太陽の運行によって区別しています。東洋医学で春の期間は、春の始まる日の立春から夏が始まる日の立夏までです。よって2月4日から5月5日ぐらいの期間を春となります。

季節は万物に変化を与え、私たちの体も季節に合わせて適応が違うので、東洋医学では季節に合わせた養生法と治療法があります。

 

春の特徴と、それぞれに適応した健康管理を4つ紹介します。

 

◎1つ目は〝暖かい〞ことです。

春は冬の間に人の体に足りなかった陽の気を補うのに良い季節です。その中でも特にお腹に暖かい陽気をたくさん受け入れた方が良いです。これは胃腸が暖かいエネルギー(陽気)を受け入れることで動きが円滑になり、その機能が良くなるからです。

天気が良く日差しが差し込む日にはなるべく散歩をしながら陽気をたっぷりと受け入れるようにしましょう。

 

2つ目は〝風が吹く〞ことです。

この時期に吹く強い風は暖かい春の気配を乗せて飛んでいき、万物の隅々を目覚めさせ活気を取り戻してくれます。しかし、この春風に混ざって黄砂とPM2.5 などの悪い異物が伝達されます。

黄砂とPM2.5が多く飛来する際はなるべくお出かけを控え、帰宅後にはうがい・手洗いを十分に行い、衣類を払って黄砂を落としましょう。また、洗濯物はなるべく部屋干しにして可能な限り窓を開けないようにすると良いでしょう。

 

3つ目は〝エネルギー(気)が上昇する時期〞です。

この時期、植物は新芽を咲かせて冬の間にずっと眠っていた動物たちも活動を始めます。しかし、人は冬に貯めていた気が少ないと、体がそのエネルギーに付いていけなく、疲れやすい、やる気が出ない、昼食後眠気で困るなどの症状が起こります。

このような場合は睡眠の質を上げ、脂濃く味付けが強いものよりもあっさりした食べ物を食べて、有酸素運動など軽い運動を週4回程度行った方が良いでしょう。

 

4つ目は〝寒暖差が大きい〞ことです。

私たちの体はこの激しい寒暖差に慣れるため頑張りますが、これにより免疫力が低下することもあります。この時期には風邪をひきやすくなり、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などを患っている場合、症状がさらにひどくなることもあります。

寒暖差が大きい日は薄いマフラーで首を温めること、39℃~40℃のお湯の湯船に約10分つかり、体全体を温めた後ストレッチをし、熟眠できるようにしましょう。

 

 

この4つの事に気を付けながら、活気のある春をお過ごしください。

 

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七情

3月になり、春の陽気を感じられる日も増えてきました。

3月8日より、付属治療院はセンタープラザビルの9階に移転いたしました。

このセンタープラザビルに引っ越してきたのは、今から7年前です。あっという間に感じていましたが、もう7年も経過していたのだと、月日の流れる速さに驚かされます。

さて今回は、この「7」という数字にちなんだ東洋医学のお話をしたいと思います。

 

 

東洋医学では「七情」という「怒・喜・思・悲・憂・恐・驚」の7種類の感情が、臓腑にも影響して体調の変化を起こす原因になると考えられています。

日常の生活でも起こりやすい感情ではありますが、その感情が強過ぎたり長期にわたると、限界を超えて体に悪影響を及ぼします。

 

 

・怒り過ぎるとイライラして顔は赤くなります。気が上がりやすく「肝」に影響します。

・喜びすぎると気が緩んだり、興奮し過ぎて睡眠が浅くなるなど、「心」の状態に影響します。

・思い悩みすぎると「脾」に影響します。脾は食物の運化を司りエネルギーを運ぶ臓器ですが、傷むと胃腸の不調が現れやすいです。

・悲しみすぎたり憂いすぎると「肺」に影響します。肺が傷むと、呼吸が浅くなり気持ちも沈みがちになります。

・恐れすぎや驚きは「腎」に影響します。泌尿器系にも関係するため、緊張するとトイレが近くなるのもこれが原因の一つです。

 

 

特に春の季節は、寒暖の差による体への影響や、年度末の忙しさによるストレスが強すぎて、イライラや不安感、怒りの感情が出やすくなります。体の熱が上半身に上がってくるため、頭はのぼせやすいですが足元は冷たい状態です。肝の気が上がった状態です。

 

 

東洋医学の肝は、血を貯蔵し気の巡りを司る臓器です。気血を全身に十分に巡らせることで、精神的にも安定した状態になるので、肝の気を下げる必要があります。

対処法としては、まずは肝の気を抑えるためにストレスを減らす必要があります。

適度な運動を行うと気の巡りもよくなるので、軽い体操やウォーキング、ストレッチなどをこまめに行いましょう。

 

 

治療院も新しくなり、新年度に向けてさらに活気づいてくる時です。イライラせず落ち着いて過ごすことが大切ですね。

「7」に関係するお話をしましたが、新しい治療院は「9階」です。

皆様、お間違いないようにお気をつけください。

 

 

 

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池辺 由実

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ウサギとカメは仲良し

令和5年も1か月が過ぎ、すでに立春です。今年もあっという間に駆け抜けていくことになるのでしょう。このような時の速さを例えるものとして、今年の干支であるウサギがあります。

今回はウサギが登場する『ウサギとカメ』の物語からお話をしたいと思います。

 

ある日、ウサギとカメは目的地までどちらが速く到着できるか競争することになりました。敏捷さに優れているウサギはまたたく間にカメを引き離し、勝利は確実かと思われました。するとウサギは安心し、レース中でありながらも休憩して眠ってしまいます。

その頃、カメはゆっくりではありますが、歩みを止めません。マイペースに歩き続けるカメは、ずっと先にいるはずのウサギを追い抜きゴールに向かいます。

ようやく目覚めたウサギは慌ててカメの後を追いかけますが、後の祭り。カメに追いつくことができずウサギは負けてしまいます。

 

この物語は「実力があっても油断は禁物!」努力をし続けることの尊さを私たちに教えてくれていると感じます。

また、この物語からもう1つ私が思い浮かべることがあります。それは、私たちの中にもウサギ(瞬発力)とカメ(持久力)があるということです。

すばやくパワフルに体を動かす瞬発力に関係する白筋と、長く立ちそして歩き続けることを可能とする持久力に関係する赤筋が、1つの筋肉に合わせて存在しています。

この白筋と赤筋の割合は、筋肉の役割や年齢、運動を含めた生活内容で変わってきます。その為、私たちの中のウサギとカメは競争関係にあるわけではなく、協力共存関係にあるのです。

 

若く活動的な頃には白筋が多く、ダッシュしたり階段を駆け上がったりすることは朝飯前です。もし、転びそうになっても反射的に体勢を立て直すこともできます。通常、年齢と共に運動量は減りやすくなり、反射運動を支える白筋は衰えてしまいます。対して、持続力のもとになる赤筋は白筋ほど目立った減り方はしませんが、運動量や栄養不足で、やはり減ってしまいます。

これらの現象を防ぐために、白筋と赤筋それぞれにふさわしいトレーニング法があります。

 

反射神経を鈍らせないためにはラジオ体操がお勧めです。

今さらラジオ体操?と言うことなかれ。ラジオ体操は素早く体を曲げ、反らし、ねじり、そして跳ぶ動きまで網羅しています。

学生時代、この体操はどんな役に立つのか考えもせず軽々とこなしていた方が殆どだと思います。しかし大人になり久しぶりにやってみると、自分の体のキレの悪さに愕然とします。

体操の意義を噛みしめながら何週間か続けていると、階段での足取りが軽くなったり、動きのバランスがとりやすくなったりします。

 

赤筋を無理なく鍛えるには、個人個人に合った時間を歩くことです。ほとんど歩く習慣が無かった方は20分くらいからでも十分です。そして、筋力体力に余裕が出てくれば5分ずつ歩く時間を延ばしてみましょう。

歩くことには心肺機能の強化、全身の血流改善、胃腸の働きの促進など良いことがたくさんあります。もちろん、度を超すトレーニングはケガのもととなるため、運動後には適切なストレッチや、必要に応じた鍼灸治療も筋肉のコンディションを保つためには役立ちます。

 

繰り返しになりますが、違う質の筋肉はどちらにも意味があり、それらが合わさることで、私たちの身体は本来の活動が行うことができます。

私たち人類もそれぞれの違いを理解し、より良い調和が生まれることを願う早春です。

 

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

川上 靖

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あなたの免疫力は?

寒さの厳しい日が続いていますが、体調は崩されていませんか?気温が低く乾燥もしているので、感染症対策をしっかりととる必要があります。

免疫力を上げるために腸内環境を整えることも、感染症対策のひとつになります。腸は「第2の脳」ともいわれ、人がウィルスに打ち勝つ原点は腸にあります。

 

免疫細胞の70%が腸内に生息しており、腸は最大の免疫器官と呼ばれています。大腸には腸内細菌がすみ、「腸内フローラ」を形成しています。

腸内細菌のバランスがよいと、免疫細胞が活性化されます。

 

腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(善玉菌、悪玉菌のうち優勢なほうに加勢する)の3種類に大きく分類されます。

悪玉菌よりも善玉菌が多い方が、良い腸内環境作ってくれます。

 

腸が元気だと、次のような効果があると言われています。

 ①免疫力が高まり病気になりにくくなる

 ②代謝が上がってむくみにくく、痩せやすくなる

 ③肌と髪がツヤツヤになる。

 ④肩凝りなども和らぐ。

思った以上に、いろいろと良いことがありますね。

 

また、腸内細菌はメンタルにも影響します。

「笑うと免疫力がアップする」といわれるように、免疫力はメンタルに左右され、腸は脳(心)との関わりも深いのです。

腸内細菌は、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質の生成にも関わり、心身の安定にも深く関係します。幸せをしっかり感じることができ、ストレスに負けない精神を保つことは、免疫力アップにつながります。

そのためにも、腸内環境を整えることが大切です。

 

腸内環境を整える方法

 ①食事で整える

  善玉菌を増やすために、善玉菌を多く含み餌になる食品を摂りましょう。

  ・納豆、キムチ、みそ、チーズ、ぬか漬け、ヨーグルトなどの醗酵食品

  ・海藻、きのこ、野菜、果物などの食物繊維

 ②適度な運動や質の良い睡眠を取る

 ③腸マッサージをする。

 

★腸のために毎日実行したい生活習慣★

 ①朝は余裕をもって起きて、コップ1杯の水を飲む

  朝バタバタすると、交感神経の働きを一気に高めて自律神経が不安定になります。水は冷たいものより、常温か白湯がおすすめです。

 ②朝食をとることで、腸のぜん動運動も活発になります。

  納豆や味噌汁などの発酵食品がおすすめですが、時間がなければバナナ1本でも良いので食べましょう!

 ③食事は腹7~8分目まで

  食べ過ぎると血液が胃腸に集中して、他の内臓や筋肉の血行が悪くなり、体温が下がって腸内の善玉菌が増えにくくなります。

 ④いつもゆっくりを心がける

  余裕をもつことで、副交感神経の働きが良くなり、自律神経が安定します。

 ⑤完璧主義を捨てる

  腸の健康に一番の敵はストレスです。頑張りすぎる自分とさよならをしましょう。

 

まずは自分のできるところから実行をして、腸内環境を整えて免疫力を高めていくのはいかがですか。

可能な限りサポートをさせて頂きますので、スタッフ一同お待ちしています。

 

 神戸東洋医療学院付属治療院

                                           藤本福

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小正月と小豆

皆さん年末年始はゆっくり過ごすことは出来ましたか。

お正月は年神様という神様をお迎えする行事で盛大に祝われますが、「小正月」があるのをご存じですか?

かつて「月」を暦の基準にしていた日本では、旧暦の1月15日にあたる満月の日を正月として祝い、一年の始まりとしたようです。

これが「小正月」の起源とされています。

では小正月にはどんなことをするのでしょうか??

 

 

小正月の行事で有名なのは「どんど焼き」や「左義長」などと呼ばれる火祭りです。地域に根付いた伝統行事であったことから他にも30種以上の呼び名が各地域であるようです。お正月に飾った門松や松飾り、前年のお札など、縁起ものに感謝し神社や河原などに集めて焼くことで家内安全や無病息災を祈ります。

また、1年の健康を祈り『小豆粥』を食べる風習があります。

「赤い食べ物は邪気を祓う」という中国の古い風習に由来したことが始まりのようです。

 

今回はそんな縁起の良い『小豆』の魅力についてお伝えしたいと思います。

小豆はマメ科ササゲ属の植物で、日本では縄文時代の遺跡から発見されるほど古くから親しまれてきました。

和菓子などで使われる甘い小豆あんが広まったのは室町時代に武士や貴族の間で茶道が流行してからで、それ以前は薬膳として塩味の小豆が使われていました。

 

 

小豆には食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれているため、便秘の解消や腸内環境を整えるのにも効果的です。また小豆の皮にはサポニンが豊富でコレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑制するなどが期待でき、お正月で食べすぎてしまった体を調整するのにありがたい食材です。

他にもビタミンB群、カリウム、タンパク質などバランスよく栄養素を含んでいるので、小正月以外にも取り入れたいですね。

 

 

そして小豆は食べるだけでなく、体を温める小豆枕としても使えます。

小豆はもともと吸湿性が高くたっぷりと水分含んでいるため、レンジで温めたときに蒸しタオルと同じように「湿熱」を生みます。

カイロのような乾いた熱よりも、湿熱は浸透性が高く、体の奥から温めてくれる効果があります。冬場は特に乾燥しやすいですから、肌にも優しいですね。

 

 

お腹に置いて、お正月の飲食で疲れた内臓の循環を良くしたり、冷えてしまった首肩には小豆の程よい重みと湿熱で血の巡りが良くなり疲れをとることが出来るのでおすすめです。

小豆枕じゃなくとも、ちょっとしたアイテムが自分自身の身体と向き合う時間のきっかけになってくれれば嬉しいです。

私たちも皆さんの健康のお手伝いをこの1年、誠心誠意させて頂きます!!

 

 

神戸東洋医療学院付属治療院

 宮崎紗希

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