4月から治療院に勤めて3ヶ月が経過しています。

通勤手段として電車を利用していますが、車内ではこのような風景が日々見受けられます。

 

総務省の「令和5年通信利用動向調査」によると、スマートフォン普及率は世帯90.6%・個人78.9%と増加傾向であり、

インターネット利用者割合が86.2%と発表されています。

「情報検索」や「コミュニケーションツール」として13〜69歳の9割以上がインターネットを利用しており、仕事内容がデジタル化された背景からも、生活の中での重要度が高くなっています。

 

また、厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」からも、男女共に「腰痛」「肩こり」の順に、自覚症状がある人の割合が増えている現状がうかがえます。

そのため、今回は姿勢と肩こりに関しての情報をお伝えしたいと思います。

 

 

【長時間の前傾姿勢は要注意】

そもそも、人間は重たい頭を体の頂点で重力に逆らって支えなければなりません。

人間の頭の重量は成人で体重の約10(5kg程度)と言われています。

スマートフォンを覗くために頭を前に60度傾けた姿勢では、約5倍の重さがかかるとされており、頭を後ろに傾ける筋肉(頸部伸筋群)などへの負担が多く懸念されます。

特に女性は、比較的筋肉量が少なく首の周径も細い傾向にあるため、首にかかるストレスは男性よりも大きいことが予測されます。

 

しかし、効率的に頭を支えることができれば、首にかかるストレスは筋肉の量に相関せず「肩こり」などの予防になります。

 

 

頭の正常な位置は、耳の穴(耳介)と肩先端(肩峰)を結んだ線が、一直線になることが望ましいとされています。

また、首の深層にあり頭を前に傾ける筋肉(頸部深層屈筋)は非常に重要です。頭を後ろに傾ける筋肉とのバランスを取ることで、頭蓋骨と首の骨(頸椎)の連結や安定化に関与します。

首にかかるストレスが大きくなる姿勢の特徴は、頭が正常な位置より前に出ている点です。

この場合、頭が前に行きすぎないように頸部伸筋群が持続的に収縮し、長期的には頸部深層屈筋によるバランス保持が困難となります。

結果として、首や肩こりの原因となることが考えられます。

もちろん、うつ伏せで本を読むことやスマートフォンを触ることも大きな原因となります。

 

 

【重要なのは、緩ませることと鍛えること】

頭部が前方に変移する不良姿勢を継続してしまうことで、頸部伸筋群や胸筋は硬くなり、頸部深層屈筋群などは弱化していきます。

このような状態を「上位交差性症候群」と呼びます。

対処方法として必要なのは、硬くなった筋肉を緩めることと、弱化した筋肉を鍛えることです。

 

筋肉を緩めるには、マッサージやストレッチ、入浴などで温めることが重要です。

筋肉を鍛えるイメージは分かりにくいと思いますが、下記の要領で鍛えることができます。

 ①仰向けで首の下に丸めたタオルを置く

 ②顎を引き、首を軽くタオルに押しつけ、5秒間保持する

これを5セット程度行います。

 

運動に慣れていない場合、歯を食い縛ったりして首の前面に過剰な力が入るため、口を軽く開けて行うことをオススメします。

ここでは一例を取り上げていますが、ご自身に適切な運動方法を指導してもらうことでより安全に実施できます。

 

 

頭と首の位置に関しては、背骨や骨盤など様々な部位の影響が関係してきます。そのため、全身を評価し適切な治療を行うことが重要だと考えられます。

当院では専門的な知識を有した鍼灸師が多数在籍しておりますので、気になった症状などあれば、お気軽にご相談ください。

 

神戸東洋医療学院付属治療院  坂 亘平

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