月と陰陽
月の満ち欠けが体調に影響を及ぼすことをご存じですか。
東洋思想には『陰陽論』という考えがあり、世の中に存在する全てのものが「陰」と「陽」で成り立っています。
簡単に説明すると、「陰」は消極的・静的な性質、「陽」は活発的・動的な性質であることをイメージしていただければと思います。
そうなると、太陽が出ている明るい日中は「陽」、陽が沈んでからの寝静まる夜間は「陰」となります。
さらに、同じ夜でも月の満ち欠けの周期によって「陰」と「陽」に分類されるのです。
そして、満月の状態から欠けていき再び新月に戻るまでの期間が「陽」となります。
この周期は、平均29.5日といわれております。
この月の満ち欠けが人体に影響を及ぼすということは、東洋医学の古典書である『黄帝内経(こうていだいけい)』にも記載されています。
満月が近づくと、体のだるさや頭痛、イライラなどを感じる方はいらっしゃいませんか?
満月の時期は「陽」のエネルギーに満ち溢れ、心身ともに元気で活発になるといわれています。
しかし、気持ちが高ぶりすぎて興奮し、寝つきが悪くなったり、必要以上に活動的になってしまって疲労が溜まってしまうこともあります。自律神経の乱れも感じやすくなります。
体内の水分量も満たされているのですが、体のどこかに不調がある方は流れが滞ってしまい、体調に影響が出やすくなります。
体がむくみやすいという方も、影響を受けやすいタイプかもしれません。
このように、満月は「陽」のピークになるのですが、溜まったエネルギーを上手に巡らせることが大切になります。
軽めの運動や入浴で汗を流したり、発汗作用のある食べ物を摂ることも良いです。
満月が過ぎてからは、使ったエネルギーを回復させる必要があります。
引き続き入浴で血流を巡らせることは大切です。そして睡眠もしっかり取りましょう。
まだ「陽」の時期で、体は活発に動きやすくはありますが、動いた分だけ回復させることも忘れずに心がけてください。
そして、新月となり「陰」の力が強まっていきます。
身体が最も疲れやすいため、休養が必要な時期です。食欲不振、手足の冷えなどを感じることがあります。
次の満月に向けて、準備を行っていく時期になります。
血液を補うような食材を摂取したり、体を温めるようにゆっくりと湯舟につかったり、サウナでデトックスも良いといわれています。
気持ちもリフレッシュさせて、充実した気持ちに持っていきましょう。
一ヶ月にも満たない周期の中でも、体調が大きく変化していきますが、月の満ち欠けを意識して養生を行うだけで、これまで感じていた不調が減っていくかもしれません。
また、鍼灸治療では、陰陽の状態から影響を受けている身体の状態を診て、体調を整えていくことも可能です。
動き過ぎたなと感じたら早めに施術を受けることもお勧めです。
今年も残りあとわずかですが、12月1日が新月、12月15日が満月、次の新月が12月31日の予定です。
忙しい師走ではありますが、中旬からは活発に動けるチャンスです。
上手にバランスを取りながら、良い年末を過ごしていきましょう。
神戸東洋医療学院付属治療院
池邉 由実
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神戸東洋医療学院付属治療院
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