今年は昨年より早い梅雨入りが予想されています。雨がじとじと、湿気も多く、心身ともに不調を感じやすい頃かと思います。

 

6月2日から歌舞伎座に出演予定だった片岡仁左衛門さんが5月に休演を発表されました。休演される理由は頭皮に「帯状疱疹」ができたからだそうです。この「帯状疱疹」という病気について、一度は耳にされた方が多いと思います。

では、「帯状疱疹」とはどのような病気なのでしょうか?

 

「帯状疱疹」は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる皮膚湿疹です。

子供のころに流行する水ぼうそうと同じウイルスによって起こります。水ぼうそうの予防接種は受けた、感染したが治癒しているから大丈夫と思われる方も多いと思います。しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスは、水疱が治ってウイルスに対する抗体ができた後も消失することはなく、身体の神経節(神経が集まっているところ)でその鳴りを潜めているのです。

健康で免疫力が高いときには、その活動を抑えることができていますが、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下してくるとウイルスの活動を抑えきれず、水疱や発疹といった症状が神経に沿って出始めます。神経と皮膚でウイルスが炎症を起こすため、皮膚の症状だけでなく、強い痛みを伴うことがあります。

症状としては、身体にピリピリやチクチクとした痛みを感じ始めて数日後に、痛みを感じた場所に赤い斑点のような発疹が出始めます。この赤い発疹が胸からお腹、背中などに帯状に広がって出ることが多いです。

 

帯状疱疹の感染リスクは少ないですが、ゼロではありません。

帯状疱疹の水疱には、水痘・帯状疱疹ウイルスが存在しています。なので、水ぼうそうになってない人が感染する可能性があります。水ぼうそうに感染していない赤ちゃんや子供、妊婦さんには、水疱が完治するまで接触を控えるように注意しましょう。

また、高齢者では、帯状疱疹治癒後も痛みが持続(帯状疱疹後神経痛)したり、耳の周囲に生じた場合には聴覚障害や末梢性顔面神経麻痺を起こしたりすることもあります。そのため、帯状疱疹の可能性がある症状が出た場合は、なるべく早く皮膚科を受診されることをおすすめいたします。

 

さて、帯状疱疹の発症は予防できるのでしょうか?

答えは・・・「できます」

 

最近では50歳以上の人を対象とした帯状疱疹ワクチンを接種されることも選択肢の一つとしてありますが、大切なのは免疫力を低下させないことです。帯状疱疹は、免疫力が低下したときに発症するので、高齢の方に多いとはいえ、若い方でも発症する可能性は十分にあります。

 

免疫力の低下を防ぐために、

 ・食事のバランスに気をつけて、十分な栄養をとりましょう

 ・睡眠をきちんととり、規則正しい生活を送りましょう

 ・疲れているときには必ず休息をとりましょう

このように、疲労やストレスを溜めない生活を心がけることが大事です。

 

 

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最後は通販番組のようになりましたが、鍼灸治療は自己のもつ自然治癒力を最大に引き出し、免疫力を向上させるためのお手伝いをします。

日常感じている身体の不調の改善だけでなく、免疫力低下を防ぐためのメンテナンスとしてもご利用いただければと思います。

 

 

                    

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

田中里佳

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