1.症状

頭痛の原因は様々ですが、特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛(=一次性頭痛)と、病気が原因で出現する頭痛(=二次性頭痛)に大別できます。
一次性頭痛がいわゆる慢性的な頭痛で、首や肩周囲の筋肉の緊張や、頭部の血管の拡張などによって起こると考えられています。
二次性頭痛はクモ膜下出血や脳腫瘍など、病気が主な原因となっているものです。
二次性頭痛の場合は病気そのものの治療が大切ですが、一次性頭痛の場合はご自身の頭痛の種類を見極め、それに応じた対策をとっていく必要があります。
尚、一次性頭痛の種類として緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つがありますが、それぞれが混在している人もいます。ここでは一次性頭痛について詳しく解説していきます。

2.原因・機序

(1)西洋医学的原因・機序
緊張型頭痛
日本人に最も多いのが緊張型頭痛です。後頭部、こめかみ、額を中心に頭重感や締め付けられるような痛みがジワジワと始まり、ダラダラと続きます。また、肩こり、眼精疲労、めまい、倦怠感などの症状を伴うことがあります。痛みは、午後から夕方にかけてひどくなるケースが多いですが、寝込むほどではありません。
長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用など負担のかかる姿勢、精神的ストレスにより、頭、首、肩の筋肉が緊張し血行が悪くなることが主な原因とされています。その他にも、目、鼻、耳などの感覚器系、歯や顎関節などのトラブルも原因となることがあります。

片頭痛
片頭痛は10歳代後半から40歳代の女性に多いことが特徴です。頭の片側(または両側)が脈打つようにズキズキと痛み、身体を動かすとより痛みが増します。目の前がチカチカする、目が回るなどの前兆が現れる場合もあり、これを「閃輝暗点(せんきあんてん)」と言います。片頭痛では同時に、吐き気や嘔吐、下痢などを起こすことや、光・音・においに敏感になることもあります。
原因は、脳の血管が急激に拡張し、血管の周りの三叉神経(脳から直接出ている神経)を刺激するためといわれています。
ストレス、空腹による血糖値の低下、チョコレートやアルコールの摂取、寝不足または寝過ぎ、月経、人ごみや騒音などが発症の引き金となります。

群発頭痛
20~30歳代の男性に多くみられます。どちらか片方の目、目の上、こめかみあたりがハンマーで殴られるような激しい痛みが起こり、痛む方の目の充血、涙、鼻水、鼻づまり、まぶたの下垂などの症状が現れたら、群発頭痛と考えられます。特定の原因はまだはっきりしませんが、目の奥の動脈が拡張し炎症を起こすため痛みが起こると考えられています。数日から2~3ヶ月間に集中して毎日同じ時間帯に発生することから「群発頭痛」と呼ばれています。主に睡眠中に起こることが多く、激痛で目が覚めます。飲酒や喫煙、血管拡張剤の服用、気圧の変化などが発症の引き金となります。

(2)現代医学鍼灸的病態把握
上記のように大きく3つに分類される頭痛ですが、実態的には頭痛の原因の多くが首や肩のコリから来る関連痛であることが多いことがわかっています。関連痛とは、例えば頭痛の場合「痛むのは頭だけれど、原因は首や肩など別の場所にある」ということです。さらにこの痛みの原因となる場所を「トリガーポイント」と言います。痛む場所ではなく、この「トリガーポイント」に直接働きかけることが重要です。

3.鍼灸治療

(1)現代医学的鍼灸治療
頭痛に対する鍼灸治療では、緊張型頭痛の場合であれば上記で述べた首や肩からのコリから来る関連通であることが特に多いため、痛みを出す原因となる「トリガーポイント」を探し出し、そこの筋肉へ直接アプローチしていきます。このトリガーポイントへの鍼灸治療により、収縮した筋肉を緩め正常な状態に戻すことで、頭痛の原因を取り除くことができます。ツボとしては頸部の「天柱」「風池」「完骨」やこめかみに近い「頷厭」「太陽」などが主に用いられます。
また片頭痛や群発頭痛の場合でも上記トリガーポイントへのアプローチは有効ですが、これらの場合は自律神経の乱れも大きな原因の一つとされており、この自律神経への働きかけができるのも鍼灸治療の大きな特徴です。血行の改善や筋緊張の緩和など全身を治療することで自律神経の乱れを整え、頭痛の原因を取り除いていきます。「心兪」「膈兪」「肝兪」「合谷」「手三里」「足三里」「太衝」など全身の状態を診察しながらツボを選択します。
これらのように鍼灸治療では局所のみならず全身にアプローチして、痛みを緩和させていくことができます。