冬の養生法
12月7日は大雪(たいせつ)でした。大雪は24節気の中で雪が最も多く降るという意味から名づけられています。大雪が過ぎると冬の風が強く吹き、寒くなります。
東洋医学には季節ごとに合わせた養生法があります。今回は冬の養生法をご紹介します
韓国ドラマや東洋医学に興味がある方は、「ホジュン」や「東医宝鑑(とういほうかん)」という言葉を聞いたことがあるかと思います。東医宝鑑は1613年に発刊された韓国の漢方医学の本で、ホジュンとはその著者である医者の名前です。その本には季節ごとに守るべき養生法が明示されています。
そこには、『冬は早く寝て遅く起き、冷たい空気は避け、汗をかき過ぎないように体を温めること』とあります。ただし、注意することとして、遅く起きるとしても日が昇りきる前には起きること、暖かくし過ぎてもいけません。暖か過ぎると体温調節のために汗をかきますが、そうするとむしろ冷たい風が体に侵入しやすくなり、筋骨が弱くなって病気になりやすくなります。
すなわち家の中で半袖を着るほど暖房をかけ過ぎると、かえって健康を害することになります。
寒さが強い冬は、陽気の消耗が多くなる季節です。陽気とは、私たちの体を適正な状態に維持し気を全身に循環させるエネルギーのことを言いますが、陽気の消耗が多くなるとその働きが弱くなり、血液の循環も悪くなります。
私たちは寒さに耐えるために体温を維持しようとしますが、重要な臓器を守るため体の中心にある心臓や脳などに血液を集中させ、手足への血液循環が悪くなります。末端の手足が冷えるのは、そのせいでもあります。
冬の特徴的な疾患として呼吸器疾患を一番先に思い浮かべる方が多いと思いますが、それよりもっと重要なのが血液循環障害です。普段血管に問題がある状態なら、冬に血液循環に障害が発生しやすく、これによって多様な血管疾患が起こる可能性があるからです。動脈硬化、狭心症やレイノー症候群など様々な疾患になるリスクが高まることがあります。
手足の冷え、冷えのぼせ、肩こりや頭痛、シミ、そばかす、クマ、くすみ、生理痛、子宮筋腫などの婦人科系のトラブルに思い当たる方は血液循環が円滑になっていないと考えられます。生活習慣を工夫することで改善できることがありますので、以下参考にしてみてください
【血液循環を改善するための生活習慣】
①規則的なウォーキング運動
-血管拡張に効果があります。
②禁煙
-ニコチンは血管を収縮させます。
③飲みすぎ禁止
-飲みすぎは、血中脂質を増加させます。
④十分な睡眠
-睡眠不足は血管の弾力を低下させます。
⑤ストレス解消
-ストレスは高血圧や高コレステロールの原因です。
⑥お風呂、半身浴、マッサージ
-下半身を温めて自然治癒力を向上させます。
⑦朝食、バランスの良い食事、十分な水分摂取
-朝食を抜くと血小板が多くなって血液がベタベタします。
⑧気温変化に注意!
-身体の保温は血液循環と密接な関連があります。
⑨血液の流れをよくするツボを刺激!
-血海・三陰交:この二つのツボは血液の働きが悪くなった時に刺激を与えると効果的です。
冬は陽気を節約する養生法をしなければなりませんが、実は冬の養生法の最も究極的な目的は、次の春をより良い状態で迎えるためです。冬に陽気を貯めておかないと、春の気候や環境の変化に体がついていけず、一年中体が苦しく感じたりすることがあります。
今年一年を締め括りながら、来年や新春のために血液循環も上手に管理していきましょう
神戸東洋医療学院付属治療院
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