「朝起きた時に腰が痛い」

そんな「朝だけ腰痛」について、心当たりのある方はいませんか?

日中はさほど気にならないのに、起きた直後だけ腰が重だるく、動き始めがつらいという人は、少なくありません。

ここ付属治療院で鍼灸施術を受けられる患者さんにおいても、年齢が高い患者さんほど、そのようなお悩みを問診時に口にされることが多いです。

では、なぜそのような「朝だけ腰痛」がおきるのでしょうか。

 

一般的に、人は就寝時に寝返りを20~30回ほどしているといわれています。

寝返りは、身体にかかる重力負担を分散し、筋肉や関節への負担を軽減する役割があり、いわば無意識に行うメンテナンス作業です。

 

ところが、寝返りが減って同じ姿勢が長く続いてしまうと、腰を支える組織である「椎間板」と「靭帯」に負担がかかり、変化が生じてしまいます。

 

「椎間板」とは腰の骨と骨の間にあるクッションのことですが、その組織の大部分を占めるのは水分です。

日中の活動によって圧力を受けて水分を失いますが、夜間にその水分を再吸収して回復します。

しかし、朝はその水分の吸収により膨張が最大になるため、一時的に椎間板の内圧が高くなります。

その結果、周囲の神経や靭帯が刺激されやすい状態となってしまいます。

 

「靭帯」は骨と骨をつなぐ組織です。

寝返りが少ないと、同じ方向から常に圧力を受けてしまうので、関節を支える「靭帯」が少しずつ伸ばされてしまい、腰そのものの安定性が低下しやすくなります。

その結果として、起き上がる瞬間や、動き始めに痛みとして現れてくることがあります。

 

「朝だけ腰痛」を解消するには、寝返りがしやすい身体づくりが大切になります。

ですが、加齢に伴い背骨や股関節の可動性が下がると、身体が動きにくくなり、寝返りの回数も減ってしまいます。

 

そこで、すぐに実践できる対策をご紹介します。

 

①朝の布団の中でのストレッチ

 起き上がる前に、布団の中で少しだけ身体を温めて、腰の血流を促しましよう。

・両膝を立てて、ゆっくりと左右に倒す

・片膝ずつ胸の方向に抱えて、腰の後ろを軽く伸ばす

・深呼吸しながら腹部を膨らませる(腹圧トレーニング) 

 

②腰が沈まず背中が浮かない、適度な硬さのマットレスを選ぶ

 

③前かがみ動作(靴下をはく、洗顔する)による椎間板への負担を避ける

 特に起床後すぐは注意が必要です。

 

これらの対策によって、ぎっくり腰、腰椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など、腰痛全般症状への予防やリハビリにもなります。

心当たりのある方は、ぜひ実践してみて下さい。

 

神戸東洋医療学院 付属治療院

片桐 享

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