旅の大敵!乗り物酔い!
処暑も過ぎ秋の訪れを肌でも感じると共に、夏の終わりに寂しさを隠せずに過ごしていますが、皆さん良い夏の思い出は作れたでしょうか。
私は今年の夏、3年ぶりにスキューバダイビングを楽しんできました
約10年前に初めて沖縄の海に魅せられてから、趣味の一つとなっています。
ただ、始めるにあたってはとても勇気がいりました。
泳ぎが苦手、乗り物酔い(=船酔い)しやすい、耳抜きが苦手・・・
今では半分以上は克服できたおかげで楽しめていますが、恐らく上記の理由からかやってみたくても避けている人が多いようです。
今回の東洋医学雑記は、泳ぎについて書いてしまうと、スポ根物語になってしまいそうなので、鍼灸治療も効果がある乗り物酔いについてお送りしたいと思います。
乗り物酔いとは、乗り物の揺れや、加速・減速の際に体に加わる加速度によって、耳にある三半規管が刺激された結果起きる、自律神経の失調状態です。
動揺病や加速病と呼ばれることもあります。
揺れだけが原因ではなく、目に映る景色の変化、読書による細かい眼球運動、強い光などの視覚情報や、排気ガスの臭いによる嗅覚情報、衣服の締め付け感や睡眠不足、疲労感などの肉体的問題、不安感などの精神的状況によっても、乗り物酔いが悪化してしまうことがあります。
実際に体が振動していなくても、視覚的な振動の刺激(振動を撮影した動画)による“映像酔い”や、コンピューターゲームによる“3D酔い”などというものもあります。
パソコン画面と手元の資料を交互に見ながらデスクワークをしていて同様の症状が起こることもあるようです。
これらも、視覚と三半規管の感覚とが不一致を起こすために生じるものです。
乗り物酔いの予防や対策方法はたくさんありますが、鍼灸で効果がある理由をお伝えしたいと思います。
先にも述べたように、乗り物酔いとは自律神経失調状態によるものです。
自律神経とは交換神経・副交感神経からなっており、常にお互いがバランスを取り合っています。
それが過度な緊張状態を強いられる環境が続くことにより、バランスが崩れて交感神経優位の状態が続いた結果、自律神経失調状態になってしまいます。
症状は、血行不良や筋肉の緊張による首・肩・背中の凝りや、動悸、息切れ、冷や汗、めまい、ふらつき、耳鳴り、不安感などです
また、副交感神経が働きづらくなることで、内臓の働きも悪くなります。乗り物に乗ったときには急な腹痛を感じる人も多いです。
これらの症状は長期にわたると慢性化しやすくなってきます
自律神経失調状態が現れやすい理由は、生活習慣にあります。
充分な睡眠を取る、食事の時間を一定にする、適度な休養を取る、心身共にリフレッシュをすることがまずは大事です。
船酔いするかもしれないという不安感や日頃の疲労感は、よりそれを助長しやすくなってしまいます。
慣れるという対処法もありますが、身体に出た反応は自力ではなかなか回復しづらいです。
そこで、自己治癒力を高め身体の不調を調整し、血行促進、筋緊張の緩和などにも効果がある鍼灸治療を取り入れることは、生体バランスを保つためにも有効です。
おすすめのツボもご紹介しましょう
①内関 ないかん(手首の内側のシワの中央から肘に向かって約3cmのところ):吐き気など消化器系の症状に効果があります。
②翳風 えいふう(耳たぶのうしろの下にあるくぼみ):耳の症状や、首肩の凝りにも効果があります。耳抜きもしやすくなりますよ。
私自身、日常的な疲れを取ってから行くこと、船に乗った際にはツボを刺激することで、長年の悩みをかなり克服できました
9月はシルバーウィークもあり乗り物に乗って遠出をする方もおられるでしょう。
普段から、電車やバスなどが苦手でお悩みの方、ぜひ治療院にご相談ください
おっと、今回はかなり長くなってしまいましたね。
これ以上読まれて酔ってしまう前に、このあたりで終わりにしたいと思います。
神戸東洋医療学院 付属治療院
池邉 由実
***************************************
兵庫 神戸 元町で鍼灸といえば!
神戸東洋医療学院 付属治療院
***************************************