グチュグチュ、ガラガラ
こちら神戸では先日ひょうが降り、ニュースになっていました
インフルエンザの流行の話題も聞かれる時期にもなりましたので、今回は風邪にまつわるお話をしたいと思います。
まずは予防についてです。
京都大学で、約380名を対象としたうがいの風邪予防効果について研究が行われました。
これは、うがいを行わない群(うがいなし群)と、水道水で行う群(水道水群)、ヨードを入れた水でのうがいを行う群(ヨード群)を比較したものです。
結果はうがいを行わない群に対して、うがいを行った群は風邪に感染する割合を40%も少なくできたそうです
では、水道水群と抗ウイルス効果があるといわれるヨード入りの水でのうがいの予防効果の違いですが、
ヨード群よりただの水道水によるうがいの方がより予防効果が高いことがわかりました
実際、ヨード群は、うがいなし群よりやや予防効果が見られる程度に留まりました。
ヨードの抗ウイルス効果は乾燥することで高まること、また、正常細胞を傷つけてしまうことなどがヨード群の風邪予防効果があらわれにくかった理由では、と考察されていました。
水道水でうがいをするだけで40%も風邪予防ができるなら、やはり習慣化したいものですね
また、鍼灸治療においての風邪予防のポイントの1つをお知らせします。
それは、首や肩にコリを貯めないことです
首肩のコリは自律神経の働きを乱し、同時に呼吸器自身の血行を悪くし、風邪の原因となる細菌ウイルスへの抵抗力を低下させてしまうことになります。
私自身、何かのどの様子がおかしいなぁ。と感じた際や風邪気味で首筋がこわばってきた時など、自分で鍼をし、事なきを得ることもあります
それはよいなぁ。と思われた方、どうぞ鍼灸師におなりください笑
ちなみに2016年、冬のオープンキャンパスは2/14(日)です
このように予防を心がけていても、暴飲暴食や睡眠不足、大きなストレスなどで体力が低下し、やはり風邪をひくこともあります。
ではここからは、風邪にかかったときの対処法の常識について検証していきたいと思います。
『風邪のときはお風呂に入ってはいけない。』
このようなことが言われているのは日本だけで、海外ではそのようなことはありません
現在は風邪のときでも身体に付着したウイルスを洗い流すことができるため、入浴は推奨されています。
このように言われたのは、昔の日本の住環境が湯冷めなどを起こさせやすい状態でかえって症状を悪化させてしまう可能性があったからです。
入浴をするとしても、長風呂は避けなければいけませんし、十分な水分補給も必要です
『風邪を引いたときはビタミンCをとると早く治る』
現在ではこの効果は否定されています。が、風邪の予防効果はあるとされています。
『熱があるときに額を冷やす』
これには熱を下げる効果はありません
額を冷やすと、心地よさはあるかもしれませんが実際熱を早く下げようとするならば、太い血管が通るお腹が一番で、
その次は、同じ理由で鼠蹊部や前頸部、脇の下を冷やすのが効率的です。
『風邪には卵酒』
昔から風邪のときの卵酒は有名ですが、アルコールはのどの粘膜をより乾燥させ、炎症を広げる可能性があるため、控えましょう
(グッと我慢の子です)
『風邪のときは、おかゆやうどんのように消化の良いものを』
半分正解で、半分間違いです
胃腸風邪といわれる、胃腸に炎症がおこり、下痢、嘔吐などの症状が現れている際や、暴飲暴食で内臓を酷使したために風邪を引いたときを除いては、
焼肉やステーキなどたんぱく質をしっかり補給することも重要です
『風邪の引きはじめには解熱鎮痛剤をすぐ飲む。』
これは、逆に風邪を長引かせてしまう可能性があります
ウイルスを攻撃する白血球は体温が上がることで活性化されるといわれており、ウイルスと戦う生体防御反応として熱が出ます。
ところが、早い時期に解熱鎮痛剤を飲んでしまうと、その働きを抑えてしまうことになり風邪が長引くことにもなりかねません。
その観点から言うと、身体の温度を上げる葛根湯は早めに飲むことに意味があるといえるでしょう
『風邪のときは鍼灸治療は避けたほうがよいのでは?』
と、尋ねられる事がありますが、鍼灸治療も同じようにやや体温を上げ、白血球をはじめとする免疫力を活性化する作用がありますので、
ご来院いただける場合は「治療後はかえって一時的に熱が上がることがありますが、免疫力が高まり、ウイルスをやっつける効果がありますよ。」
と、説明をさせていただき行わせていただきます
もちろん、治療後の休息は不可欠ですが
まだまだこれからが寒さの本番です
十分な予防、そしてもし風邪にかかってしまったときは、対処法を間違えず早めに治したいものですね
神戸東洋医療学院 付属治療院 川上 靖
*********************************************************
神戸・三宮で鍼灸 はりきゅうといえば!
神戸東洋医療学院付属治療院
*********************************************************