前々回から『美容』をテーマにしてきた東洋医学的雑記。

1回目は「鍼」で美人に。2回目は「運動」で。
そして最終回は「食事」でお送りしたいと思います。

皆さんは『医食同源』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
中国では薬食同源と呼ばれ、昔から食物を薬としてとらえ、毎日とる食事で常に健康を心がけていました。
日本でも『薬膳料理』という言葉があります。これらは両方とも決して薬を飲むわけではありません。
自分の体質や身体の症状、季節に合わせた食物、身近な食材を使って料理を作るということです。
東洋医学では五味と呼ばれる5種の味があります。
この五味は内臓を表す五臓とも関連性があり、そのいずれかの味が不足したり過剰摂取

されたりすると、臓腑のバランスが崩れて病気の原因になると考えられています。
こういうことからも偏食はよくありませんね。

また、ハウス栽培により年中スーパーで同じ野菜や果物をみかけることが増えてきましたが、
本来の気候でできた食物をその時期にとることもポイントです。
例えば、汗をかいて水分が蒸発しやすい暑い夏には潤いたっぷりの冷えたトマト、
冷えやすい冬には体を温める効果のある冬野菜のゴボウなどです。
冬に困る冷え性には、ゴボウやニンジンなどの根菜類や食物繊維豊富なカボチャも

おすすめです。冷えが改善すると、体のむくみや便秘もなくなり、肌のくすみが

マシになったという話はよくあります。

身体の中からきれいになることを心がけると、見た目の肌や体型の変化にもつながります。
特別に難しいことはありません。
自分の体質と食物や味の特徴を合わせて、その時期に美味しいものをバランスよく食べる。
ぜひ心がけてみてください。

神戸東洋医療学院 付属治療院 池邉 由実