衛気(えき)を高めて元気に
2月4日は「立春」。
まだまだ肌寒い日が続きますが、暦の上では『春』を迎えます。
依然として新型コロナウイルスの脅威が続いており、感染症というものを改めて考えさせられますね。
自分自身や家族友達など、周りを見ても、普段から毎年のように風邪やインフルエンザにかかる人と、
生まれてこの方かかったことがない、という人がいると思います。
その差って何でしょうか…
中医学ではその差は『正気(せいき)』にあると言われています。
中医学の古典「黄帝内経」には『正気存内(せいきぞんない)邪不可干(じゃふかかん)』という有名な言葉があります。
これは「“正気”が体内にしっかりあれば、“邪気”が干渉することはできない」という意味です。
邪気とは、病気を引き起こす気のことで、正気とは邪気に対抗する抵抗力や自然環境に適応する能力のことを指します。
その正気の中でも、病気から身体を守るバリア機能のような働きがある気を『衛気(えき)』と言います。
『衛気』は気の中の1つで、名前の通り『防衛の気』です。
皮膚や肌など体表面に存在するとされており、
・体表を守り、邪気の侵入を防ぐ
・汗をコントロールして、体温を維持する
・皮膚や臓腑を温める
などの働きがあるとされます。
では、みなさんの体内に衛気はどのくらいあるでしょうか?簡単なチェックをしてみてください。
【衛気不足チェックリスト】
□風邪をひきやすい
□暑くないのに、汗がだらだら出る
□疲れやすく、息切れしやすい
□肌のツヤや弾力がない
□冷え性で冷房が苦手
□冷たい風に当たると体調を崩しやすい
□花粉症などアレルギー体質
※多く当てはまるほど、衛気は不足しています。
「衛気」を作り、全身に巡らせる臓腑は「脾」と「肺」と言われます。
「脾」は胃や腸の消化器系のことで、胃腸が「衛気」を作り、「肺」がそれを全身に巡らせます。
衛気と共に胃腸と肺をいたわる養生もご紹介します
【脾(胃腸)を補う食養生】
キーワードは「自然の甘味で黄色い食べ物」。
例:かぼちゃ、さつまいも、トウモロコシ、にんじん、じゃがいも、お米、大豆製品、りんご、
キャベツ、インゲン豆など
【肺を補う食養生】
キーワードは「白い色の食べ物」。
例:豆腐、レンコン、山芋、大根、白菜、梨、白きくらげ、ゆり根、白ごま、松の実、杏仁豆腐、
豆乳など
【衛気を補う養生法】
・肥甘厚味(油っこい、甘い、味付けの濃い)のものは出来るだけ避ける。
・ストレッチやヨガ、ウォーキング、ランニングなどで体を動かす。
・冷たい飲食物は控えめに、水も必要以上に摂り過ぎない。
・睡眠を大切に。
・朝一番の深呼吸。
これらの養生法、全ては難しくても「これくらいならできるかな?」というものが一つ二つはありませんか?
できることから少しずつ、衛気をしっかり補って、感染症を寄せ付けない体づくりをしていきましょうね
神戸東洋医療学院付属治療院 田中 友也
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