東洋医学には、十干と十二支があります。

 

十干(じっかん)は、以下の10年周期です。

甲(木の兄:きのえ)、 

乙(木の弟:きのと)、

丙(火の兄:ひのえ)、

丁(火の弟:ひのと)、

戊(土の兄:つちのえ)、

己(土の弟:つちのと)、

庚(金の兄:かのえ)、

辛(金の弟:かのと)、

壬(水の兄:みずのえ)、

癸(水の弟:みずのと)、

 

十二支は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥です。

今年2021年の十干は「辛(かのと)」で、十二支は「丑(うし)」であり、「辛丑(かのと・うし)」年になります。

東洋医学は何でも十干・十二支や木・火・土・金・水の五行を用いて判断しますひらめき

 

「辛(かのと)」は、「辛酸をなめる」「辛辣(しんらつ)」「辛(つら)い」という意味があり、「辛(しん)」の音は「新(しん)」に通じます。中国では「辛亥(しんがい)革命」のように、「辛(しん)」の年は変革の年と言われています。変革するときは「辛(つら)い」ことも多いです。

「丑(うし)」は、「紐(ひも)」が字源のようです。「子(ね)」のネズミ年は、植物が地下で「種子(たね)」の状態にあります。この植物の種子が芽を出して、まだ種子の殻がついているのを象形文字にしたのが「丑(紐)」という漢字で、「新しい芽が出ようとするが、まだ種子の殻がついているので伸びようとしても伸びることができない、紐で縛られている状態」を象形しています。

つまり「辛丑(かのと・うし)」は、変革しようという新しいエネルギーがあるが、紐で縛られていて伸びようとしても伸びることができない状態を意味しています。

 

前回の1961年の辛丑の年には、ドイツにベルリンの壁が出来ています。ベルリンの壁は、まさに「外に出ようとしても出ることができない」状態です。前々回の1901年の北京では「辛丑(しんちゅう)条約」が結ばれています。中国が外国と不平等条約を結んだ事件であり、まさに「条約という紐で縛られた状態」です。

こじつけのように思えるかも知れませんが、「辛丑」の漢字はなんだか、今を表しているように感じませんか?

 

「辛丑」はネガティブなように思えますが、東洋思想では、常にものごとには陰の部分と陽の部分があると考えています。「辛」は「新(しん)」であり、まさに「革新の年、時代の転換点の年」であると考えられます。昔の東洋の思想家たちは、十干と十二支を組み合わせて、気というエネルギーの流れを表現していました。東洋思想は、サーフィンみたいな感じです。エネルギーの波を感じて、その流れに乗ります。

 

今年は新しいことを始めても、なかなか真直ぐに進むことは出来ないかも知れません。しかし、時代の変革期であり、例えなかなか自由に外に出られなくても、グッと力を溜めながら、新しいことを始めて外に出ようとトライして試行錯誤すべき時期であることは、多くの東洋思想家たちが一致して述べています。土から出たばかりの芽は何度も冬の寒さに押し戻されますが、「辛丑」の年は新しいエネルギーが伸びようとする直前を現しているのです。

体調の不良があり、今まで東洋医学を経験したことが無い方は、ぜひ、新しい経験である鍼灸にチャレンジしてみてください。次の時代のために鍼灸で新しいエネルギーを蓄積し、自分の転換期にしてみませんかほっとした顔

 

神戸東洋医療学院付属治療院 早川 敏弘

 

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