雨のち春
春分の日を過ぎ、いよいよ本格的な春が近づいてきました
今年は3月上旬から初夏並みの陽気になったり、翌日には真冬が舞い戻って来たりと例年以上に天候の変化が大きく、風邪を引いたり、食欲や便通に不調を訴えられる患者さんも多くみられます
倦怠感や眠気等、なんとなくスッキリしない感じには、急激な寒暖差に加えて陽気に誘われて飛び始めた花粉の影響も少なからずあるようです
天気予報をみると、連日の雨予報でますます元気が出ないという方もいらっしゃるのではないでしょうか
3月中旬から4月上旬にかけて降り続く雨のことを「菜種梅雨(なたねづゆ)」といいます
菜種とはご存知のとおり、菜の花(アブラナ)のことで、菜の花が咲く頃に降る長雨を指します。「春の長雨」「春霖(しゅんりん)」のほか、「催花雨(さいかう)」という言い方もあります「催花雨(さいかう)」とは、桜をはじめとする春の花々を咲かせる恵みの雨であり、花を催す「催花」が同音の「菜花」に通じることから、「菜花雨」「菜種梅雨」になったともいわれています
菜種梅雨に降る雨は、それほど激しくなく細く暖かい雨がしとしと降ることが多く、
春雨(はるさめ)は、この頃の優しい雨のことをいいます春雨と聞いてまず食べ物を思い浮かべた方。そうです!あのお鍋の具や酢の物等によく使われる春雨は、元々中国で作られていた食品で、中国語では「粉条」「冬粉」「粉絲」等と呼ばれますが、
春の雨になぞらえた美しい名前は日本でつけられたものといわれています
日本には6月頃のいわゆる「梅雨」以外に、前述の「菜種梅雨」、5月下旬から梅雨本番前ぶれのように降り続く「走り梅雨」「卯の花腐し(うのはなくたし)」、8月下旬から10月頃にかけて降り続く「すすき梅雨」「秋霖(しゅうりん)」、11月下旬から12月上旬にかけて降り続く「さざんか梅雨」等、季節の草花の名前がついた長雨の呼び方がいくつもあります
春雨の命名同様に、四季折々の自然を愛でる日本人ならではの慣性が感じられます
とはいえ、今年の雨はしとしとというよりは結構な勢いで降ることが多く、あまり風情は感じられませんでしたね
陽気に誘われて開き始めた桜のつぼみやユキヤナギも雨に打たれながらじっと耐えているように見えました
今の時期、年度末や新年度に向けて多忙が続いている方、新生活に向けて不安を抱えている方もたくさんいらっしゃると思います
ようやく雨もやみ、まもなく暖かな春が訪れて満開の花が開くことでしょう
明るい春を迎えるための心身の準備には、ぜひ鍼灸をご利用ください
また、この時期のシャキッとしない身体には、酢の物がおすすめです。中医学の五行学説で春は「木」にあたり、「五味」は「酸」にあたります。頭で考えるよりも食べてみると身体が酸味を欲していることが実感できると思います。ぜひお試しください
神戸東洋医療学院付属治療院 池田 朋子
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神戸東洋医療学院付属治療院
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