12月です。師が馳せる月、師走です。

当院のそばでは4日(金)から神戸ルミナリエ2015が開始しています。

鍼灸科の学生も来年2月に行われるはり師きゅう師国家試験の願書記入を終えました。

 

ルミナリエをはじめ、街のあちこちでイルミネーションが輝き、心躍るこの季節。

なのに、体がだるい、疲れがとれない、寝付きが悪い、イライラする、お腹の調子が悪い、コリがきつい・・・など普段以上に不調を感じてはいませんか。

その症状、「冬バテ」かもしれません。「夏バテ」は耳馴染みもあり、実際に経験のある方も多いと思いますが、「冬バテ」についてはあまり知られていません。

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「冬バテ」の原因は、交感神経が優位になることです。

自律神経のうち、交感神経は心身を緊張モードに、副交感神経は休息モードにします。

冬の寒さはただでさえ交感神経の活動を高めます。寒いときに鳥肌が立ったり、ぶるぶるとふるえが起こったりするのは交感神経の働きです。また、冬は他の季節に比べ、昼夜の気温差が大きく、さらに現代では外気温と、暖房の効いた電車の中や室内の温度との差が大きいため、体温の調節に働く自律神経への負担は大きく、乱れやすくなります。

年末独特の気ぜわしさや、忘年会やクリスマスなどイベントが多いこともまた交感神経を優位にします。年末に向け仕事が多忙になる方も多いでしょう。なぜかイライラピリピリするのは交感神経の働きです。

逆に楽しい時間を過ごした後、興奮冷めやらずなかなか寝付けないこともあるでしょう。本来、夜には副交感神経が優位になり心身はリラックスモードに入るのですが、夜になっても交感神経が優位な状態では、寝付きが悪くなったり、熟睡できなかったりと質のよい睡眠がとれません。その結果、疲労がとれない、体がだるい、やる気がでない、といった症状につながります。

また、交感神経には血管を収縮させる作用があるため、血行が悪くなりコリや冷えを引き起こします。緊張状態では胃腸の動きも悪くなるため、食欲がなくなったり、下痢や便秘になったりします。そのうえ、忘年会やクリスマス、お正月、新年会など普段以上に飲食をする機会が増えるため、内臓を酷使し、夜更かしをして睡眠時間が短くなる等、ますます身体への負担は大きくなります。

当院の患者さんでも、自覚の有無に関わらず、内臓の疲れや睡眠不足の影響が出ている方が多くみられます。

 

東洋医学では、冬は五能(生・長・化・収・蔵)の「蔵」にあたり、次の春に向けてエネルギーを溜め込む時期です。そのため、木々は葉を落とし、動物や虫たちは冬眠をし、できるだけエネルギーを使わずに春に備えます。自然の摂理に反して、この時期に普段以上に心身の活動をする私たちが不調を感じるのも無理はありません。

ただ、私たちは冬眠して春を待つわけにはいきません。

「冬バテ」を予防、解消するために普段からできることは、身体を温める、好きな香りを嗅ぐ、ゆったりお風呂に浸かる、深呼吸をする、など副交感神経を優位にするよう心がけることです。(もちろん、鍼灸治療もおすすめです!)

ただし、エネルギーを溜め込む時期だからと、こたつや布団の中でじっとしていたり、暴飲暴食をしたりするのは逆効果です。自律神経と上手につきあいながら、今年の冬を楽しみましょう。

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神戸東洋医療学院付属治療院

池田 朋子

 

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神戸東洋医療学院付属治療院 

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